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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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迫る「第4波」、自宅療養者を見守る地域の医師たち

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新型コロナウィルスの感染拡大で、また緊急事態となっています。感染拡大すると、また医療ひっ迫となり、自宅療養者が増えることが予想されます。その時、現場はどうなるのか?4月22日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

 

 

田中ひとみの現場にアタックhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20210422073600

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

★保健所と診療所が連携

まずは、保健所がパンクしたケースを取材。保健所と連携したという、新宿ヒロクリニックの院長、英裕雄(はなぶさ・ひろお)さんに聞きました。

新宿ヒロクリニック・院長 英裕雄さん

保健所の方で、医療の受診の必要性があるかどうか判断しきれない部分に関して、我々に依頼が来たり、患者から電話相談や、往診対応をしている。高齢者で、「第3波」で入院できなかった人。最初の内は症状がなかったので自宅療養していたが、だんだん発熱、咳や痰が出て、往診依頼があった。2日後に「まだ息苦しい」と、もう一度往診した時、酸素飽和度が低くなっていたので、すぐに保健所と連携とって、緊急入院した。
森本毅郎スタンバイ!

「新宿ヒロクリニック」は、保健所と連携して自宅療養者の支援を行なっています

このクリニックは、去年12月から、保健所が賄いきれない電話相談や、往診を行っています。

本来、自宅療養者の健康観察は「保健所」の仕事で、保健師が患者に電話をかけて、健康状態などをチェックしていますが、感染の波が大きくなると、保健所はパンクし、新規感染者の入院先の調整や、感染経路の追跡などに追われて、自宅療養者の見守りが十分にできていない状況に陥ります。

そこで、新宿区では、先ほどのクリニックを含めた2つの診療所と連携し、24時間体制で、医師の往診に繋げてしのいでいます。

さらに新宿以外にも、例えば調布市でも、市内の医師が交代で電話相談にあたっていたり、都も一昨日から、自宅療養者に対する地域の医師のオンライン診療や往診をスタートさせています。

ある意味、医師の善意が広がっている形ですが、こうした取り組みが広がるということは、保健所の人出不足が改善できていないことでもあると言えそう。

★認知症の90代を毎日訪問

そしてもう1つ、自宅療養で特に手厚いサポートが必要なのは、普段から介護が必要な高齢者です。本来なら、優先して入院となってもいいはずですが、「第3波」では、こうした人も、病床が足りず、入院できないケースがあったそうです。

病床不足であふれてしまったとき、現場はどうなるか?持病がある自宅療養者を専門にケアする医師に伺いました。東京・北区の梶原診療所の医師、平原佐斗司(さとし)さんのお話。

梶原診療所・医師 平原佐斗司さん
北区では、1月のピーク時に自宅療養者は200人位いたが、そのうち40人が介護保険を受けて生活。例えば、認知症がある方や、重い病気を持って普段から往診を受けてる方が感染。普段からケアが必要な方なので、病気になるとヘルパーさんが家に入れない。感染症を防御しながらサポートするチームを新たに組み直して、具体的には医師と看護師だけで生活できるようなプランを作って、毎日訪問してサポート。自らSOSを出せない方をどう救うかが、最大のミッション。
森本毅郎スタンバイ!

「梶原診療所」も「第3波」以降、コロナ自宅療養者の医療ケアを行なっています。

平原さんは元々、在宅医療を行う医師で、「第3波」では、かかりつけの患者にも感染者が出たそうです。

例えば、90代の一人暮らしの男性は、認知症があったそうですが、コロナの陽性判明後、やはり、入院できる病床がなかったので、急遽、自宅での特別な見守り体制を整えたそうです。

具体的には、毎日夕方、自宅を訪問し、玄関先で防護服やフェイスシールドを装着した上で、体温や血中酸素の濃度を測ったり、一人では難しい薬の服薬や、宅配弁当の準備など、普段ヘルパーさんがやっているようなサポートを短時間で行ったそうです。

平原さんの取り組みで救われた人もいますが、本来は、入院すべき人が入院できないからこそ起こる問題。病床数を増やすという、これも1年前から言われていた問題が取り残されている現状が見えてきました。

★開業医の限界も

では、こうした取り組みは、病床不足を補いきれるくらい、広がるのか?

北区としては、平原さんのようなクリニックを増やしていきたいということで、現在、医師会や保健所が協力して、「第4波」に向けたシステム作りを進めているそうですが、実際には、「協力してくれる医師を増やすのが難しい」と、平原さんは話していました。

梶原診療所・医師 平原佐斗司さん
一人開業医の先生は自分が倒れると、雇っている看護師や事務員が露頭に迷う。僕らは複数の医師でやってるので、僕が休んでも他の人が動けるが、日本のかかりつけ医は、基本的に一人開業医が多いので、背負っているものが結構ある。先生は行きたいと思ってても、事務長に反対されるケースがある。ただ、ワクチンが打たれて、もう少し完全防備ができてって、関われる先生は少しいると思うが、協力してくれる先生を上手く掘り起こせてないのかもしれませんね。

森本毅郎スタンバイ!
地域のクリニックは医師が一人だけの診療所が多いので、自分がコロナにかかった場合、病院が成り立たなくなる。そうなれば地域の医療にも打撃になってしまう。そうした理由から、協力したくてもできないという医師も多いそうです。

今後、ワクチン接種が進まない限り、医師による自宅療養者の見守りは、十分に機能しないだろうということですが、結局、これも、医療従事者優先でワクチンを速やかに接種するという、前から言われていた課題が、積み残されている影響がでているようです。


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