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ビール類の酒税見直し。消費者は賛否両論

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森本毅郎・スタンバイ!ロゴ

今日は、政府・与党によるビール類の酒税見直しについて、「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)11月17日の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材しました。

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田中ひとみ

★ビールは『増税』、発泡酒・第三のビールは『減税』

ビール類には、「ビール」「発泡酒」「第三のビール」と、原料によって三種類の区分があります。酒税法によりそれぞれ税率が異なっているのですが、今回、55円に一本化する方向で調整に入ったということです。つまり、350ミリリットル缶の酒税額で見てみると・・・

  • ビール・・・77円→55円(22円減税)
  • 発泡酒・・・47円→55円(8円増税)
  • 第三のビール・・・28円→55円(27円増税)

この税制改正について、日ごろお酒を飲む消費者はどう思うか、新橋で聞きました。まずは賛成の声です。

★ビール派「減税は嬉しい!」

●「夫は喜んでいます。ビールのためにお仕事してるような人なので、良いんじゃないでしょうか。
●「個人的にはうれしいです。ちょっと高いから生ビールを一本だけってしてたんですけど、税率下がったらもう一本買おうかなという気持ちにはなりますね。
●「値段気になるから韓国製を飲んでるよ。味はまずい。でもスーパードライを飲みたい。本音はね。20円安くなるの?ビールにします。」
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森本毅郎スタンバイ!

ビールの4大メーカーの主力ブランド

新橋で30人にインタビューした結果、やはり、ビールを飲む方の大半は、「安くなるなら嬉しい」という意見でした。

また、発泡酒や第3のビールを飲む方は「どうせ安くなるなら普通のビールを買おうかな」という声の一方で、他の意見も出てきました。

★発泡酒・第三のビール派「増税は困る!」

●「普通の時は第三のビール。自分で褒める時は普通のビール。やっぱり安くておいしい第三のビールがあったり、発泡酒があるほうがいいと思いますね。
●「糖質ゼロ・プリン体ゼロって第3のビールしか無いですよね。その上安いし、そっちでいいかなって感じはありますよね。
●「いかに税金を取りやすい所から取り立てるか。姑息だよね、やることが。ビール会社が味をできるだけ近づけて出したのに、こういうことだからさ、余計飲みたくなくなっちやうよね、普通のビール。僕は癪だから発泡酒を飲み続ける。」
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森本毅郎スタンバイ!

発泡酒・第三のビール

「味が気に入っているから買い続ける」、「普通のビールにはない機能を目当てに、今後も飲み続ける」、「取れる所から税金を取ろうという姿勢が気にくわない」などという意見が出ました。

ただ、今回、国がビール税を見直す理由としては、「日本製ビールの国際競争力を高めるため」と言われています。というのも、ビール、発泡酒、第三のビールと三種の区分があるのは日本だけ。第三のビールの開発に力を注ぐよりは、海外に進出できるビールの開発に集中してほしい、という国の思惑があるようです。そんな国の動向について、ビール業界を長年取材しているジャーナリストの永井隆さんは「おかしい」と、こう指摘しています。

★「ビールの海外進出」はタテマエでは?

ジャーナリスト 永井隆さん
世界進出はあり得ない。口実だと思います。実は、昔やろうとした会社はあったんですけど、ことごとく失敗してます。例えば、アサヒビールは昔、スーパードライをバドワイザーに次ぐ世界のビールにしていこうと試みましたが、ものの見事に失敗しました。一方で、発泡酒を開発したサントリーの中谷さんは、上海向けにスーパーホップス(発泡酒)と同じようなテイストで『白』というビールを作りましたが、当時のハイネケンを抜き、いきなり上海でNO1になりました。本来は、メーカー努力があるからこそ世界で戦えるんです。だから、単にビールだけで戦うんじゃなくて、そういうメーカーの開発能力を税制が阻害しては、本当はいけないんですよね。

永井さんは他に、「そもそも海外には『生ビール』が無く、加熱処理されたものを飲んでいるため、風味の違う日本のビールが参入するのは難しいのではないか」ということや、「鮮度が命の生ビールを輸出すると品質が落ちてしまうので、海外進出には不向きである」という指摘をした上で、このことを国も分かっているはずなのに、「海外進出のためビールに力を入れる」とは、結局建前でしかないのではないか、との見解を示していました。

さらに街で聞いた中で、海外のビール市場を知る人たちからはこんな指摘もありました。

★海外ならビールは100円で買えるのに…

●「メキシコに住んでます。メキシコだと1本100円で買えるから、日本と全然違いますね。安いし美味しいですよ。
●「この間ベトナム行って、ベトナムビール一杯25円ですよ。ビールなんてせいぜい1本100円でしょ。友達が外国から来たりしても、発泡酒を飲ませてる。「これは安いからこの中で選んで飲めば普通の値段だよ」みたいな。ビールの値段が高いのは、酒税と消費税とダブルで取ってるでしょ。それおかしいんじゃないかな。

海外からすると、ビールの値段の3分の1が税金というのはおかしい、とのこと。例えば比較すると、フランスの6倍、アメリカの10倍にもなるということです。

(取材・レポート:田中ひとみ)

 


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