ロシアのドーピング問題で、IOC=国際オリンピック委員会が、「ロシア選手のリオ大会出場について各競技の国際連盟に判断を委ねる」ことになりました。この結果、全員出場禁止ではなく、一部の選手の出場が認められた形で、早速、国際テニス連盟が参加を認める発表を行っています。このロシアのドーピング問題、当のロシアの人はどう思っているのか?「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からの「現場にアタック」で田中ひとみが、都内にいるロシアの方々に直撃しました。
まずは、きのうの夜に、都内で街を歩いていたロシアの方々に声をかけ、今回の問題を伺ってみました。
★国家ぐるみのドーピングにロシアの方は・・・
- ●「(自分の国が不正していたことについてどう思いますか?)すみません、もちろん参加したいと思います。でも難しい問題だと思います。」
- ●「もちろん悲しいことです。みんな、オリンピック大好きだから悲しい。(自分の国がやっているというのは?)信じたくない。たぶん、なんか間違えごとだと、みんなそう思っている。」
最初の方は10代のロシア人で、会話の途中、目に涙を浮かべて10秒ほど沈黙が続くなど、とても悲しんでおり、お辛い様子でした・・・。
今回のロシアの「ドーピング問題」そのものについては、「悲しい」という意見のロシアの方が多数派でしたが、一方で、「選手の参加」について伺うと、こんな意見を聞くことができました。
★してない選手の連帯責任についてロシアの方は・・・
- ●「(ロシアのドーピングの問題についてどう思う?)厳しいですね。ドーピングやってない方は参加しないとかわいそうです。一生懸命、練習したのに、オリンピックに参加しないと厳しいと思います。」
- ●「できない人はもちろん残念ですけど、いまは行くことができる人が、必ずリオに行かなければならないと思います。いつもロシアなんか悪いって聞きますけど、そうではないです。たぶん、今回、システムの問題と思います。コントロールが足りなかったと思います。なんかオリンピックって毎回色々問題が発生していてガッカリした。」
さすがに「ドーピングをやったとされる選手も出場させるべきだ」という意見はありませんでしたが、やはり、「ドーピングに関係のない選手は、現在行われている各競技ごとの裁定とは関係なく、全員出して欲しい」という意見ばかりでした。
一方で、2人目の方が「今回はコントロールが足りなかった」と言っていましたが・・・、今回のドーピング問題の背景をこう見ている人もいました。ロシア料理店の方のお話です。
★今回の動きは「政治的なこと…」という意見も
- 「今回はスポーツじゃないでしょ、政治的なことですよ、ポリティクスと思うんですよ。そう、本当はいまスポーツやっている人たちは、なんかどこかの薬を必ず飲んでいると思うんですよね、そうじゃないと、前のレコードをこえないんですよ。もう人間の力、そこまで。ジャンプだったら、10メートルのジャンプをできないじゃないですか人間は。動物じゃないですから人間は。だからそれをこえるために、なんか飲んでいると思うんですよね、元気になる。ロシアのスポーツマンだけじゃないと思うんですよ、世界はどこでも一緒。だから本当に残念。イシンバエワさんとか出られないのはすごく残念と思う。」
この方は、女子棒高跳びの女王、エレーナ・イシンバエワ選手が出られないことにも、とても残念がっていました。また、今回の一件は、「政治的なことではないか?」とも分析していて、「ドーピングまで行かなくても、何らかの薬に頼らざるを得ないほど、記録のハードルが高くなってきているのでは」とも話してくれました。
それでは最後に、今回の、ロシア選手がリオオリンピックに出場すべきかどうかという問題、他の国の人はどうみているのか。きのうの六本木を歩いていた外国の方に伺いました。
★では各国の方のご意見は?
- アメリカの方
- 「みんなやっているかどうかは分からないので、他の選手たちはチャンスを与えた方が良いんじゃないですか。十分彼ら赤面しているから国として。もう彼ら十分バツ受けたと思います。」
- オーストラリアの方
- 「全部、出させないべきだと思う。ロシア全体禁止。政府が決めて、みんなダマしましょうのレベル。ひとりひとりはかわいそうだけど、国のレベルで辞めさせた方が良い。強いメッセージを与えないと。」
「もう国として赤面した(辱めを受けた)し、バツはうけたのだから、他の選手にはチャンスを与えるべき」というアメリカの方と、「国ぐるみの隠蔽だから、全面的に出るべきじゃない」というオーストラリアの方、賛否両論ありました。