2018年度の採用を目指して、就職活動を始めている人も多いと思います。そうした中で、パソコンやスマホ、タブレットを使って面談や1次面接を行う、「オンライン面接」が注目を集め、導入する企業も出てきています。今日は、オンライン面接について、5月15日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
★メリットは「時間」と「お金」の節約
オンライン面接を導入する企業が出てきた背景には、何があるのか?NPO法人オンライン面接普及推進協会の佐藤瑞穂さんに伺いました。
- NPO法人 オンライン面接普及推進協会 佐藤瑞穂さん
- 「インターネットを介したテレビ電話です。遠隔地と遠隔地で面接をする場合は移動が必要で、時間的・移動的なコストが発生します。今までの採用活動のターゲット範囲では良い人が取りきれず、企業側も物理的な制約が顕著に目立ってくるので、オンライン面接が注目されています。」
最近は、人手不足を背景に学生に有利な売り手市場となっている事もあり、企業としては何とかして良い人材を確保したい、という思惑があります。
ですが、そこで問題となるのが時間とお金…。ある民間企業の調査によると、地方の学生が首都圏で面接を受ける際の交通費負担額は、平均7万5千円余(北海道で9万7千円。九州・沖縄からだと12万円超)。その負担を解消するためにも、1次面接などでオンラインを導入しようという訳です。
★若い世代の反応は?「あまり抵抗感はない」
では、街の若者はオンライン面接に違和感を感じるのか?渋谷で若者に聞いてみました。
- ●「時代が変わったって感じ。それだけで判断されて落とされたら、嫌な気持ちが残るかも」
- ●「春に短大を卒業し、現在就活中です。合理的かもしれない」
- ●「物足りなさはあるが、声のトーンでも個性が出るのでアリと言えばアリ」
- ●「楽だなと思う。テレビ電話なら顔も見られるし、会場に行かなくていいとか緊張しなそう」
- ●「初期の段階だったら移動とかの手間も省ける。1次面接とかなら良いんじゃないですか。近代的でいいと思います。」
- 若い世代は、パソコンやスマホで、SkypeやLineのビデオ通話、iPhoneのフェイスタイムなど、ネットを使ったテレビ電話を利用しているので、1次面接なら問題ないという声が多かったです。
★オンライン面談を導入した企業も「手応えあり」
そうした中で、今年から個別のオンライン面談を行った企業に話を聞くことが出来ました。ソフトウエア開発を行っている株式会社セック・総務人事部の西山晶さんに、新たな試みについての感想を伺った。
- 株式会社セック 総務人事部 西山晶さん
- 「まずドキドキした。顔写真をもらってるケースもあるが、正直なところ、どんな人だろう?コミュニケーションは取れるのか?と言う不安感がありました。でも実際にやってみると、まったく何の心配もなかったです。スカイプに応じる人なので、コミュニケーションスキルが高いのかも。会うのと変わらず違和感はない。実際に面談して次に会わずに終わったのは1人だけ。」
今年は、アメリカに留学している学生や、国内では仙台や岡山、名古屋の学生など15人ほどとオンライン面談を行ったそうで、多くの学生はまだ選考に残っているそうです。画面がフリーズしたときは急に相手の表情が読み取れなくなるので、妙な不安感があったそうですが、その他は違和感がないとのことでした。
★先輩サラリーマンの反応は・・・
今回取材をしてみて、オンライン面談で効果を感じる企業があったり、若い世代は抵抗感が少なかったりと、今後も就活のオンライン化は進んでいきそうだなと思ったんですが…、最後に、先輩サラリーマンたちはこの動きをどう見るのか?新橋で意見を聞いてみました。
- ●「違和感ありますね。やっぱり面と向かって話さないと伝わらない部分があると思う」
- ●「会って目と目を合わせて話しても、人となりは分からない。それが画面だと無理がある」
- ●「僕はやったとこないですが、打ち合わせでスカイプ面談とかやるんで違和感はない。ウェブのツールを使ってリモートで打ち合わせやるんで。企業にとっては受け答えである程度スクリーニングが出来る。会社をやっているがわざわざ来てもらうのも悪いんで。」
- 抵抗がある、という声も多かったですが、今後は就職活動も、オンライン化の流れは進みそうです。