22日に行われた、衆議院議員選挙の投開票。今回の選挙に対する街のみなさんの本音について、10月23日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
今回の衆院選の投票率は、戦後最低だった前回とほぼ同じ53%前後になる見通しです。投票日当日に日本列島が台風を直撃したこともありましたが、選挙戦後半にかけて盛り上がりに欠けた気もします…。まずは、この衆院選について、街でみなさんに感想を聞いてきました。「今回の選挙、どうでしたか?」
★衆院選、「盛り上がりに欠けた」が圧倒的
- ●「私は、少なくとも盛り上がっていたと思います。細分化・細分化されて、自分の入れるべき先が、見つかってるなと。」
- ●「盛り上がっているように見えて、盛り上がってない気がする。」
- ●「最初は盛り上がっていたけれども、盛り上がりに欠ける。」
- ●「せっかく対立党があったのが無くなって寂しい。」
- ●「しらけてるっていう部分もあるかなって正直感じます。」
今回、10代〜70代の男女にお話を伺ったのですが、「盛り上がっている」と答えた方の中には、政党が細分化されていて選択肢が多い・街頭演説に人がたくさんいた感じがしたなどという印象を受けているようでした。ただ、多くの方の印象としては、「盛り上がってない」、「しらけている」という見方をしていました。
★ぼやけた争点、選挙のタイミング、対立軸なし…
では具体的にどこが盛り上がらなかったのか?聞いてみました。
- ●「はっきりした争点がなかったんじゃないの?」
- ●「なんでこの時期なのかと思う。加計問題も全然答えてないし、選挙で逃げてるんじゃないの?と思う。」
- ●「最初は『自民党』と『希望の党』が真っ向対決だと思ったら、野党側が自滅し始めて、“あーあ”見たいな感じ。」
- ●「せっかく対立党があったのに、無くなって寂しい。」
- ●「先に“自民党が優勢”っていう報道が出るのがおかしいなと思うんだけど、それによって諦めの感じが多いのかな…。」
盛り上がりに欠けた理由としては、大筋としてこのような分析がありました。
- 争点がはっきりとしなかったから。
- 今回の選挙のタイミングとして、森友・加計問題から逃げているのでは。なぜ選挙が今なのか、大義が見えない。
- 選挙戦の途中で野党側が分裂して自滅し始めたので、与党優勢になったのではないか。
- 事前に「自民党が優勢」という報道が出たことが影響しているのではないか。
★小池さんの“排除”発言が及ぼした影響
一方で、多かったのがこうした声です。
- ●「小池さんが策を仕掛けたけど、自分の予定と違ったということじゃないか。」
- ●「排除するとか小池さんが言って。あそこまで言うんだったら、自分が出ないと、みんな付いて来ない。そこから流れが変わった。」
- ●「小池さんも、悪者がいてそれをやっつけるみたいな“劇場型”が終わったし。その後がんばったけど、これっていう結論が出てないんじゃない?そこを見破られちゃった。」
- ●「小池さんは地が出たなと思ってみてる。ちょっと落ち着けばよかった。欲があるのが出すぎた。まずは東京都をやるって出たんだから、腰のすわりが悪い。嫌いじゃないけど、見えたわね、あなたって感じ。上手に隠せばよかったのにねって感じ。分かるわよ。」
小池さんについて、みなさんから出てきた声は2つ。
1つは「排除」という言葉。これは、先月29日記者会見で、希望の党からの出馬を望む民進党の立候補予定者の絞り込みについて、「リベラル派が排除されないということはない。排除する」との小池さんの発言。みなさん「排除」という言葉の印象が強かったのか、この言葉に対して引いてしまい、印象が悪くなったという声がありました。
そして2つ目が「地が見えた」という声。何人かの方が仰っていたのは、今まで小池さんは“劇場型”と言われる戦法で都議選を勝ち抜いたものの、肝心の結果が出せていないのでは、という意見。特に女性の目線は厳しく、“何か(本性)が見えた”ようでした。
★選挙は、森友・加計問題の禊にはなっていない?
何はともあれ、今回、圧倒的な力を持つことになった自民党そして安倍さんですが、これからの自民党、安倍さんに向けて、皆さんからこうした要望が出てきました。
- ●「安倍さんも加計問題とか、自分で身の潔白を証明して、たぶんそのまま終わっちゃうんでしょうけど。この選挙で禊だって話もあるけどね。」
- ●「森友や加計問題、そういうのを有耶無耶にしないで、きちんと説明してほしいと思う。」
- ●「加計問題は、みんなにしっかり説明したほうがいい。納得してない部分はあると思う。」
「政権運営と、森友・加計問題は別問題なので、特に気にしていない」という声もありましたが、多くの人が、森友・加計問題にスッキリしていない様子。有耶無耶にせずに、きちんと説明してほしいという方も多かったです。
★“謙虚”な政権運営を期待
そして、「自民党を支持する」、「または支持していた」などの容認派から、最後にこんな声も。
- ●「僕は自民党しかないと思っている。小池さんじゃ無理。でも安倍さんだって、加計そばみたいな、あまり驕ったようなことがないようにしないと。安倍一辺倒になっちゃったからね。で、自民党も人材いないよな。よく大臣になるなって言う人が大臣になるよね。“大臣待機組”とか、とんでもねぇ話だな。」
- ●「ずっと自民党支持者だったけど、今回は立憲民主党。大きくなりすぎた。総理のご意向が非常に強すぎる。憲法改正についても急ぎすぎ。」
- ●「安倍さんに一言言っても聞くわけないじゃない。降ろすしか。焦りすぎてるのねあの人。ちょっと強くなりすぎてるから、説明不足なのも全部そこから来てる。内容が全部悪いといわないけど、ちょっと安倍さんも付け上がってるし、調子こいてるじゃん。謙虚さがない。」
大きくなりすぎ、強くなりすぎな部分を懸念する人が多く、数の力で何でも決めるのではなく、もっと謙虚に、という声が自民支持の方からも聞こえました。