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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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日米欧で競争激化!どんどん進化するDNA鑑定

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森本毅郎・スタンバイ!ロゴ

★進化するDNA鑑定

先月「DNA鑑定で、〔またいとこ〕まで判別が可能に」というニュースがありました。〔またいとこ〕とは、いとこ同士の子供〔はとこ〕のことで、今まではそこまで正確に判別する技術がなかった、ということなんですが、このDNA鑑定、今、どこまで進んでいるのか?「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)の「現場にアタック」で田中ひとみが取材しました。

現場にアタック(田中ひとみ)

★最近では、〔またいとこ〕まで高精度に判別できるようになった!

親子のDNA鑑定というのはよく聞きますが、遠い親戚の〔またいとこ〕まで判別できるのはすごい!と思い、聞いてみました。DNA鑑定に詳しい関西医科大学の橋谷田真樹さんのお話です。

関西医科大学 橋谷田真樹さん
「DNAを検査する場所や技術がどんどん増えていて、血縁関係が離れている親族まで精度があがっている。「いとこ」にあたる可能性はどのくらいなのか、「はとこ」にあたる可能性は…という数字は出せますね。実際には犯罪事例において、いとこ、はとこの人が探してるという場合にそういった技術・計算方法が役にたってます。あとは遺産相続とかの話になってきますかね、やっぱり。技術としては日本はトップレベル。環境は最先端ですが、一番進んでいるのはFBI。」
森本毅郎スタンバイ!

DNA

ここ数年DNA鑑定の技術がどんどん進んでいて、DNA上で一致している領域の長さを比べることで「いとこ」「はとこ」まで判別できるようになってきた、というのが先月のニュースです。ただ、100%判別できますと言えれば良いんですが、元々DNA鑑定は、世界中の人間全員を鑑定したわけではないので、奇跡的に同じDNAを持った人間がいるという事を否定できす、あくまで99.99999…%としています。

FBIと同じトップレベルと聞くと、すごいと思いますが、DNA鑑定で進んでいるのは、血縁関係技術だけではないんです。次は調べる「方法」について。「ゲーティング ナノポア技術」というDNA解析装置を開発した、大阪大学 特任教授の川合知二さんのお話です。

★解析装置でも世界と競争!その名も「ゲーティング ナノポア技術」

大阪大学 特任教授 川合知二さん
「私たちの方法は、小さな穴にDNA一本を通して、その時に電極に流れる電流を読み取るという方法で、非常に少量のサンプルでしかも短い時間で安く出来るという特徴がある。
ただ科学の世界というのは世界との競争で、例えばナノポアと呼ばれる穴にDNAを通すという手法はアメリカのハーバード大学・イギリスのオックスフォード大学とか各国で強烈な競争で進んでいる状況。我々の方法はネイチャーナノテクノロジーという雑誌で我々が最初であると書かれています。」

ゲーティング ナノポア技術を使えば、今まで何万という数のサンプルが必要だったのが少なくて済みますし、時間も短くて済みます。競争が激しいのでもう各国で使われてますが、日本初の技術。そして、各国での競争、目標にしているものが「価格」なんです。再び大阪大学の川合さんのお話です。

★DNA解析のコストが劇的に安くなる時代も近い?

大阪大学 特任教授 川合知二さん

「コストに関して「1000ドルゲノム」という考えがアメリカで出されました。1000ドルはほぼ10万円、10万円で人の遺伝子を全部読んでしまおう事は今できつつあります。で、それを一日以内で一万円以下で、だから「100ドルゲノム」ですね。それを実現するのがアメリカの研究者や我々、最先端の研究者の目標です。おそらく、また何年かすると、一時間以内に1000円とか2000円で。という時代も割と早く来るんじゃないかと思いますね。」

現在の目標は1万円以下で全遺伝子を解析する「100ドルゲノム」ですが、川合さんによると、「10ドルゲノム」の時代が来るのもそう遠くないのでは…とのことでした。進歩の早い分野ですが、世界に負けずがんばって欲しいです!

そして、最後にもうひとつ。進化しているのはヒトのDNA鑑定だけじゃないんです。関西医科大学の橋谷田さんのお話です。

★動植物の判別にも役立つDNA鑑定

関西医科大学 橋谷田真樹さん
「僕らがやるのは動植物もあります。人獣鑑別といってヒトかそれ以外かというのが多い。植物の場合もDNAをみる場所が決まっているので、ここをみましょうというのが出てます。国産と偽って外来のものを使ったりという鑑定はもう色々なところでやられていると思いますね。」

動植物のDNA検査も進んでいて、例えば、新しい品種が出来たときに、遺伝子に独自のマークをつけることで、その新品種が盗難されたものかどうかがわかる、という「DNAマーク」も始まっています。

「またいとこ」の判別だけではなく、DNA鑑定の最新技術のニュースは、これからどんどん出てくると思われます。

TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」は月〜金6:30-8:30放送中。
AM954kHz、FM90.5MHz。
パソコンやスマートフォンでは「 radiko 」でもお聞きいただけます!
番組へのメール、ニュースへのご意見メール→ stand-by@tbs.co.jp


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