★ガムに異変!10年で売り上げ4割減
先日発売された週刊朝日に、「ガム業界」全体に関する記事が出ました。一体どういうことなのか、「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)の「現場にアタック」で田中ひとみが取材しました。
週刊朝日の記事によると、ガムの売り上げが、国内でこの10年間で4割も落ちているということなんです。売り上げにすると、2004年に1881億円だったのが、2015年には768億円減の、1113億円に。原因は、若者のガム離れというのですが…、早速街で聞いてみました。
★若者がガムを嚙まない理由は?
- ●(ガムって嚙みますか?)ガムはそんなに好きじゃない。味がなくなるし、食べた感ない。グミの方が食感とか好き。
- ●(ガム嚙みます?)いや、今年食べた記憶ないかも。フリスクとか、タブレットをよく食べるし。自分も周りでクチャクチャされると嫌なのがあるので。ちょっとがらの悪い感じ、言い方悪くすると、調子乗ってるなみたいな。
- ●ガム食べている人がそんなにいない。ガムは出すのがめんどくさい。ゴミをどうしたら良いかわからない。ゴックンするわけにもいかないし、ポケットの中に入れるのも不潔っていうか、洗濯しちゃうし、服がガムだらけになっちゃうよね。
- こうした嚙まない派が多数で7割、噛む派は3割にとどまりました。ではなぜガムを噛まないのか?理由としては、大きく3つ。多い順に言うと、1つ目が、「ガムではなくほかにタブレットやグミを食べるから」。2つ目が、「ゴミが出るから」。3つ目が、「クチャクチャ気分が悪いから」でした。
- 嚙まない派の意見がいろいろ出てきましたが、ガムの売上減少について、業界では違う分析もあるようです。冒頭で紹介した記事を書いた週刊朝日の太田サトル記者の話です。
★ガム売上減少について業界は
- 週間朝日 太田サトル記者
- 「ガムの国内シェア1位のロッテでは、若い世代については、その世代がどうやらガムを硬いと感じているようなんです。思っている以上に若者の嚙む力が弱っていることを、ロッテではとても危惧しておりました。それから、団塊の世代が、駅の売店で通勤時にガムとスポーツ新聞を買う習慣のあった人が多かったとみており、その世代がリタイアしたことで、ヘビーユーザーの層がごそっと減ってしまったことをひとつの理由としてあげていました。」
ロッテは、若者の嚙む力を危惧していて、そのために、やわらかい嚙みごたえの「フィッツ」といった商品を出すなど、対応しているそうです。
あともうひとつ、大きいのが、ヘビーユーザーの団塊の世代がガムを買わなくなったという話です。団塊世代が定年になると、駅に行く機会も減るわけですから、売上も減りそうです。ただ、現役の団塊世代の方も結構多いはず。ではそういう団塊の世代はガムを嚙まなくなったのか、聞きました。
★団塊の世代はガムを噛むのか?
- ●(嚙んでます?)いいえ、まったく。もう何十年と嚙んだことないですね。甘いものはだめなんですよ、糖尿だから。
- ●団塊の世代のしっぽ。ガム嚙むと頭痛くなるようになってそれから嚙まないです。もうこの年になるとだめかもしれないね。
- ●団塊の世代。(ガムって嚙みます?)わし、嚙まないんだよ。入れ歯にくっついちゃうから。あんまり嚙みたいと思わない。ガム嚙むぐらいならスルメ嚙んでるね、ハッハッハ。
- 団塊の世代の方からは、体のこともあるし、わざわざ嚙みたいとは思わないという声が聞かれ、ガム離れというのは、決して若者だけに限ったことではありませんでした。
- では、ガムはどうなってしまうのか?復活のヒントはないのか?少数派ですが、ガムを嚙んでいる若者もいましたので、噛む理由を聞いてみました。口をそろえて出てきたのはこんな意見でした。
★ガム嚙む若者「おなかすいたときに」
- ●(ガムって嚙みます?)「嚙みます、いま嚙んでます。口が寂しいから。おなかすいたときに、食欲がなくなるから、ダイエットに。」
- ●(ガム嚙みます?)「よく嚙みます、いまも。ダイエットとかを気にするんでよく嚙みます。2日で12個入りのがなくなるくらいです。」
- ●(ガムって嚙みますか?)「嚙みます。学校でたまに、授業中眠いときとか。嚙みます。なんか授業中おなかすいちゃう時に、でも味なくなっちゃうから1時間分だよね。」
- こうしたガムを嚙む派は少数派でしたが、口寂しい時、食欲をなくすため、ダイエットのためと、機能を求めてガムを嚙むという発想でした。実際、今、ガムで好調なのは、歯にいいとか、健康機能のあるガム。ガム復活の攻め所は、このあたりにあるかもしれません。
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