★19年ぶりの日本人横綱誕生に沸く、稀勢の里の地元・茨城県牛久市
大相撲初場所で初優勝し、横綱推薦が決まった「稀勢の里」。ついに横綱昇進が決まりました!今回の優勝、そして横綱誕生を地元はどう受け止めたのか?取材してみました。優勝の翌日に稀勢の里の地元の茨城県牛久で取材してきましたが、牛久駅を出てすぐのところに「祝・稀勢の里優勝」の看板。商店街では「稀勢の里優勝セール」とあり、街をあげて大盛り上がりでした。
★稀勢の里が通う地元の中華料理店は「横綱コース」も!
まずは、地元・牛久で、稀勢の里も足を運ぶという中華料理のお店「甲子亭(こうしてい)」。このお店は稀勢の里ゆかりのお店とあって大忙しでしたが、池辺昭子店長のお話です。
- 甲子亭 店長 池辺昭子さん
- 「大変ありがたいことで、お客さんはたくさんご来店いただいております。2倍ぐらいですかね、いつもの。急にお問い合わせとか、ご来店とかがたくさんありまして。大関昇進のときもコース料理をつくったんですけど、いつから横綱コースやるの?という問い合わせがすでに来ています。それもあったので、やっぱり横綱コースもつくろうと思い、横綱昇進おめでとうコースを木曜日からやろうと思ってます。」
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稀勢の里関も訪れる、牛久の中華料理店「甲子亭」
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甲子亭の特別メニュー「横綱昇進おめでとうコース」。普段稀勢の里も注文するというピータンや、カニとフカヒレのスープ、ショウロンポー、やきそばなどが入っています。
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エビチリもあります(池辺店長)
稀勢の里関は、このお店に年に1度くらい足を運び、エビチリやピータンなどを好んで食べるそうで、この地元では、稀勢の里ゆかりのランドマーク的なお店です。取材中も他県からわざわざ来たというお客さんが来ていたり、お客さんからの電話がやまないくらいの盛況ぶりで、お店としてはそれに応えるべく、横綱昇進が正式決定したあかつきには、1人3,240円の「横綱昇進おめでとうコース」を26日、木曜から始める予定とおっしゃっていました。
★近所の和菓子店「実は最近は準備し…」
繁盛していたのは、稀勢の里ゆかりの店だけではありません。こちらも牛久にある和菓子のお店「かっぱ本舗」を営む村松慎次店長からはこんな声が聞かれました。
- かっぱ本舗 店長 村松慎次さん
- 「稀勢の里優勝記念セール、おだんごを半額、ポイントも5倍というセールを行っています。客数で言ったら、普段の3~4倍ぐらいじゃないかな。きょうなんかも朝イチからずっと途切れず、一番込んでいる時間帯は、だんごを買うのに1時間以上待ってもらったからね。いままでも、何回か優勝のチャンスがあったので、そのたびに、セールやるよって告知してたんだけど、最近どうしてもカクッと立ち止まる、負けちゃうことが多かったので、最近はセールの準備はしてなかった。そしたら土曜日たまたま優勝しちゃったので、明日からセールやんなきゃみたいな。半額だとお客さんたくさん来て、儲けはないけど、うれしい悲鳴だね。」
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牛久の和菓子屋「かっぱ本舗」でも、優勝記念セールを行っていました
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半額のおだんごは、すでに売り切れ…。この日は、約600本売れたそうです
稀勢の里は、2011年9月に準優勝してから今場所まで12回も準優勝をしていたので、いつ優勝があっても良いように最初のころは準備していたのですが、最近は優勝を逃していたので気持ちの準備もできていなかったようで、こりゃ大変だと話していました。
★看板会社「5年越しの看板取り付けに…」
いまの和菓子店のように、「今回の優勝を持ちこがれたよ」という人は他にもいました。市役所や駅に「祝初優勝」の看板を取り付けた、地元の看板会社「光彩アート」の小野光良代表のお話です。
- 光彩アート 代表 小野光良さん
- 「前回、稀勢の里関が優勝できるかなってときに、2012年5月に制作したものが、やっと皆さんの見えるところに出ました。その間、チャンスが何回もあったのにダメだったので、うれしいですね。いつも日曜日に千秋楽なので、優勝するかもしれないので月曜日の午前中あけといてねって、市からお話をいただいていました。だから、これまでも、ずっと取り付ける準備はしていました。茨城って、いま県の人気が47位とか言ってるじゃないですか。あんまり人気のない県なのかなぁっていう中なので、稀勢の里関に売っていただいて、群馬や栃木を抜きたいなと思ってます」
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光彩アートが作成した、「祝優勝 大関 稀勢の里関」の看板。牛久駅の構内に大きく掲げられていました
「祝・初優勝」の看板は、稀勢の里が優勝しそうだった2012年に作って、市役所に納品していたそうなんです。それから5年、小野さんは、たまに市役所の倉庫に見に行っては、看板が傷んでいないかどうかなどの状態をチェックしていて、きのう設置した際には感慨深かったそうです。
一方、生まれも育ちも茨城の小野さん、茨城が「県の人気が47位」だと嘆いていましたが、これは調査会社が行った47都道府県の魅力度ランキングで、4年連続最下位だったという話。茨城県出身の稀勢の里には、この状況も打破してもらいたいと期待を込めていました。
★では茨城県民の本音は?
では、最後に、地元の茨城県民は、横綱昇進となった稀勢の里をどうみているのでしょうか。
- ●「英雄って言えば英雄ですけど、まあ長年、裏切られた英雄みたいな。期待されながらも強い力士には勝てたけど、弱いのに負けちゃう。何でそこで勝てないかな。散々裏切られた英雄みたいな。彼、力強いけど、メンタルちょっと弱いから。」
- ●「今回優勝かなっていうのが何回も何回もあったので、すごく感無量。大スターっていうよりも、ちっちゃくて素朴だった男の子がここまで頑張ったねって。」
- ●「よく耐えましたよね、あれだけ準優勝ばっかりで。あの我慢強さって、なんとなく茨城県の県民にもいくら47位だろうがさ、文句ひとつ言わずさ、耐えている姿が彼らしい。なんか貴乃花とかに比べたら派手さは全然ないけど、自分を誇大広告せずに、ただ一生懸命やったって言うのは伝わってきますよね。」
なかなか優勝できず「裏切られた英雄」とおっしゃる方がいる一方、ねばり強く、茨城県民らしい力士という声もありました。
![田中ひとみ](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2016/09/sump_tanakahitomi-400x400.jpg)
田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!