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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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手軽で便利だけど注意!銀行のカードローン

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けさは、“自己破産”の問題についてです。というのも最近“個人の自己破産が増えている”という心配なニュースが増えているんです。一体、何が起きているんでしょうか・・・。 6月22日(木)は、レポーター中矢邦子がTBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で『銀行のカードローン』について取材報告しました。

★自己破産と銀行のカードローンは比例関係!?

まずは、多重債務問題に詳しい弁護士の新里宏二さんのお話です。

弁護士 新里宏二さん
いま、銀行のカードローンが5兆6千億で、どんどん増えてるんですね。明らかな兆候とすると、個人の自己破産の件数が13年ぶりに去年上昇に転じているんです。平均所得が減っている中で銀行のカードローンだけが伸びてきたので、銀行のカードローンの増加に自己破産の件数の増加があると思っています。

新里さんによると、自己破産が増えた背景に“銀行のカードローン”の利用があるようなんです。収入が増えない中、借金をして自己破産が増えたということだったんですね。

★マイナス金利でもカードローンなら儲かる!

では、どうして銀行のカードローンの利用が増えているんでしょうか。そこに、貸す側の事情がありました。経済ジャーナリストの荻原博子さんに伺いました。

経済ジャーナリスト 荻原博子さん
銀行は、そんなに悪い貸し込みはしないイメージはあるかもしれません。しかし、日銀がマイナス金利政策をやったことで、お金を運用しようと思っても日銀に預けるとマイナス金利で預けられない、ということになりました。国債を買ってもマイナスになってしまうのでカードローンは収益の柱になり、非常に力を入れているということなんです。

マイナス金利時代なので、軒並み金利が下がっていますが、このカードローンだけは例外で、一般的に14%ほどの利率で貸出できるんです。だからこそ、銀行はカードローンに力を入れていたんですね。

★消費者金融より銀行のカードローンはクリーン?

一方で、借りる側としては以前、消費者金融で自己破産が問題になったことから、借りることに対して慎重になる傾向もあったそうなんです。しかし、今は消費者金融ではなく“銀行”ということで、心理的なハードルが下がっているということも取材をしていくと分かりました。では、実際にどうハードルが下がっているのか、街で聞きました。

●「どちらかといえば銀行のカードローンですね。消費者金融とかはあんまりイメージが良くないので、使うのにちょっと抵抗ありますね。」
●「いやー、(消費者金融と銀行だと)見た感じ違うよね、銀行だとそういう闇のイメージはないです。」
●「銀行が出してるんだったら消費者金融とかよりも信用できます。消費者金融って聞くと金利で騙されてるイメージがあるので、銀行がやってるならクリーンなイメージがあります。」

街の皆さんは、銀行のやっているローンなら信用できる、という意見が多かったです。消費者金融が悪いということではないのですが、グレーゾーン金利などのニュースでネガティブなイメージを持つ方が多かったです。

★銀行のカードローンをよく見ると・・・

ですが、実は銀行のカードローンは、多くの場合は消費者金融が保証しています。つまり、窓口は銀行ですが、審査や利用者が返済不能になった場合の保証は消費者金融が行っているということなんです。なんだか看板だけ銀行、みたいな話ですが、それでも銀行が前面に出ているので安心・安全なイメージ。しかも、銀行のATMのフロアですぐに借りられるので、目立たない。だから気軽に利用してしまうのかもしれませんね。

★借りてる感覚が麻痺する?リボ払いの注意点

こうして心理的なハードルが下がっている銀行のカードローンですが、もう1つ、返済方法にもついつい借りすぎてしまうポイントがあるそうです。再び荻原さんに伺いました。

経済ジャーナリスト 荻原博子さん
銀行のカードローンの返済方法がリボルビングというのが主になんですけど、それだと簡単に借りられるので返すのも少ない。だから、皆さんちょっと油断しちゃうのかもしれませんね。例えば50万円という枠があると、50万円借りても1万円だけ払えばいい、10万円借りても1万円だけ払えばいいということになると、皆さん50万円借りても、50万円借りたという実感がないんですよね。知らないうちにどんどん借金が膨れ上がっていくという結果になってしまうんです。普通の方でも破産予備軍になっていくということですね。

普通、借金をすればするほど、返済額が増えて「あ!借りすぎちゃって大変!」と自覚しますが、リボ払いだといくら借りても、毎月の返済額は最初に決めた金額のままなんです。だから、たくさん借りている感覚がないですし、少しずつしか返さないので借金はなかなか減らず、その分、利息がどんどん増える・・・このあたりをちゃんと理解していないと、非常に危険だということをお話してくださいました。

★借りすぎ、自己破産を防ぐには・・・

ここまで、借りる側が気をつけないと危ない!というお話だったんですが、逆に銀行に規制のようなものはないのでしょうか。最後に、弁護士の新里さんのお話です。

弁護士 新里宏二さん
実は、2010年に貸金業法が変わって、消費者金融の場合は、「年収の3分の1以上は貸してはいけない」という規制がかかったんです。すると、翌年から銀行のカードローンが消費者金融の融資より残高が増えていったということがあって、まさしく規制を逃れて銀行のカードローンが運用されることになってしまいました。

さまざまな問題が指摘された消費者金融ですと、借りる場合は、年収の3分の1以上は借りられないのですが、銀行にはそういった規制がないので、このような問題が起きてしまうということでした。これだと、消費者金融から年収の3分の1くらい借金して、もう借りられなくなった人でも、銀行のカードローンからさらに借金できてしまいます。こうしたことから、今後、自己破産から消費者を守るためには、銀行のカードローンにも、規制が必要では、という声もでているそうです。

中矢邦子

中矢邦子が「現場にアタック」でリポートしました!


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