高校生に大流行中のスマホアプリ「Zenly(ゼンリー)」について、1月27日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。
SNSが多様化してきている中、「ゼンリー」というアプリが、女子高生を中心に人気が高まっているようです。どんなアプリか、ITジャーナリストの鈴木朋子さんに伺いました。
★現在地を公開「ゼンリー」が高校生に流行
- ITジャーナリスト 鈴木朋子さん
- 「「ゼンリー」は、位置情報を繋がった人同士で24時間共有するアプリ。まず、アプリを入れて、自分の繋がりたい人同士でアカウントを繋がります。そうすると、地図上に相手の居場所がアイコンで表示されて、今、あなたはどこにいるのか、あの子はどこにいるのかっていうのがお互いに共有し続ける。」
「ゼンリー」は、位置情報を共有するスマホアプリ。アプリを開くと地図が現れて、アカウントが繋がっている友達の位置情報がピンポイントで表示されます。また、相手の携帯の電池残量や、どれくらい移動したか、移動速度までわかるそう。さらには使っていくうちにアプリがどんどん学習していくので、家の場所や学校の場所、職場の場所まで表示される機能もあります。
★高校生「待ち合わせに便利」
ただ、ここまで情報がわかってしまうと危ないのでは?と思ったので、若い世代はどのようにアプリを利用しているのか聞いてみました。
- ●「親しい人、数人としかやってない。集合が楽です。見た方が楽じゃないですか。ラインだと全員に聞いて、グループに聞いて、来られないのがあったりするから、絶対に来れるっていう人だけ。」
- ●「やっている。学校の友達と中学の友達。50人以上はいる。友達と待ち合わせの時とかに使う。どこにいる?って言っても場所がどこかわからないので、その子を目印に集合したりする。」
- ●「家族だけでやっている。母親が危ないからってことで家族全員入れさせられた。僕は見ないけど、母親に今どこにいるの?って情報知ってるくせに聞いてきて、違うこと言うとちょっと勘ぐられる。テストが近いけど、友達と遊びに行く時は、学校で位置情報を固定にして遊びに行く。今のところバレてないです。」
- ●「さっき、ゼンリー見て友達がいたので合流した。ゼンリーから電話をかけてどこにいるの?みたいな。久しぶりに会ったのでちょっと喋っただけ。」
渋谷にいた10代に聞いたところ、2人に1人が「知っている、又は使っている」と答えていて、やはり待ち合わせや道に迷ったときに使っている人が多い印象でした。
ゼンリーなら一目で相手の居場所がわかるので、メールやラインで連絡を取るよりも楽ということで、確実に近くにいて、確実に会えそうな人に連絡を取るのが便利なようです。
また、位置情報をごまかす機能もあり、今いる場所を知られたくないときは、自分の現在地をあいまいな場所に設定できたり、一定の場所に固定できたりもする。
このように色々な機能をうまく利用して、安全に位置情報を共有している人も多いようです。
★人間関係にヒビが入るケースも
しかし、話を聞いていると、やはりトラブルに巻き込まれてしまった人もいました。
- ●「ゼンリー見て会いに来たって言ってて、友達が。「怖!」ってなった。」
- ●「友達と遊ぶ時に、その子と遊びたくなくて違う子と遊ぼうとしていて、自分が遊べないんだごめんねって言って、他の子と遊んでたら、遊んでるじゃんって言われた。仲悪くなっちゃいました。」
- ●「好きな人と親友が一緒にいた。親友の女の子と遊ぶ約束をしていて、いきなりドタキャンされて、(位置情報を)止めたらどこにいるかわからないようになるんですけど、その人、男と遊ぶ時は絶対に止めるんですよ。だからちょっと怪しいなと思って、止められてない共通の友達にゼンリーをスクショしてもらって、好きな人のゼンリーと合わせてみたら、一緒にいたっていう。騙されてました。」
常に自分の位置情報を見られているので、嘘をつくとすぐにバレてしまい、トラブルの原因にもなりかねません。
位置共有アプリの中には「知り合いかもしれないユーザー(友達の友達など)」を表示する機能もあり、知らない人とも繋がってしまう危険性も…。
★自分の行動が筒抜けになる危険性
では、こうした位置共有アプリをどう扱えばいいのか。ITジャーナリストの鈴木さんは、位置情報の取り扱いについて最後に指摘してくれました。
- ITジャーナリスト 鈴木朋子さん
- 「家に確実にいるのがわかるってことは、いきなりピンポンって家に来られてしまう可能性もあるわけです。人間関係って変わっていくので、最初に繋がった時には仲がよかったのに、だんだん不穏な関係になってしまったりすると、急に来られて文句を言われるような危険性があると思います。自分のプライバシーが明かされてしまうので、うまく位置情報を隠すなどしないとちょっと危険だなと思います。」
街の高校生に聞くと、位置共有アプリを使う一番の理由は「待ち合わせに便利だから」という声が圧倒的でした。確かにそういった使い方もありますが、常に位置情報を流し続ける危険性を理解して、必要な時だけ情報を出すようにする使い方を覚えたほうが良いとお話していました。