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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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山手線で発火も!安全なスマホ充電バッテリーの選び方は?

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森本毅郎・スタンバイ!ロゴ

12月4日(日)午後、山手線で、乗客が持っていたスマートフォン向けのモバイルバッテリーから火が出て、一時運転見合わせとなった事故がありました。今日は、モバイルバッテリーの発火と自己防衛策について、「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)12月7日の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材しました。

田中ひとみ

★モバイル充電バッテリーはなぜ発火したのか?

山手線内でのモバイルバッテリー発火の原因は、現在調査中とのことですが、今年8月以降、サムスンのスマホの発火が相次いだ件と仕組みは似ているようです。秋葉原の電気街に店を構える「あきばお~」のバイヤー、金光正史さんのお話です

「あきばお~」バイヤー 金光正史さん
モバイルバッテリーという商品には「リチウムイオン電池」が使用されています。この電池は乾電池とは比較にならないくらい大きなエネルギーを蓄えていて、扱い方を間違えてしまうと、機器の故障や、場合によってはやけど、発火してしまう危険性を兼ねているもの。モバイルバッテリーはこの電池を正しく扱うために、いくつもの制御装置を課している。突然発火してしまう事故は、制御装置が正しく作動せず、熱を帯び続けた結果、電池が破裂してしまうということです。
森本毅郎スタンバイ!

モバイルバッテリーは形も大きさも様々。内部には、リチウムイオン電池が入っています

リチウムイオン電池は、パソコンやタブレットなどあらゆる電子機器にも使われています。充電すれば繰り返し使えて便利な反面、落とした時の衝撃や、水、熱、気圧の変化などに弱く、機器本体による制御がうまく行かないと最悪、発火するリスクもあります。

★どんなバッテリーを使っている?街の実態調査

そうなると、より安全なものを使いたいところですが、街の皆さんはどのようにモバイルバッテリーを選んでいるのか?聞いてきました。

●「アマゾンの売れ筋ランキングを見て。安くて、1000円後半から2000円前半ですね
●「ポケモンGOやると2時間くらいで無くなっちゃうので、容量が大きいやつがいいと思って。メイドインチャイナ。
●「秋葉原でちょうど欲しくて安かったから買いました。3000円ぐらい。充電してる時に触るとすごい熱くて。ずっと持ってられないくらい温かい。今だったらメーカーがちゃんとしてるやつ欲しいかなって思います。
●「バッテリーだけじゃなくて家電もそうだと思うんですけど、ある程度知名度がある所のほうが信頼度があると思って。知名度って大事だなって思います。
森本毅郎スタンバイ!

あきばお~のモバイルバッテリーのコーナー。お値段いろいろ。

一般的な容量のバッテリーで、日本の有名なメーカーだと6,000円程度するものが、海外のメーカーだと約3,000円と、かなり値段に差があります。安い方を選びたくなる気持ちも分かりますが、値段が値段だけに安全面は心配です。

★粗悪なバッテリーもある!そのわけは「法の穴」

では、これがあれば安全!といった明確な判断基準は無いのか?家電用品の輸入の許認可などをサポートする、行政書士の足立聖人さんに聞きました。

行政書士 足立聖人さん
主に「電気用品安全法」が日本の電気用品の安全を定めた法律なんですが、モバイルバッテリーは電気用品安全法の対象ではありません。ただしその中に組み込まれているリチウムイオンバッテリーは電気用品安全法の対象。あくまでそれは日本の法律で、日本で製造したものに対して規制をかける法律。なので、リチウムイオンバッテリーを海外で製造してそれを日本に輸入してきた時には、電気用品安全法の対象にはならない。
森本毅郎スタンバイ!

デジタルカメラのリチウムイオン電池。PSEマークが入っています。

モバイルバッテリーの中身=リチウムイオン電池は「電気用品安全法」の対象で、それを示すPSEマークがつけられますが、外身のモバイルバッテリーはその対象ではありません。海外から輸入されてくる時は、既に電池が組み込まれた製品として入ってくるため、電気用品安全法による届け出の必要がないんです。ということで…どうやら、これなら安全!と言える明確な基準は無いようです。

★安全なモバイル充電バッテリーの選び方は?

だとしても、ユーザーとしては極力安全なものを見分けたい!何か見分けるポイントはないのか?あきばお~の金光さんに聞きました。

「あきばお~」バイヤー 金光正史さん
何より大事なのは、安易にインターネットで選ぶよりも、お店に立ち寄って、ちゃんと説明してくれる店員さんのもと、保証が付いているものをしっかり選んたほうが良い。しっかりした所は免責事項が書かれている。簡単な見分け方としては、外国語表記しか載ってないパッケージはやめておいたほうがいい。また、インターネットで買う場合は、メーカー名を検索するとちゃんとHPが出てくる所は安心。何も出てこないところは何も知れないメーカーなので。
森本毅郎スタンバイ!

こういった、「日本語の」説明書があるかどうかも重要なポイント

いくつか、選び方のコツを教えていただきました。

  1. 店頭で、店員さんの説明を聞いた上で選ぶ
  2. 保証付きのもの
  3. パッケージや取扱説明書が外国語表記しかないものはNG
  4. インターネットで購入する場合は、きちんとホームページのあるメーカーを選ぶ

安いからといって安易に選ばず、上記の点に気をつけて選んでみてください。

★リチウムは水で発火!消火に水はNG?

最後におさえておきたいのが、万が一発火が起こった時の対処法。今回、山手線では、他の乗客がペットボトルの水をかけて消火したそうですが、ツイッターなどで「水をかけたら余計燃える」という指摘も見かけました。実は、リチウムは水に触れると自然発火する性質を持っているそうなんです。

どう対処するのが最善なのか?甲種危険物取扱者の資格講師をしている株式会社ユニバースリサーチ齊藤恵さんに聞きました。

株式会社ユニバースリサーチ 齊藤恵さん
リチウムの量によります。水をかけちゃいけないのは大量に扱う場合の話なので。工場などで使う場合は乾燥砂か粉末の消火剤を使うということになってます。電池ぐらいのボリュームならまず発熱を止めるために水をかけて、周りの延焼をまず防ぐというのが緊急避難的には一番大事なことと思います。

齊藤さんによると、今回、水をかけたという乗客の判断は、緊急措置としては正しかったということでした。モバイルバッテリー程度の大きさであれば水でもOK。工場で扱うような、リチウムが大量な場合はNGとのことです。

(取材・レポート:田中ひとみ)

田中ひとみの現場にアタック(リンクは放送後1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20161207073309

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)


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