先週11月30日(水)、千葉市の若者向けショッピングビル「千葉パルコ」が業績の低迷によって閉店。ちょうど40年の歴史に幕を下ろしました。JR千葉駅の東口から10分弱歩くのだが、かつては土日になるとその道に若者たちの姿が絶えなかった時代もあったといいます。。そこで・・・。
「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!今日12月6日(火)は、レポーター近堂かおりが『千葉パルコ閉店。JR千葉駅周辺の”百貨店閉店ドミノ”が始まった』をテーマに取材しました!

現場にアタックレポーターの近堂かおり
★パルコは千葉の渋谷でした!!

千葉パルコの扉には、閉店のご挨拶が・・・。
1976年にオープンして90年代初めにかけて、千葉の流行発信地。パルコのモードなとんがったファッションに憧れた当時の若者、今の30代後半から50代の方たちは、パルコ閉店後初めての週末は、感慨深いものがあったようです。
- 30代女性
- 「高校生の時に行ってましたね。このへん(JR千葉駅前)がまだ廃れていたのでパルコまで行かないとかわいい服が揃わなかったので。遠いんですけど無料の”パルコバス”があったので、それに乗って行ってましたね。」
- 40代女性
- 「私は昔、大学の時に行ってたんですよ。パルコに行くとオシャレ、みたいな。このへんにないマニアックなお店があるから、それがなくなっちゃったのは寂しいかな。」
- 50代女性
- 「東京のものがそのまま来ている感じがあった。テナントが定期的に入れ替わるのでそれが渋谷っぽい…、そんな気持ちで行ってました。」
- 50代女性
- 「聖地というか、そこに行くと一歩違うみたいな。もう本当にパルコで洋服を買って、パルコで終わりましたね。買い物はオンリーパルコ。(じゃあ先週木曜日の閉店は?)セレモニーとかやって、涙が出てしまいました。」
青春時代の思い出とリンクする場所、千葉の人たちにとってパルコは特別な存在だったことが伝わってくる。JR千葉駅周辺にはそごうや三越などほかにも百貨店が多かったのだが、『パルコは特別。パルコに行くだけでオシャレだった』と当時の若者たちは口を揃える。
★パルコっていうかGUね!
では今の若者たちはどうなのか? パルコ閉店をどう思っているのか。パルコで買い物をすることがあったのか、聞いてみました。
- 20代女性
- 「パルコは”GU(ジーユー)”とかも入っていたので、ちょっと残念だなって感じ。でもパルコで服はそこまで買ってなかった。」
- 20代女性
- 「結構、パルコは行ってたので寂しいです。(買ってました?)GUぐらい。でも、ご飯屋さんはよく行ってました。」
- 女子高生
- 「結構、悲しいよね。だってGUとかないもんね。」
ユニクロの格安店”GU(ジーユー)”。みんな、パルコよりもGUがなくなることを寂しがっていました(^^;)。
パルコといえば昔は、気合を入れて着るようなデザインの服が多かったが、今やカジュアル服。しかも若い人たちは、服を買うのは別の店で、パルコに行く目的はご飯のほうが多いようで、時代はすっかり変わっていた。
ここまではまだ笑って聞けるが、パルコの閉店をもっと深刻に受け止めている人たちがいる。パルコ周辺に位置する「千葉銀座商店街」の方たち。
★商店街にとっては大打撃!
その場所で50年、家電販売店を営むご主人にお話を伺いました。
- 家電販売店のご主人
- 「とても残念に思いました。この通りは、パルコさんに行く人が通っていた通りなんです。千葉駅からパルコに行くのに、不思議とこの前を通って行っていたので、パルコさんが閉店してから人通りが、がくっと下がった気がしますね。」
お客が減っていたとはいえそれなりに人出があったのが、閉店でがくっと減った、と嘆いていました。ところが、それに加え、来年にはさらに人の流れが減ってしまいそう。
★パルコに続いて三越も!!
というのは、パルコの近くには三越千葉店もあって、やはり商店街はその恩恵を受けてきたのだが、その三越も来年3月に閉店してしまう。三越をよく利用していた千葉市のシニア世代の方たちは、パルコ、三越と続く百貨店の『閉店ドミノ』を嘆いていた。
- 70代女性
- 「三越がなくなるとずいぶん違うと思いますよ。だって魅力がないわね、千葉は。おしゃれで小粋なものというのもないし、だから今度どうなっちゃうかと思って。死んだ街になっちゃうでしょ、このへん。」
- 70代女性
- 「私、もう三越に40数年行ってますでしょ。もう悲しくて悲しくて。今日も行ってきたんです。昨日もお歳暮でちょっと行ったりして。まさかやめる(閉店する)とは思いませんでしたね。私にとってみたらさみしいですよ。悔しいよね。毎日だもの、旅行に行かない限りは必ず行ってますからね。だからもう本当にさみしいです。」
今はJR千葉駅前が千葉市の中心地だが、かつては東口から歩いて10分ほどの千葉銀座商店街のほうが中心地だった(商店街の南にある駅が『千葉中央駅』となっているのはその証!)。だが今、空洞化が進んでいる。実はかつてパルコの近くにもう一つファッションビルがあったが、これもすでに2001年に閉店。千葉駅の東のエリアにはだんだん人が流れなくなっているのです。
★JR千葉駅の駅ビルで賑わいを!!
一方で、JR千葉駅周辺は再開発が進み、今年、新しい駅ビルが一部オープン。2018年には完全開業し、千葉市の賑わいを掘り起こそうとしている。それなら新たな人の流れも期待が持てそうだが、商店街の方の声はちょっと違っていました。
- 千葉銀座商店街の方
- 「実はその新しい駅ビルも、このへんの(商店街)人たちは脅威を感じている。駅の中で止まってしまって、パルコもなくなれば出てこない、三越がなくなればもっと出てこない。そんな危機感はあるみたいです。」
この50年、百貨店と共存共栄してきた千葉駅周辺、いま大きな転換点を迎えている。しかし巨大駅ビルに人が一極集中。これは千葉駅周辺だけでなく、最近の都市開発に共通した問題。駅ビルはの充実は、実際に買い物をするととっても便利。とはいえ商店街のかたのお話などを聞いていると、果たして、それはいいことなのだろうか、とふと考えてしまします。
TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」は月~金6:30-8:30放送中。
AM954kHz、FM90.5MHz。
パソコンやスマートフォンでは「 radiko 」でも
お聞きいただけます!