2月3日は節分。毎年ニュースとなるのが、恵方巻が売れ残って大量に廃棄される問題。そんな中今年は、恵方巻の廃棄を減らすため新たな対策を始めるお店が出てきています。1月30日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
★恵方巻の予約強化、ハーフサイズの充実
今年、恵方巻ロス対策に力を入れている東京駅の百貨店「大丸東京店」の総菜・弁当担当バイヤー朝倉宏二さんのお話です。
- 「大丸東京店」の総菜・弁当担当バイヤー朝倉宏二さん
- 「予約販売の強化ということで、昨年よりも今年は予約期間を長くして、事前に予約して頂こうと。どれくらい予約が来るかによって当日のある程度の需要予測を立てやすい。あと近年「一本じゃ多すぎる」というお客さんも非常に多いので、ハーフサイズを特に強化しています。一口では食べきれないけども、三口ぐらいですかね。予約は非常に増えていて、既に昨年の予約数は超えていて、これから2月3日、節分が近づくにつれて予約される方が増えていくのかなと思ってます」
1月17日から31日の朝までという長いスパンで予約を受け付け、既に去年の予約数を超えていると。完全な予約販売ではなく2月3日も店頭販売を行うそうですが、予約を強化することである程度需要の予測が立てやすい上に、大丸東京店は店内に厨房があるので、売れ行きを確認しながらその都度調理することで食品ロス削減に取り組んでいくということです。また通常の半分、ハーフサイズの恵方巻のラインナップを増やして、「食べ残しゼロ」も目指しているということです。
★節分の豆も食品ロス!
コンビニ、スーパーでも同様の動きは広まりつつありますが、食品ロスは恵方巻だけの問題ではありません。同じく節分の時期にだけ店頭で
見かける「豆まき用の福豆」。こちらのロス対策に取り組む企業があります。規格外などの食品に特化した通販サイト「ロスゼロ」を運営する
株式会社ビューティフルスマイル代表取締役・文美月さんのお話です。
- 「株式会社ビューティフルスマイル代表取締役・文美月さん
- 「節分の豆を「そのまま残ったので」という風に販売しても、元々皆あまり食べないじゃないですか。イベントでどちらかといったら使うものなので。節分の豆に薄くピンクと白とグリーン(若草色)のコーティングをしています。とても可愛らしいボールのような状態になっています。例えば保育園の食育でも食べてもらったり。かむと中に節分の豆がカラカラと入ってる。コーティングが空洞になってるので、先生が「これ中身なんだったと思う?」と言ったら、何かな?というので、ちょっと会話になると仰ってたので、そういう食べやすいものに変えることでもったいないものを活用するという意味も込めて作り変えたということですね。」
節分の豆は、恵方巻以上に日持ちするにも関わらず、2月3日を過ぎたら買う人がいなくて捨てられてしまう、中には一社で500~600キロも余ってしまうという現状がありました。そんな福豆をカラフルにコーティングして「三食福豆」という形で新たに販売することで、一年中買ってもらえる商品に生まれ変わり、食育に役だっているということです。
★バレンタインのチョコレートを5月に販売でロス削減
ここまで節分の恵方巻、福豆と来ましたが2月には他にも食品ロスが気になるイベントがあります。2月14日、バレンタインデーです。
「ロスゼロ」では、バレンタインのチョコレートに関してもロス削減のための取り組みを去年行いました。
- 「株式会社ビューティフルスマイル代表取締役・文美月さん
- 「バレンタインのチョコレートを5月になってから販売したんです。5月末で賞味期限が切れるものだったんですけど。それは2時間で3200箱インターネットだけで完売しましたね。本当はどれぐらい売れるのか分からずに実験だったんですけどあまりにも反響があったので、今年はもうちょっと、4月5月になって本当に行先がないけども夏まで食べれるというものをイベント化して。バレンタインじゃないからもう価値ないよねっていうのは疑問に思っていて、もっとアクションを起こしたいと思っているとことです。」
節分の豆と比べて日ごろから馴染みのあるチョコレート。なんで食品ロスが起きるのか疑問に思ったのですが、バレンタインの時期に向けて大量に作られるあのパッケージのものは、なかなかバレンタイン後には売れないそう。で、3200箱というのはとある1社のみで出ていた食品ロスで、こちらは福豆とは違って加工せずバレンタインのパッケージのまま販売し、全てを売り切りました。
★日本は食品ロスが多すぎる!
「ロスゼロ」では今年も福豆、バレンタインチョコともに、ロスが出次第販売していくということですが、文さんによると、日本の食品ロスは海外と比較してちょっと尋常じゃない、と指摘しています。
- 「株式会社ビューティフルスマイル代表取締役・文美月さん
- 「日本は大体毎日、お茶碗1杯分位の「食べられるのに捨てられるもの」が国民一人毎日お茶碗一杯分捨てている換算になります。それは、世界で食料を何らかの形で不足としている国への援助量に対して約2倍位、日本一国で出している状況。日本はちょっと衛生上気になることが多すぎたり何かあったら訴えられるんじゃないかと企業とか外食産業が思っていたり色んなもので縛られてしまってる所がありこれからそれを一つずつ変えていかないといけないと本当に思います。」
例えばアメリカでは余った食品を持ち帰ったり、生活に困っている人にシェアできるような仕組みが整っているけれど、日本はまだまだ、と文さんは指摘しています。食品ロス削減のために私たちがもっとできることはありそうですね。