先日、発売されたiphone7。「イヤホン」のケーブルを挿す穴が無いということが話題になりました。実は、今、イヤホンはケーブルの有る無しだけでなく、進化してあり、売り上げも好調!イヤホン業界が盛り上がっている、といいます。そこで・・・。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!今日9月21日(水)は、レポーター近堂かおりが『イヤホン最新事情。音質のこだわりと耳の負担軽減。』をテーマに取材しました!
![現場にアタック(近堂かおり)](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2016/03/sump_kondokaori-150x150.jpg)
現場にアタックレポーターの近堂かおり
まずは、秋葉原のイヤホン・ヘッドホンの専門店で、今の状況を聞いてきました。eイヤホンの松田信行さんのお話。
★イヤホン、売れてます!!
- 松田信行さん
- 「現状はイヤホンケーブルのついたイヤホンはやっぱり人気も高いですが、一方で、iphone7のことも見据えて、ワイヤレスに一気に移行しようか、そこで迷っている、そんな流れです。いまはちょうど過渡期。うちのことで恐縮なんですが、4年前10億円の売り上げが、今60億円まで来ています。女性も今多くなっているんです。2・3割がOLとか学生さん女性の。3・4年前は1%もいかなかった。年代的には50代・60代も今増えています。男女ともに。」
こちらのお店は4年で売り上げが6倍に!!さらに、イヤホン市場全体でも数年先まで”伸びる”という予想もあるそうですから、すごいですね!松田さんのお話では、お店の売り上げ増加の要因のひとつが、女性のお客さんの増加。昨日も大雨にもかかわらず、20・30代の人を中心に、混み合っていました。(女性二人組のお客さんも!)そして、その父・母世代、祖父・祖母世代が連れられて、イヤホンを買いにくるから。そこへiphone7が登場したことで、ワイヤレスへの買い替え需要がでてきているのです。
さらにもうひとつ、売り上げの大きな後押しになっている要因があるのです。再び松田さんのお話です。
★コスパ良くなって、複数持ちが定番に!?
- 松田信行さん
- 「ひと言で言うと、コスパが高くなった。4千円5千円くらいのモデルで、去年・おととしには1~2万円以上した音が聞けちゃう。下は3~4千円くらいから、上は30~40万円。うちに来ているお客さんは、予算を超えて、1人1台じゃなくて1人複数台で、それぞれの嗜好に応じて、”よしこれからなんかやるぞ”っていうときは低音をしっかり聞けるもの。”さわやかに、リラックスしたいときは”中音域・高音域がもっときれいな音で聞こえるもの、そういったチョイスがあります。また、ジャズ・クラシック・ロック・演歌、色んなシチュエーションでイヤホン替えますよね。」
シチュエーションでイヤホンを替えるんですね!つまり、音の選択肢が増えていて、使い分けている人が多い。聞きたい音や状況に合わせて、こだわりの音が出せる技術の進歩がある。加えて、値段が1~2年前の半分以下になっているので、複数買う人も増えている、ということなのです。
一方で、値段の幅も広がっています。私は”34万9980円のイヤホン”を試しましたが、1200円の自前のイヤホンで聞く音とはまったく別物!!!歌手の息遣いが聞こえるようで、びっくりしました!!(ちなみに、このイヤホンはイヤホン業界のフェラーリと呼ばれているとか・・・音質技術の結晶だそうです。)34万円、という値段にも驚きましたが、店内には、13万円!と値札のついたものに、完売!!と書いてありました・・・!
![これが34万円のイヤホンです!あまりの違いにびっくり!](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2016/09/8bd712ebafdbcd0262912078a81b3b85-300x400.jpg)
これが34万円のイヤホンです!あまりの違いにびっくり!
本体そのものの質だけでなく、ケーブルを変えることもでき、自分好みの音を聞くためにカスタマイズする、といいますから、まさにこだわり!さらにそんなこだわりをさらに追求した、個人の耳に合わせたイヤホンもあるのです。
フィットイヤーを開発した、株式会社 須山歯研、代表の須山慶太さんのお話です。
★耳の中に静かな部屋をつくる!?
- 須山慶太さん
- 「シリコンで、耳型を取ってオーダーメイドのイヤホンを制作しております。”カスタムイヤーモニター”こちらですと、例えば地下鉄の中だとかなり騒がしいですよね?それが大体静かな事務所とか、お部屋ぐらいに、周りの騒音を抑えることできます。それまでは、雑音に負けないように大きくしてしまっていたボリュームをかなり下げて、音楽を楽しむことができますので、音楽の非常に繊細な表現もしっかり聞き取ることができるようになると思います。”耳の中に静かな部屋を作る”これが、カスタムイヤーモニターの利点になると思います。」
![耳型を取ったシリコンと、その型で作ったカスタムイヤーモニター!](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2016/09/5030ad518e66b65eb097056144782f95-300x400.jpg)
耳型を取ったシリコンと、その型で作ったカスタムイヤーモニター!
耳の「穴の中」の型を取ることで、自分にぴったりのイヤホンを手に入れる、カスタムイヤーモニター。ニーズは増えているそうです。須山さんの会社は、元々入れ歯など歯の型を作る会社で、その技術をイヤホンに応用した。コンサートなどの出演者が、大きな音の中、自分の演奏や歌声を聴くために使うモニターとして開発を進めたもの。”耳の中に静かな部屋を作る”耳栓のように、ぴったりと穴をふさぐので、余計な音を通さないので、屋外で聞いても、まるで静かな室内で聞く据え置き型のオーディオの音、のようになる、とのこと。周囲の音がなくなるので、普段よりボリュームは小さくても良い音で聞こえるそうです。50代、60代の方を中心に人気が出ているようで、お値段は両耳で8万円!!(オーディオルームを造る、と考えたら安い・・・!?)
それから、周囲の音をカットする、ということは周囲の音が聞こえない、ということ。つまり、安全が確保できる場所で使うことが大前提!であることは、忘れてはいけません!!
音楽を聞くときに、このような”耳に静かな部屋=環境”を作ることは、もうひとつ大事な意味があるのです。
再び、須山さんのお話です。
★音楽を巡る環境は変わったのに、イヤホンはそのまま??
- 須山慶太さん
- 「現在11億人の若い人が、音楽を聞くことによる難聴リスクにあるということで、今後、音楽鑑賞のためにルールを作らなきゃいけない、など、そういったことがWHOで話し合われているそうです。無意識のうちに聞いてしまっているような、過大な音は、うるさいなと思わなきゃいけないんですが、ずっと聞くと聴覚に非常に大きな負担になります。これは、ある程度抑制していかなければいけない。そのほか、聞く時間を考えましょうとか。昔のレコードであれば、片面聞いたらひっくり返すくらい、一休み入れましょう、とそんなことでも耳への負担はかなり緩和できると思いますので。」
音楽を聴く環境は、レコードからCDに、そしてデジタルに変わり、スマートフォンで聞く人も増えました。つまり、A面とB面を取り替えたり、CDを取り替えたりする時間は無くなって、音楽が延々と流れるようになりました。そうなると、耳が休む暇がないのです。せめてレコードをひっくり返すくらいの時間は休めてほしいと、須山さんはおっしゃっていました。
音を出す方の環境は変わったので、聞く道具についても見直すなど、耳の負担を減らせるように考えないといけなくなったのかもしれませんね。
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