9月9日(土)は、北朝鮮の建国記念日です。今度はICBMが発射されるのではと言われていて、再びJアラートが鳴るかもしれません。そうした中、6日の午前9時頃、三重県四日市市で間違ってJアラートが流れるトラブルがありました。また、前回のミサイル発射の時は、24市町村でJアラートが流れないトラブルも・・・!
そこで今日は、いろいろ問題のあるこの「Jアラート」について、9月8日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
まずは街の皆さんに、「前回のミサイル発射の時、あなたの携帯で、Jアラートは鳴りましたか?そもそもJアラートの仕組み、知ってますか?」と伺いました。
★意外と知られていない「Jアラート」
- 男性
- ●「(鳴ったことある?)ないです。きがつかなっかった(誰に来て誰に来ないか分かる?)知らないです。」
- 男性
- ●「来たことありません(どういう人が来てどういう人が来な いか分かる?)わかりません」
- 男性
- ●「来なかった。僕は申し込んでないからね。」
- 女子高生2人組
- ●「(Jアラートって知ってる?)聞いたことない・・ジェラート?じゃなくて、あれ、あの、ほら、鳴るやつ、鳴るやつ!なんだっけ(北朝鮮のミサイルで)あー。」
- 若い男性2人組
- ●「(Jアラートって知ってる?)聞いたことないっす。何それ? ジェラート?建物?(北朝鮮のミサイルで)あー。」
- 女性
- ●「散歩し ている時にJアラート受け取りました。びっくりした。地元を散歩中に。長野県です。」
都内で9時間、90人の声に耳を傾けましたが、「鳴った」という方は5名ほど。さらに、どういうときに、誰に、どんな風に届くのか、がわかっている人は2名でした。特に若い男女に聞いたところ、どちらもJアラートを「ジェラート?」と勘違いしていました・・・・。
ただ、国民の保護のための警報なので「わからない」ではよくないと思い、街の皆さんに代わって、内閣官房の危機管理担当にいろいろ教えてもらいました。
- まず、Jアラートは、緊急事態を国民に伝える警報で、ミサイルのほか、津波警報などがあります。
- 北朝鮮のミサイルでは、日本の領土・領海に落下する可能性、又は領土・領海を通過する可能性がある場合に出されますが、「リスクがあるエリア」にしか出ません。
街の声では「鳴らなかった」という方が多かったのですが、それは間違いではありません。前回は東京は対象外なので、全国ネットのテレビが鳴っても、東京の携帯は鳴りませんでした。全国ネットのテレビが散々やっていたのに、携帯が鳴らなかったので違和感を感じた方も多かったようですが。一方、街の声で「鳴った」とおっしゃっていた方は「長野」で、長野県は前回対象エリアでした。こちらはちゃんと機能していたようです。
ではこの「リスクがあるエリア」というのは、どうやって決まっているのでしょうか?
- 対象エリアは、全国9ブロック=北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄、に分かれています。
- ただし、一般の地域区分と少し違います!
- 例えば前回は「東北エリア」が対象でしたが、これは一般の東北地方ではありません。
- 「北海道、東北6県、栃木、茨城、群馬、新潟、長野」=これが「東北」という区分なんだそうです。(かなり「ざっくり」ですね)
- つまり、飛行ルートを特定して、その近辺の都道府県を細かく選んで指定しているわけではないんですね。
★Jアラートに詳しい人ほど、信用していない?
このように分かりにくいJアラートですが、街で比較的わかっていた方はこんな声でした。
- 比較的Jアラートに詳しい方の場合
- 「仕組みとしては、打ち上げたら米軍が情報をキャッチして、『打ち上げた、避難してください』という速報が 来る。でも、『通り過ぎるから慌てるな』ということなのか、『本当に落ちているからこうして』ということなのか、何分何秒という短い時間で判断できないはず。鳴ったからどうすればいいの?と感じる。(前回鳴った?)鳴らなかった。充電で電源切っていた。(9日も危険ですが)朝3時・4時にやっても、夜中は鳴らないように充電しているので全然わかんない。」
さすがに電源を切ってしまうと、Jアラートは届きません。
ただ、意外な注意点もあって、NTTドコモの広報によると、「通話中だとJアラートが届かないことがある」とのことでした。これはau、ソフトバンクも同様のようです。しかも、普通のメールは通話が終わると遅れて届きますが、Jアラートは届かないということなので、これは困ります・・・。
この「通話中は届かないかも問題」を解決するには、スマホの場合は「Yahoo!防災速報」アプリをダウンロードする方法があります。これを入れておけば遡って表示されますのでチェックできます。
ただ、このアプリの場合、エリアを自分の地域に設定しないと、関係ない地域の警報も届くので注意が必要です。前回のミサイル発射の時に「東京のスマホなのにJアラートが届いた」という方は、このアプリの設定が「全国」になっていた可能性があります。
★「どうしていいか、わからない」が多数
さて、前回の騒動を受けて、自分のスマホに防災アプリを入れた方も多いと思いますが、そんな方たちが口を揃えて言っていたのがこちらです。
- Jアラートが鳴った時、どうする?
- 「心配というか、もう来る時は来ると思っている。どうしていいかわからない!地下鉄に入ればいいというけど、地下鉄まで行くのが遠い。南北線だけど、そこまで行くのは危ない。もう覚悟はしているし、騒ぐことはないと思っている。」
一応、内閣官房は「国民保護ポータル」というサイトに避難方法などをまとめています。でも果たして、このサイトを知っている人はどれくらいいるんでしょうか・・・?また、「頑丈な建物や地下に避難」と書かかれていますが、実際にどう動いていいか、わからない方が多いようです。
ちなみに、北朝鮮から日本にミサイルが届くまでの時間は、10分弱。前回は、発射の4分後にJアラートの第一報がなったので、そこから4〜5分以内に避難する必要があり、やはり厳しいですよね。皆さん、「Jアラートが鳴ったらどうするか?」と伺うと、「何もしない」「心構えだけ」と仰っていました。
★Jアラートが避難行動に繋がるか
そうした中、高齢の方からは、こんな声が聞かれました。
- 戦中・戦後の隣組を経験した方
- 「あれ鳴らしても、急には避難できないでしょう。昔は隣組があって、戦後の台風の時、二つ隣の爺さんが鍋叩いてね、回って歩いて、そっちの方がよっぽど効くもんね。みんな年寄りおぶって、二階のあるところに連れて行った。やっぱり連絡・口伝え。今の警報は、浸透するまで大変だろうね。不安を煽るだけにならなければいいけど」
「逃げ場所がわからない」という声だけでなく、逃げる行動につながるのかどうか、ここにも疑問の声が出ていました。様々な声がありましたが、全体的には、「ないよりはあった方が安心」ということでしたが、機能性については疑問の声が多かったです。
【お持ちの携帯・スマホがJアラートを受信できるかどうかの確認方法】
- docomo「エリアメール」
https://www.nttdocomo.co.jp/service/areamail/compatible_model/index.html - au「緊急速報メール」
http://www.au.kddi.com/mobile/anti-disaster/kinkyu-sokuho/enabled-device/ - SoftBank「緊急速報メール」
http://www.softbank.jp/mobile/service/urgent_news/models/
いわゆる「格安スマホ」はJアラートを受信しない場合があります。消防庁では「Yahoo!防災速報」などのスマートフォンアプリのインストールを推奨しています。(参考:消防庁資料)