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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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江戸・品川宿の粋な助け合いで、コロナ対策支援金を募る!

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東京・品川区で、いま、新型コロナウイルスの感染対策として、医療現場や福祉施設への支援金を募集しています。国や自治体からの支援金も既にある中、なぜ支援金の募集を始めたのでしょうか?

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!今日10月5日(月)は、『江戸・品川宿の粋な助け合いで、コロナ対策支援金を募る!』というテーマで取材をしました。

 

近堂かおりの現場にアタックhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20201005073812

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

★区民からのアツい申し出が!

支援金の募集を始めたのはなぜなのか、品川区役所税務課の伊東義明課長に聞きました。

伊東義明さん
「区民みなさまからも『何かできることはないのか』という声が上がったっていうのがきっかけですね。医療支援、保育支援、介護支援、障害者支援という4つの分野で、寄付される方がご希望する項目を選んで頂いて受付を、という発想をしたところです。一応ですね、1千万円という目標を立てて、進めさせて頂きました。え?そんなに集まるかな?っていうことは思ったところですけれども、でもやっぱり、品川の過去の『品川宿の事』もありますのでね、なんとか集まるかな、という期待も込めてですね、設定させて頂いた。」

品川区は、中学生以下には5万円、そのほかの全区民に3万円を給付の決定など、独自でもコロナ対策支援をしています。しかし、医療機関などが苦しんでいるという報道があることから、区民から「何かできる事ははありませんか」という問い合わせが沢山来たそうです。これがきっかけとなって、今回の募金を始めたそうです。

区民からの熱い申し出を受けて、「ふるさと納税」のシステムを使って、「コロナ対策専用の寄付」という窓口を、立ち上げました。寄付の主旨から、もちろん「返礼品」はないのですが、「コロナ」という使いみちが、はっきりしているせいか、断然集まりがいいと。

★安政5年コレラ大流行。その時、品川宿では・・・

ちなみに、今回の募金は、10月10日に締め切り。およそ三ヶ月間の募金期間で、目標額は1000万円!そんなに集まるかな?と思う伊東さんでしたが、先程のお話の中で「『品川宿の事例』もあるので期待」と言っていました。

では、この『品川宿の事例』というのはどんなことなのか、聞きました。

伊東義明さん
「安政5年のいわゆるコレラの発生、流行ということで、品川宿でも一か月あまりで、172人くらいの死者が出たと。その時に品川宿でどういうことがやられたかというと、宿内の多くの旅籠屋さんや裕福なお百姓さんから寄付があったということで、それを元に手当てのための生薬ですとか、金子での救済などが行われたと。全体で505両2分、白米で7石。金子、お金を配った家が1800軒ほどっていう風に記録されています。土地柄といいますか、海沿いのいわゆる江戸っ子っていう気質の方が多かったのかな、というような思いもあるところですね。」

安政5年というとおよそ160年前。そんな昔に同じ動きがあったのですね!長崎に上陸したコレラが江戸で流行り始めたのは、その年の7月。一か月余りで江戸だけで20万人以上の死者を出した、とも言われています。東海道の宿場町、品川宿でも多くの死者が出た。そのときに、宿内の助け合いがあった。旅籠・裕福な農家が、お金や白米を寄付し、困窮者の救済のために薬を用意したり、お金を配った家は1800軒にものぼるそう。

当時の1両は、お米の金額で現代と比較すると、5~10万円。500両は、10万円なら5千万円、5万円でも2500万円!困っている人がいるならと、お金やお米が集まる江戸っ子の粋、品川宿での寄付行為がみんなに広まったように、1千万円を目標額に、このコロナ禍も助け合い、乗り越えよう、ということなんです。

★金額ではなく、感謝を示す意義が大きい。

その粋を象徴するように、現在、寄付と同時に、アツいものも届いているそうです。

伊東義明さん
「本当に熱い方が、一杯いらっしゃるのかなという思いがあるところです。皆様から、お声も頂いているという所では、子供、保育園の関係です『子供との安全を確保しながら、保育を行って下さっていること、とても感謝しています』的なお話や、医療従事者向けの言葉としては『あなた方のおかげで、東京、品川区は救われています、ありがとうございます』という声も届いているところです。お金と共に、そういう気持ちも一緒に、そういうお声も一緒に、届けたいなという風に考えております。」

伊東さんたちは、国や自治体の援助とはまた違い、感謝の気持ちを示す意義が大きい、と考えており、お金や物資と一緒に、この感謝の言葉をしっかり届けますと。

目標の1千万円に対して、先週の金曜日の段階で、648万8千円!安政5年に比べると・・・いやいや、これはみなさんの気持ちを届けるものですから、金額ではありませんし、この土日にも増えているかもしれません!

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。


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