今日は問題になっている「小中高校生のオリンピックの観戦」。大会組織委員会が企画した事業で、都などの自治体がチケットを買って、学校単位で子供たちを会場に入れて、観戦してもらうもの。その後、埼玉県の複数の学校が辞退するなどの動きが出ていますが、東京都は、都議会議員から中止の申し入れがありましたが、未だ変更なし。そこで・・・。
「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!今日6月14日(月)は、当の小中高校生は、オリンピック観戦の話を聞いてどんな気持ちなのか、生の声を聞いてきました。『小中高校生に聞きました。オリンピック、見に行きたいですか?』
★行きたくないな。
- 中1です。
- 「見に行きたいけど、コロナが心配で、行きたくない気持ちもあります。学校でクラスターとかが発生したら、ちょっとイヤなので。」
- 中学1年生です。
- 「やっぱコロナの関係で、ちょっと心配もある。まだワクチンも打ってないから。」
- 6年生です。
- 「受験勉強も控えてますし、テレビで見るのはいいけど、競技場まで行くのはそこまで興味が無いって感じ。」
- 高校1年生です。
- 「行かないです、いや感染するから。あと、普通に興味がない。なんで、こんなに感染してる人が多いのに、わざわざ今やる必要があるのかな、って思います。」
伺った中では、「行きたいけど・・・怖いな、心配だな」という意見が多かったですが、そもそもオリンピックに興味ない、という声も少なくなかったです。
実は、コロナ以前の2017年の現場にアタックでも、子供たちに、オリンピック楽しみ?と聞いたことがありましたが、その時でさえ4割ほどの子が「そうでもない」と答えていたんです。
そうなると、「今の状況でわざわざ今やる必要ある?」という声が出るのは、ごもっとも、という感じもします。
★行きたいです!
しかし、少数派ですが、行きたいと答えた子もいました。
- 中学1年生です。
- 「見に行きたいです。やっぱり普段あまり簡単に
見に行けることじゃないので、行ってみたいです。」
- 中学3年生です。
- 「行事も今は少ないので、見に行きたいですね。はい、あ、でも、運動会はやらせてもらっていて、それでもやっぱり、なるべくみんなとの思い出も作りたいので、行きたいです。」
行きたいか、行きたくないかでいえば、そりゃ行きたいですよね。しかも、学校行事が減らされていますから。一度きりの中学時代、思い出の1ページを少しでも増やしたい、その気持ちは、よく分かります。
★運動会が無観客。部活の晴れの日は中止。それなのに?
そういう、日常の学校生活について、話す子たちもいました。
- 中3です。
- 「私の場合は、たまにふざけ合いで抱きついたりとか、そういうの、あるじゃないですか?そういうのして、互いは嬉しくって仲良くなれるのに、ただコロナ禍のせいで、あんまりそういうのが出来なくって、話すことしかできないっていうのが、ちょっと悲しいですね。学校行事も少なくなったので。一応明日運動会があるんですけど、運動会は無観客でやれっていうのに、オリンピックは、観客いて、なんか外国の方も来てやれ、っていうのは、ちょっとおかしいな、って。」
- 中学3年生です。
- 「私、部活の演奏会とか、吹奏楽部なんですけど、が、中止になったりしているのに、オリンピックだけ見に行くのはちょっとなんか違うのかな~って思ったりしました。う~ん、そんなに、オリンピック、そんなに・・・。大人数だし、しかも。なんか危なくないかな、とかも思ったり、オリンピックできるなら、部活やろうよ、っていう風には思いました。この一年を、うーん、もっと、部活やりたかったな~って。」
友達同士のスキンシップもガマンの日々。(確かに、女の子たちがきゃっきゃと抱きついたり、ってよくやりますね!)
運動会は、種目を「リレーとダンスだけ」に縮小し、無観客で開催し、保護者にはライブ配信なのに、オリンピックは観客ありなの?という声も、オリンピックやるなら、部活やろうよ、演奏会やらせてよ、中学最後の一年を、もっと部活やりたかったな、も、とっても正直な気持ち。学校生活は、授業だけじゃありませんものね!
★子供みたいに「見たい」とか言えない!
一方で、こんな声もありました。
- 小学6年生です。
- 「いや~僕はあんまり賛成しないですね。いや~でも、状況が状況ですし、ニュースとか見てて、そうまあ、そんな簡単には、「見たい」とかそういうなんか、そんな子供みたいには言えないと思います。」
- 5年生です。
- 「行ってみたいは行ってみたいです。今、あの~、コロナが無かったら行きたいな、みたいな。なんかちょっと気が向かないな、みたいな。なんか・・・何て言うのかなぁ・・・なんか・・・行っていいのかな、みたいな。」
今の状況では子供みたいに「見たい」とは言えない!と、6年生の男の子に思わせてしまっているし、行っていいのかなぁ~、と5年生の男の子に感じさせている。世の中の空気は子供たちにまでしっかり届いているんですよね。(届きすぎている、という印象です。)
スポーツ大好きな、元気な男の子二人のこの語り口に、なんともいえない戸惑いと、今回の学校単位の観戦計画のそぐわなさ、を実感しました。(コロナじゃなかったら?と聞くと「野球が見たい」「サッカーが見たい」と即答!なのにな、と寂しくなりました。)