家電量販店やネット通販でもらえるポイント。便利でありがたいものですが、ここ最近、「貯めていたポイントが他人に勝手に使われる」という被害が増えているそうなんです。いったいどういうことなのか?7月3日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
どのような被害か?まずはポイントカードに詳しい、株式会社ポイ探の代表取締役・菊地崇仁さんのお話です。
★“バーコード型”のポイントカードの不正利用が相次ぐ
- 株式会社ポイ探 代表取締役 菊地崇仁さん
- 「ポイントカードは2種類あり、“磁気カード”(ツタヤの『Tカード』など、レジでスキャンしてもらうもの)と、“バーコードタイプ”(カードの裏のバーコードをスキャンするもの)があるんですが、今回は“バーコードタイプ”のポイントを不正に使われた。
最近、カードとは別に、スマートフォン上にバーコードを表示して、スマホをポイントカード代わりに使えるアプリがある。例えば『楽天』や『ビックカメラ』のアプリはコンビニやドラッグストアで使えるが、アカウントをハッキングされてバーコードを不正に入手されると、ポイントを全部使われてしまう。」
ポイントカードは、プラスチックのカードが一般的です。
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ポイントカードいろいろ。カードでお財布がパンパン、なんて人も多いのでは?
これらのカードには2種類あり、レジにスライドして読み込む“磁気カード”と、カードの裏面にバーコードが記載された“バーコードタイプ”とがあります。
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磁気カード
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パーコードタイプ
そして最近よく不正利用されているのが、“バーコードタイプ”のものです。と言ってもカード自体が盗まれている訳ではなく…
いま、スマートフォンに「専用アプリ」をダウンロードすれば、画面にバーコードが表示され、カードと同じようにポイントを貯めたり使ったりすることができる仕組みがひろまっています。「スマホを持っていればポイントカードを持ち歩かなくても良い」というメリットがあり、各社の「ポイントカードアプリ」をダウンロードする人が増えているそうなんです。
![森本毅郎スタンバイ!](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2017/07/01d72791af656f5529076bb9243f5dc1-299x400.jpg)
アプリをダウンロードすることで、カード裏面のバーコードがスマホに表示されます。カードが無くてもスマホがポイントカード代わりになるので、カードで財布がパンパンになったり、「持ってくるのを忘れた!」という事態を防ぐことができます
一方でこの機能、自分のIDやパスワードなどの情報が流出してしまった場合、不正ログインされて、複製されたバーコードでポイントが使われてしまう危険性もあるようです。警察によると、去年の3~6月だけで、900万円分のポイントが不正に使われたという報告もされています。
★スマホのバーコード表示機能は、ID・パスワードの流出で、複製の危険性あり
かなりの額のポイントが不正に使われているようですが、その理由ついて、再び菊池さんに伺いました。
- 株式会社ポイ探 代表取締役 菊地崇仁さん
- 「スマートフォンのバーコードの画面キャプチャ(画面の写真)を撮ると、複製がいくらでもできる。ここが問題で、大阪や京都など、“出し子”のような状態で色々なところで使われてしまう。まとまったポイントを保有しているユーザーが盗まれることが多い。」
IDやパスワードなどの情報が流出してバーコードが複製されると、そのバーコードの写真が、いわゆる“出し子”にばら撒かれるそうです。手口も巧妙で、1人の出し子が大量のポイントを同じ場所で使ってしまうと怪しまれたり足がついたりするで、何人かの出し子で手分けして、少額で目立たない買い物をするというやり口で不正利用されているんです。
★「使う人」と「貯める人」、それぞれの理由
狙われやすいのは、ポイントを貯め込んでいる人。ID・パスワードを盗まれてログインされると、その人が今どれくらいのポイントを保有しているかもわかるので、カードの種類に関係なくネットで確認できるポイントや、飛行機などで貯まるマイレージなども、貯め込んでいると標的にされやすいということです。
では、みなさんどれくらいポイントを持っているのか?貯め込んでいる人はいるのか?街で聞きました。
- ●「『Tポイント』だけ。500Pしかない。1000Pくらい貯まったら使っちゃう。」
- ●「『ポンタ』が5万くらい貯まってたけど、使ったので残り1万くらい。ケンタッキーとか大戸屋とか食事に使う。貯まったら使う。使えるものは使っちゃおうかなと。」
- ●「『マイル』と『Tポイント』。『Tポイント』は200~300位であまり貯まってない。お金もポイントも、使わないと意味がないんで、使える機会に使います。」
- ●「いま、『ポンタカード』3000P。1万くらい貯まったら高いものとかに充てようかな。『マイル』も『Tポイント』も『楽天ポイント』も使ってて、トータル5万円分くらい。買いたい物が出てきたら使おうと思って、とりあえず貯めてる。『JALのマイルは』10何万。家族でどこか行こくために常に置いてる。」
ここ数年でポイントやマイレージを使えるお店(コンビニや薬局、飲食店など)が増えているため、「使う人」は、そういったお店で日常的に使用しているようです。
★貯金感覚でポイントを貯める人も
一方、「貯める人」は、高額な商品を買うために貯めていたり、将来どこかに旅行するまでマイレージを貯め続ける、という声がありました。「貯める人」の中には、更にこんな声もありました。
- ●「家電量販店のカードで2万ぐらい。正直いつでも使えるんですが、貯金するのと同じ感覚で。自分的に『貯まった、やったー』みたいな。」
- ●「メインで使ってるのは『楽天ポイント』で、今は3万ポイントくらい。ポイントを貯めるのが好きなんで。通帳見てお金が貯まってるのと同じ感覚。最近はYahooショッピングの方がポイント貯まるので、一時的にヤフーに。Yahooショッピングは『Tポイント』だが、1万6000P結構貯まっています。いろいろやってます。」
貯金感覚でポイントを貯めている方、何人かいました。最後の方は、過去に10万ポイントまで貯めたのだとか…。
★ポイントの貯め込みはNG。すぐ使う!が鉄則
では、こうしたポイントを守るためにはどうしたら良いのか?最後に、菊池さんに聞きました。
- 株式会社ポイ探 代表取締役 菊地崇仁さん
- 「対策は、“ポイントを貯めず、全部使ってしまう”ということ。レジで『ポイントを使ってください』と言う癖をつけると、ポイントは盗まれないし、盗まれたとしても少額。少額なユーザーは狙われないし、仮にID・パスワードでログインされたとしても、盗みようが無いので一番の防御になる。
『テレビを買った』という自己満足で、高額なポイントを貯める人は盗まれやすい。ポイントは利息付かないので、どんどん使って出費を減らした方がいい。」
まずは、そもそもパスワードを流出させないことが重要です。そのためにもこまめにパスワードを変更するのが一番の防御策ということですが、それだとどうしても手間がかかってしまいます…。
そこで、不正利用を防ぐ手近な対策は、「少額でもすぐに使う!」とのことでした。
![田中ひとみ](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2016/09/sump_tanakahitomi-400x400.jpg)
田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!