★様々な場面で活用されている、顔認証技術
今回は、徐々に広まりつつある「顔認証技術」の最新事情を、「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)の「現場にアタック」で田中ひとみが取材しました。

横浜で開催された「ビジネスソリューションフェア」
★顔の画像から年齢・性別を判定する「Field Analyst」
昨日横浜で、「ビジネスソリューションフェア」という、ビジネスの場面で活用できる新しい技術を紹介するイベントが行われました。特に注目の展示として紹介されていたのが、NECの「フィールドアナリスト」という顔認証技術。どういうものか、NECの営業担当、田中健太さんに聞きました。
- NECの営業担当 田中健太さん
- 「画面に映った方の年齢・性別等を判別するシステム。顔の情報を特殊なシステムによって検知して、データ化する仕組み。写っている方の性別がアイコンで表示されていて、その横に年齢が数字で表されている。まだ製品化はされていないけども、広告の前で使うことを想定されています。どういった人がこの広告を見ているのか。見ている人の年齢・性別を判断することによってマーケティングに生かせるのではないかと考えています。」

NECの「Field Analyst」。実年齢28歳の田中ひとみは、『25歳』と表示されました

画面右上のカメラで、リアルタイムで撮影
ビデオカメラの前に立つとすぐ、画面に映った自分の顔が四角く囲まれて、女性を示すマークと、推定年齢が表示されました。このカメラを街中の広告の前に置けば、その商品がどの年代・性別に見られているのか、自動的にデータを取ってくれます。
他にも、みずほ銀行の八重洲口支店では、今、ロボットに顔を近づけると、その人の年齢・性別に合った金融商品を勧めてくれるというサービスが実験的に行われていて、こちらはグローリー株式会社による顔認証の技術が採用されています。
こういった、顔認証で性別・年齢を判別するシステムについて本格的な実用化はこれからということですが、今回フェアで紹介された以外にも、既に、とある分野では顔認証の技術が有効活用されています。再びNECの田中さんのお話です。
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★チケットの転売対策に顔認証技術の採用多数!
- NECの営業担当 田中健太さん
- 「ももいろクローバーZさんのコンサート等でなりすまし防止のために本システムを導入させていただいております。近年チケットの転売問題があり、そういった背景からチケットを購入する際に購入者の顔情報を事前に登録。その顔データを元に現地で照合を行って、本人かどうか確認する形で使わせていただいてます。」

本人だと認証されると、PC画面が赤く表示されます
アーティスト達が「チケットの高額転売に反対する声明」を出したという話を以前番組でも取り上げましたが、顔認証技術を導入することで、転売を防ごうとするアーティストが徐々に増えているんです。手順としては、あらかじめ専用サイトで自分の顔写真を登録した上でチケットを購入。そして当日ライブ会場の入り口で、カメラの前に立って自分の顔を映し、機械が本人だと認めれば入場できる仕組みです。
こういった顔認証のシステムが登場する以前は、本人確認のために身分証明書の提示を求めるアーティストも多かったのですが、観客が何万といると確認作業でものすごい行列が出来て入場に時間がかかるし、中には身分証の貸し借りをしてまで転売をする人が出てきました。その点、顔認証なら数秒で本人確認ができるので入場時間の短縮になるし、顔は貸し借りができないのでなりすましは防げるし、メリットは大きいということです。
そしてこの顔認証、さらなる活用法の実証実験も行われました。株式会社システムイオ、ソリューション事業本部の菅野秀人さんのお話です。
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★「顔認証決済」でお財布もカードも不要に!?
- 株式会社システムイオ ソリューション事業本部 菅野秀人さん
- 「広島銀行の社員食堂で、実証実験で弊社の顔認証が採用されたという実績がある。顔で本人を確認すると、食べたものの決済が行われる。それが後々給与天引きに回されて、給与から食べた分の費用が天引きされるような仕組みの検証を行ったという形になります。」
社員食堂のレジにある端末で自分の認証させれば、お金もカードも出さず手ぶらでレジを通れます。そして金額は後日給与から天引きされるという仕組みです。このように顔認証と決済を結び付ける実証実験は他の企業も取り組み始めています。
実現したら便利そうですが、お金が絡んでいるだけあって、もし自分の顔の情報が流出したら怖いな…と思い菅野さんに聞いたところ、実用化の際には万全を期すために顔認証と他の認証の併用を考えているということでした。また、システムイオの場合は、顔の画像を登録するのではなく、専用の端末の前に立って、赤外線で顔の凹凸の座標データを20万ポイントも取って登録するので、より精度が高く、他人がなりすませる可能性は100万分の1だそうです。

システムイオの赤外線を用いた顔認証技術。事前に登録してある自分の顔と照合中・・・

認証されれば緑の画面に変わり、ドアが開きます
ただ一方で、こんな弱点もあると言います。
★赤外線による顔認証の弱点は「表情」
- 株式会社システムイオ ソリューション事業本部 菅野秀人さん
- 「あくまでも私どもが提案している3Dの顔認証は、取ったデータをいかに再現させてマッチさせるかなので、例えばこの人は笑った顔はこうであろうとか、怒った顔はこうであろうという予測は全くしませんので、例えば真顔で取ったのに笑って認証しようとするとやっぱり機械ももたつきますから、そこをすぐ再現していただければ一秒以下で認証ができるという仕組みになります。普通の顔で取っていただければ。極端に笑ったり…本当に素の顔で取っていただければと思います。」
少し顔がむくんだとか、男性のひげのそり忘れなど多少の誤差は大丈夫ですが、表情が違うと認証に手間取るので、登録する時も認証する時も真顔で、とのことです。
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