今日9月1日は「防災の日」です。ただ、例年この時期に学校や自治体などで行われる避難訓練について、どうしても人が密集してしまい新型コロナウイルス感染のリスクがあるため、中止や延期とする所が相次いでいます。
しかし防災教育は重要ということで、代わりに家の中でできる「自宅避難訓練」を推奨する動きもあります。TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で中村友美ディレクターが取材報告しました。
★もし自宅で被災したら、どう逃げるか?
「自宅避難訓練」は各家庭で自主的に行うことができますが、何をすればいいのか?以前から自宅避難訓練の必要性を訴えてきた一般社団法人防災備蓄収納プランナー協会・代表理事の長柴美恵さんに伺いました。
- 一般社団法人防災備蓄収納プランナー協会・代表理事の長柴美恵さん
- 「私が子供たちが小さかった時に自宅避難訓練を家でやっていた時は、下の子2人を脇に抱え5歳のお兄ちゃんにはリュックを背負わせ、そして家の中をぐるぐる走り回るという所から始めてたんですね。玄関まで向かっていく間にはこれが危ない、あれが危ない。足元で椅子がぶつかるっていうのを常にやってました。リュック1つ用意していたんですが、5歳の子に背負わせた所、重くて歩けない。じゃあこれを私が背負って、お兄ちゃんに妹と手をつながせて、でも2~3歳の子はどこかに行ってしまう。色んなパターンで家の中でやってました。」
自宅避難訓練をしながら非常用の持ち出し袋を運ぶ際、とても重くて運べないと気づいたなら、中身を見直して軽くするということも必要です。そして、家の中を移動しつつ周囲を見渡してどんな危険があるのか。頭上を見て倒れてきそうな家具が無いか。もし危険ならつっぱり棒などで補強しておくことも大事です。また、足元に躓いてしまうようなものが無いか。実際に災害が起きたときには停電で足元が見えないことも想定できますので常に片づけをする必要があります。
★防災備蓄品は「使える収納」が必須!
一旦外に避難して家が無事であれば在宅で避難生活を送ることになりますが、その時に備えて自宅の備蓄品の点検も大事です。水道、電気、ガスが止まった状態でも生活できるよう水や食料、簡易トイレなど一週間分は備えが必要だといいます。その備蓄品について注意すべき点を長柴さんに聞きました。
- 一般社団法人防災備蓄収納プランナー協会・代表理事の長柴美恵さん
- 「見栄えがきれいでここにお水があるというのがすぐ分かる、というだけではなくて、災害の時でも倒れていたり崩れていてしまっては何の意味も無くなってしまうんですね。だからそういう状態にならない。倒れたり壊れたりしないように収納しておくことが大切。簡単に言うと、高いところより下の方に置く。バラバラに置くよりは、箱やケースに入れてまとめて置くという方法ですね。」
また、家の棚の中にケース入りの備蓄品を収納したとして、地震が起きた場合にケースの位置がずれてしまい、扉が開かなくなってしまう可能性もあります。対策として飛び出し防止のネットを扉の内側に張っておくのも有効だそうです。
★自宅が危険なら躊躇せずに避難を!
ここまで、自宅で被災して自宅で避難生活を送る前提で話してきましたが、もちろん避難所など家の外で過ごすという選択肢もあります。特に今新型コロナウイルスの感染が懸念される中、避難場所についてどのように判断したらいいのか。長柴さんはこのように指摘しています。
- 一般社団法人防災備蓄収納プランナー協会・代表理事の長柴美恵さん
- 「地震が来た、もしくは台風が来るという時でも、コロナが心配だから避難所行きたくないよね。でももし自宅よりも避難所のほうが安全だとします。でも感染が怖いから行きたくないと躊躇することで洪水に逃げ遅れてしまって被害を受けてしまう方もいるわけですよね。そしたら、水害の被害者になるよりも、コロナに感染するかどうかは不明な状態なわけですから、安全だった避難所に逃げてもらいたいです。で、大丈夫であるならば自宅で待機できるのが一番幸せだよねっていうことなんですよね。」
確かに今、避難所での密を避けるために在宅避難を推奨する自治体も多いのですが、水害で直ちに身の危険がある場合はコロナの心配より、とにかく安全な場所に逃げることも同時に促しています。その安全な場所は自宅なのか、避難所なのか、別の場所なのか?あらかじめ住んでいる地域のハザードマップを確認しておくことが必要です。