サムスンの新型スマートフォンが、発火したり発煙したりなどの不具合で問題となっています。しかし、国内でもスマホから火が出るなどの事故が起きているんです。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)の「現場にアタック」で、レポーター阿部真澄が取材しました。
★サムスンだけでない!国内でもスマホの事故が起きている
- 製品評価技術基盤機構=NITE 池谷玲夫さん
- 「スマホ及びタブレット、その周辺機器についての事故が平成23年度〜27年度の5年間で278件。スマホが一番多いですが、近年モバイルバッテリーが普及してきているので、モバイルバッテリーも急速に増えてきている。本体、モバイルバッテリーで重傷事故が6件。軽傷事故が62件。基本的に熱が発生してということなのでやけどです。」
スマホ、タブレット本体、そして周辺機器の発熱、発煙、発火の事故は、5年前頃から多くなってきていて、ここ3年は毎年60件くらい起きています。
【一昨年の事故の内訳】
1位 スマートフォン本体の事故18件
2位 モバイルバッテリーの事故17件(前年度の倍)
スマホ、モバイルバッテリーの普及に伴って、こうした事故も増えてきているようです。
★スマホの事故に遭わないために!使い方に要注意
- スマホ・携帯電話ジャーナリスト 石川温さん
- 「普通に使っている分には問題ない。ただ、通常とは違う使い方をすると壊れたりするケースがある。例えばスマートフォンは非常に薄いので、それをズボンの後ろのポケットに入れておくと、スマホが曲がって中のバッテリーが傷つくと発熱するケースがある。スマホをずっと充電しっぱなしにする=100%なのに充電しっぱなしだと、バッテリーが傷ついて発火や爆発につながるという形になる。モバイルバッテリーも非常に大きなバッテリーが入っているが、そもそもバッテリーは非常に燃えやすい。落とすとか曲げるとかバッテリーが変形すると発熱の原因になるので、できるだけ大切に扱うことが大切。」
最近のスマホは、改良が重ねられてどんどん薄くなってきていて、電極同士がとても近いです。そのため、スマホや持ち運び用のバッテリーを何度も落としたり、バッグに入れてつぶされたりするなどバッテリーに負荷がかかると、ショートしてしまって発煙、発火する可能性もあるということでした。
★多くの人はスマホが熱を持った経験あり!
色んな原因で熱を持ってしまうスマホやモバイルバッテリーですが、町の皆さんは経験があるのか?聞いてみました。
- ●「充電した時に熱くなる。前にゴム製のスマホのカバーを使っていたが、裏側が溶けた。溶けるって熱がないと溶けないじゃないですか。だから熱くて溶けたんじゃないかなぁ。」
- ●「やけどまではいかないが、カイロ位熱くなる。一時間くらいゲームをやっていても熱くなっている時はある。充電とかしながらなんですけど。」
- ●「ゲームとかしている訳じゃないのにものすごく熱くなってきたので、急いで修理に行ったら、バッテリーが原因と言われた。」
- ●「昔、アンドロイドを使っていた時は、持ち運び用のバッテリーを挿していた時にどっちも熱くなった。」
- ●「ケーブルがむき出しになっていて使っていて、夜寝ている時に熱くなってショップに行ったことはある。雑に扱ってケーブルのカバーが剥がれたのかなぁ。」
最近のスマホは熱を感知する機能を搭載していて、あまりに熱くなると勝手に電源を落とします。そのため、火傷をしたり、煙が出たという人はいませんでしたが、スマホやモバイルバッテリーが熱くなったという経験をしたことがある人は多かったです。また、100パーセント充電がされているにも関わらず、充電しながらスマホを使っている人も目立ちました。
★充電ケーブルのショートに要注意!
スマホ・携帯電話ジャーナリスト 石川温さんは、スマホやモバイルバッテリーが熱くなることよりも、注意して欲しい点があるということでした。
- 石川温さん
- 「充電端子の根元部分は曲がりやすくて、周りのカバーが破けていることがあったりします。そこが破れていてショートするということが考えられるので、すぐ取り替えること。最近は壊れにくいコードも出ているので、心配であれば使う。最近の例でいうと、大手通販サイトに偽物のコードが出回っている。通販サイトで安いものを買ってみると粗悪品だったというケースもあるので気をつけたほうがいい。」
充電するケーブルはやわらかいため、導線が折れ曲がったりしやすく切れやすいので、ショートするケースが多いとのこと。ショートしたケーブルをコンセントに挿しっぱなしにすると、発火の可能性もあるそうなので、持ち運び用バッテリーとともにケーブルにも注意が必要とのことでした。
(取材・レポート:阿部真澄)
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