新型コロナウィルスの感染拡大を受け、在宅で勤務するテレワークや時差出勤を政府が推奨しています。感染リスクを減らそうというもので、都内の中小企業の関心も高まっているそうです。そこで、実際のところ、テレワークという働き方はどうなのか?気になったので聞いてきました。
「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」、3月6日(金)は、金曜日恒例のサラリーマンの声。『あなたの会社はテレワークを導入していますか?』というテーマで街でお話を聞いてきました。
★テレワーク、メリットの方が大きいですね!
- ●「元々ウチの会社はほぼ全社員がテレワークを使えるようになっているんですけど、若干使いづらい雰囲気があったんですけど、今回ので結構それが進んだ印象を受けています。集中してやるにはいいかなというのもある一方で、ちょっとした相談がしづらいっていうのはちょっとやりづらいなと思ったりもしました。でも、通勤しなくていい、満員電車に乗らなくていいとかはあるので、プラスのほうが大きいのかなって。弊社でもチャットシステムを入れたりとかやって、そういう気軽な相談とかも出来るようになった。これを機に、みんなテレワークでも仕事が回るというか、出来るということが今回ので実感、ウチの社員もしてると思うので今後この騒ぎが終わった後も比較的使われていくんじゃないかなと思ってはいますね。」
この方はテレワークに好意的。今まではテレワークをしづらい雰囲気があったそうですが、今回の騒動でテレワークを実際にやってみると、メリットのほうが大きいと実感しています。ちょっとした相談と言ってましたが、電話やメールするまでもない相談はチャットで対応できるし、逆に自分も相談されて中断することもないので集中できる、と。これを機に、どんどん広がっていきそうですね。
★まだ全社員がするにはシステムが対応してない!
一方、こういう声もありました。
- ●「元々テレワークは会社でやっていたんですけど、今もパソコンを持っているんですけど、ただ、今回のではなってないです。時差出勤だけですね。まだ正直、テレワークを去年から導入したばかりで全社員に行き渡ってなくて、これで例えば、営業マンだけテレワークをやったら事務の女の子は会社に残るとか、それも不公平だし、たぶん、その辺でシステムが整っていないからたぶん導入まではいかなかったんだと思う、全社員在宅というのは。日常的に営業マンはテレワークをやっているんですよ、普段から。単純に操作性が落ちるので多少不便ではありますけど、ただその分時間を有効に使えるのでメリットのほうが大きいですね。例えば、今までだったら、お客様のところを回って最後に会社に戻ってパソコンを落としてとか、資料を戻って作って印刷して送るなんてことをやっていたんですけど、パソコン一台あれば、お客様の目の前で見積書を作ったりとか、その場でメールでお送りしたりとかできるので、逆にお客様からも夕方、営業マンの方が帰って来られた時に同じタイミングで行くとその場で話が済んでしまってタイムラグがなくなるので、よりスピーディに仕事が出来るようになったりとか、そういうプラスのメリットは絶対にあります。じゃ、全社員がテレワーク出来るかといったらそれはまだ無理なんじゃないかな。やっぱり、会社に居てお客様から電話を受けなければいけないパターンもあるのでテレワークだけで全部解決できるかというとそれは違うと思う。」
全社員がテレワークというのは厳しいんですね。この方は営業マンで、テレワークはプラス、メリットが大きい。確かに、時間を有効に使えますよね。ところが、全社員がテレワークを出来るかというと、システムが整っていないのだそう。今回の騒動を受けて、営業マンはテレワーク、他の人は出勤となると、確かに不公平感はあります。だから、今回はテレワークでなく、時差出勤で対応している、とのこと。急にテレワークをやりましょう、と言われてもなかなかムズカシイですよね。
★200人中197人テレワークですよ!
また、こういう声もありました。
- ●「やっていますね。ウチの会社、200人くらいいるんですけど今出ているのが3人だけです。キャドマシーンがデスクトップなので、自宅では出来ないものですから、仕方なく出ていますけど、仕事をしない課長さんと、私と、派遣の女の子と3人だけです。あとは皆自宅にいます。テレワークですね。逆に大変って言ってましたよ、自宅にずっといるのは辛いって言ってましたね。時間の配分が出来ないというか、気が付いたらお昼になっていたとか。自宅にいる人はセキュリティを介して繋ぐようになっているんですけど、自宅のWi-Fiがあっても直ではなくて。そのセキュリティのサーバーがパンクしちゃったりとかして。会社のサーバーに入るためには一つセキュリティを通さなきゃいけない、それを通すセキュリティサーバーがもうパンクしちゃっているんですよ。皆で使ったら全部が繋がらなくなっちゃって、だから、どこの課は何時から何時まで、どこの課は何時から、繋げられる時間が決められちゃってる。だから、自宅は自宅ですごい不便みたいですよ。」
この方は会社に行かないと作業できないので出勤していますが、200人中197人はテレワーク。今まで一度にそんなに大勢の人がセキュリティサーバーにアクセスしたことがないのでパンクしちゃった!!それなりのセキュリティシステムの構築が必要なので、急場しのぎでは出来ません。
★テレワークをやる環境にはあるのですが・・・
そして、こういう声もありました。
- ●「テレワークは導入していないですね。出来ないというよりも、クラウド上とかでやると、ハッキングされる可能性があるんで。IDとパスワードとか、なりすましとか、やる環境はあるんですけどセキュリティ面の課題が残ってる。例えばウチの会社のシステムにIDとパスワードで入る、それが外に出ていっちゃったら他の人が触れちゃう。そういうのもあるので、会社にいるとそれがない、ちゃんと。会社のパソコンで社内LANみたいなネットワークがあって、認証してちゃんと本人という社内の環境じゃないと入れない設定にしてある。それを外に出そうと、ネット上でIDとパスワードで入れちゃうようには出来るんですよ。他の人が入っちゃったりしたらアウトなんで。やろうと思えばできるけど金がかかるんですよ。それに投資するのに結構何千万円と掛かるので、景気が悪くなって売り上げも悪くなる可能性があるんで、要はプールしとくっていう。だからNECとかニュースでやっていたじゃないですか、テレワークでって、あれは金がありますから、たぶん。大手ですから、だからテレワークとかカッコイイこと言ってますけど、あんなん現実はな。結構、そういうところ悩んでいるところあると思いますよ。」
セキュリティを強化するにはお金がかかるということなのです。こちらの会社はテレワークをやれる環境にあります。ただ、セキュリティ面に課題を残しているのです。だけど、そこに投資する余裕がない、と。この先どうなるか分からないから蓄えておきたい、という経営判断だそうです。それはそれで分かります。まさにメリットもあるし、デメリットもあるテレワーク。みなさんの体験談を伺って、それを実感しました。会社の判断も、ムズカシイですね。