高級車のメルセデスベンツがラーメンを販売し始めました!ベンツが販売するラーメンとは? 「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)の「現場にアタック」で、レポーター阿部真澄が取材しました。
★ベンツが売り出すラーメンとは!?
あの、高級車のベンツがラーメンを販売しているということで、どんなものか?メルセデス・ベンツ 田中順太郎さんに聞きました。
- 田中順太郎さん
- 「今回、「メルセデスベンツコネクション」のイベント施設でフードメニューとして、メルセデスベンツが本気でつくったラーメンを2種類販売しています。「海の流星麺」という魚介のラーメンと、それに焼きおにぎりを添えたものが一つ。もうひとつは、鴨の生ハムだけで出汁、スープをとりました「陸の流星麺」と、フォアグラバターのバケットを添えた2種類を用意しております。」
場所は六本木にある、ベンツを体験・試乗できるイベント施設「メルセデスベンツコネクション・ネクストドア」。今月25日までの期間限定で、ランチは11時~、夜の部は17時~ラーメン2種類を販売しています。
どちらもスープからベンツのシェフのオリジナルで、飲み干すと、ラーメンの器の底にもベンツのマークがついているなど、細かいところまでこだわっています。私は「陸の流星麺」をいただいたのですが、鴨の生ハムが絶品でした!このベンツラーメン、ランチは合せて50食限定なのですが、オープンから1時間しないで完売する盛況ぶりでした。
★ベンツがラーメンを始めたワケ
味も良くて話題性も高く大盛況のベンツのラーメンですが、では何故高級車を扱うベンツがラーメンの販売を始めたのか?メルセデス・ベンツ 田中順太郎さんに伺うと、こんな理由がありました。
- 田中順太郎さん
- 「若者の車離れが大きな課題でして、お客様に振り向いてもらうために、とにかく「メルセデスベンツブランド」のファン層の裾野を広げるということで、「レストラン」とか「カフェ」という店舗を出して、そこでは車を売らないと。車を販売するプレッシャーからお客様を解放して、ゆったりと時間を過ごしていただく中で、ただ、私どもはつねにお客さんの期待とか、ある種、想像を超えていきたいと思っています。最高の顧客体験を提供したい!斬新なものを出したい!ということでラーメンになりました。」
ベンツは、2011年から、六本木に「カフェ」と「レストラン」をオープンしていますが、ここではベンツの販売はせず、ただ頭の中に「ベンツ」を印象づけてもらい、いつか車を買うときの選択肢にしてもらうことをコンセプトにしました。しかし、それだけではマンネリしてしまうということで、ベンツ=「本格派」が一番わかるものとして「本物のラーメンもできるぞ!」とベンツのイメージを超えてもらうために「国民食」で人気のラーメンを作ったのです。
ただ、こうした高級ブランド車のイメージ作りはベンツだけではありません。同じくベンツと並ぶ高級車の「レクサス」も、青山に「インターセクトbyレクサス」というレストランを経営していますし、今年の10月まではランドセルも販売していました。各社色々な方法で車離れを抑えて、「高級で敷居が高い」というイメージからもっと身近に感じてもらおうと取り組んでいます。
★ラーメン通に通じる1,000円の壁とは?
では、ベンツが売り出した「本格派のラーメン」について、ラーメンファンの人たちはどう思うのか?街で人気のラーメン店から出てきた人たちに聞いてみました。
- 「(ベンツのラーメンどう思う?)高級イメージがあって、いいんじゃないですか?(食べたい?)1,000円前後だったらいいですけどやっぱり、「札1枚」で足りるかどうかというのはあります。」
- 「(ベンツのラーメンどう?1,200円)若干高いですね。・・・微妙ですね。(どのくらいの価格を食べる?)1,000円以内。単純にお札1枚でおさまるから。」
- 「(ラーメンファンからしてどう?)ベンツだから高い。(普段食べるラーメンの相場は?)800円くらいで食べておいしかったら、その店の1,000円を食べてみるという流れですね。だから、いきなり1,200円は高い。」
ラーメン通の中では「1,000円の壁」があり、1,000円を超えると高い!というイメージを持つ人が多いことがわかりました。有名店の具材を全部のせる「全部のせ」が1,000円で食べられたりもするので、この壁を壊すのは相当勝負が必要な感じがしました。
★ラーメンに対して複雑な心境のベンツオーナー
「メルセデスベンツコレクション・ネクストドア」に、ベンツに乗っているオーナーさんがこっそり調査に来ていたので話を伺いました。
- ベンツのオーナーさん
- 「友達に「ベンツカフェにいる」って言ったら「ラーメンが話題なんだよ」って言われて、調べるところ。(ベンツオーナーさん的には)ちょっと嫌だ。安っぽくなった気がして、高級な車として購入しているわけだから、そのイメージを壊さないでほしい・・・。」
ベンツを持つオーナーさんはラーメンを販売することに対して複雑な心境のようでした。
ちなみにラーメン一杯1,200円の値段、ベンツの田中さんは「賛否あった」と認めた上で、「価値は食べて頂ければわかる」と自信満々でしたが、ベンツが狙う「新規顧客層」からは「1,200円は高い」と言われ、一方で「ベンツファン」からは「安っぽい」と言われてしまい、国民食のラーメンで勝負するのは難しいんだなぁと感じました。若者の車離れが進む今、各社ブランドを身近に感じてもらうため、様々な取り組みで奮闘しています。
(取材・レポート:阿部真澄)
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