最近、環境問題の話題の中で『サスティナブル』(=持続可能な)という言葉を耳にする機会も多いかと思いますが、今日取り上げるのはサスティナブルな国内のコスメを表彰する「サスティナブルコスメアワード2020」です。TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で中村友美ディレクターが取材報告しました。
★素材だけでなく工程にもこだわる「サスティナブルコスメ」
「サスティナブルコスメアワード2020」は1月に受賞コスメが発表されたのですが、そもそもサスティナブルコスメとは?審査員長の岸紅子さんに聞きました。
- 「サスティナブルコスメアワード2020」審査員長・岸紅子さん
- 「コスメの生産の所から廃棄に至るまで、SDGsの観点からそういった一個一個の工程というのを評価していき、表彰するのが今回のサスティナブルコスメアワード。例えば製造工程で福祉施設に生産の一部をお願いしていたりとか。あと、中の成分としてまず石油由来のもの、地下資源をどれだけ少なく配合しているか。植物性のものかというのをすごく重視しています。」
第一に、化粧品の素材が自然由来の環境にやさしいものであること。例えば海の汚染の原因となるマイクロビーズが含まれていないことも評価対象です。また、化粧品を入れる容器がリサイクル可能であること。さらに、コスメの生産にあたって障碍者雇用や過疎地での雇用が生み出されることなども評価されます。
★竹のエキスで化粧水。「竹害」を解決へ!
「サスティナブルコスメアワード2020」栄えあるゴールド賞は「せとうちt&kハーブ」というブランドの「しっとり瀬戸内ハーブウォータ」という化粧水。広島県の企業、株式会社リム・ジャパンの製品。一番の特徴は、竹のエキスから作られたハーブが配合されているという点です。なぜ竹なのか?代表の西原ミツルさんに聞きました。
- 株式会社リム・ジャパン・西原ミツルさん
- 「原材料をとっている広島県竹原市の町が、竹原と名前が付くように竹の町で竹が多くて、タケノコの栽培もしていたんですけど、山の中で竹がどんどん増えて山が変わってしまうということが国内で相当数増えている。竹をハーブとして使うことができないかという所からスタートしている。実はタケノコが40cm~60cm一日で伸びていく力の裏には乳酸菌があり、4種類あると言われている。この4種類の乳酸菌を活用して、非常に豊かなうるおいのある成分を抽出できるということをお聴きして、作ったものです」
この化粧品は、ただ単に自然由来の竹を活用しているだけではなく、社会問題となっている「竹害」(かつてタケノコ栽培が盛んだったころに植えられた竹が放置され、増えすぎて森林の生態系を破壊してしまうという問題)の解決にもつながる点が評価されました。
続いてシルバー賞は「明日私は柿の木にのぼる」というブランドの「フェミニンオイル」。福島のあんぽ柿を原料とした、いわゆる女性のデリケートゾーンのケアに使うオイル。この製品を手掛けた方も女性というところで、女性活躍の観点からも評価されました。
★性別・年齢・国籍問わず使える化粧品
ブロンズ賞は、花王グループの新ブランド・アスレティアの「コアバランス トーニングローション」という化粧水。ブランド独自の農園で育てたアシタバやシソなどを配合。また容器は捨てられるはずのガラスを再生した素材を90%以上配合しているなどサステナブルですが、ブランドが発信するメッセージもサステナブルなものになっています。
- アスレティアのコミュニケーションマネージャー・蔦谷由美子さん
- 「私たちが新商品を出すときにリリースのキービジュアルを決めるんですけど、化粧品会社というと、昔は白人の女性で、日本人が使うものなのに白い肌の方が出ているとか、女性だけに特化しているとか、そういった広告ってすごく多かったと思うんですけれども、私たちとしては年代もジェンダーも国籍も問わず様々な方に使って頂きたいという思いがございますので、男性を起用したり、肌の色も白人とかそういった所に偏らず、いろんな国籍の方を交えてビジュアルを作るようにしているところです。」
「サスティナブルコスメアワード2020」はオンラインの授賞式が2/27(土)に予定されています。