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デザインで、ラジオで。医療情報、患者にどう伝える?

きょうは、「取っ付きにくい医療の情報をどう伝えるか」について、1月15日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。


実は、最近、薬局でもらえるフリーペーパーが、SNSで話題になっています。どんなものか、株式会社アイセイ薬局、コーポレートコミュニケーション部の、門田伊三男さんに伺いました。

★“取っ付きにくい”医療情報誌の表紙が話題

株式会社アイセイ薬局・コーポレートコミュニケーション部 門田伊三男さん
『ヘルスグラフィックマガジン』という冊子。アイセイ薬局が、年4回発行する、無料の健康情報冊子。最近は高血圧、熱中症、肩こり・腰痛など、いかにそのテーマを面白く伝えるか、クスッとする表紙。例えば乾燥肌の号は、メロンにフェイスパックが付いているビジュアル。実は発刊当初、こんな冊子は配れないという話が店舗でもあったようだが、つい手に取ってしまいたくなる仕掛けを作っている。
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森本毅郎スタンバイ!

乾燥肌号

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下痢・便秘号

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高血圧号

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高血圧号の中身1

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森本毅郎スタンバイ!

高血圧号の中身2

全国に360以上の店舗を持つ調剤薬局「アイセイ薬局」などに置かれているフリーペーパー。3、6、9、12月と、年4回、新しい号が発行されます。毎回一つテーマを決めて特集を組んでいるんですが、その表紙がとにかく奇抜なんです。

医療に関する雑誌というと、専門用語ばかりで堅い話が多いイメージで、なかなか手に取って読んでみようと思わない…。でも、これだとついつい手を伸ばしてしまうデザインなので、人気の号は在庫がなくなることもあるそうです。

★病院が“取っ付きにくい”!

一方で、“取っ付きにくい”といえば、病院そのものが取っ付きにくいと感じている方も少なくないのではないでしょうか。街の皆さんは、お医者さんとのコミュニケーションに溝を感じているのか、聞いてみました。

●「66。過去あった、整形外科。顔も見ないし、レントゲンとカルテだけ見てハイハイって感じ。
●「48。パソコンをずっと見てて顔を見ないのが不安。この人ロボットかな。
●「50代。基本、先生ってなんとなく怖い。頭も良いから、あまり馬鹿なこと言うと、コイツ何言ってんだろうと思ってるかも。
●「46。怖い。先生から強く言われると言いなりに。普段の顔見えない。
●「60代。相手に理解してもらおうというスタンスではない。専門家は分かるかもしれないけど、素人には暗号。それとカルテも、ドイツ語だか知らないけどあれ本当に書いてるのかな。

「特にギャップは感じない」という方もいましたが、中には、「わかるように説明してくれない。」「嫌がられるんじゃないかと思って質問できない。」「説明がぶっきらぼう。」「なんとなく高圧的」などなど、色んな意見がありました。

★日本初のホスピタルラジオが愛知で開局

そんな中、これらのギャップを解消するための、ちょっと変わった取り組みがある病院で始まっていました。病床数が日本一という大病院。愛知県にある、藤田医科大学病院・事務部総務室の中井英貴さんのお話。

藤田医科大学病院・事務部総務室 中井英貴さん
藤田医科大学病院内の限定の、インターネットラジオ。これは病院内の応接室に簡易スタジオを設置し、情報を発信。現在は2回放送。第1回目は病院長の話を放送したが、患者さんが直接病院長の声を聞いて、この病院でどのようなことをしていきたいのか、どのような思いで患者に治療を提供しているのか、直接聴けたのは新鮮だったようです。確かに、病院に入院してても、病院長の顔を見ることもないので、患者さんにとってすごく新鮮だったんだなと。
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森本毅郎スタンバイ!

「フジタイム」収録風景(プレスリリースより)

藤田医科大学病院のラジオなので、番組名は「フジタイム」。病院の中だけで聴けるインターネットラジオです。去年の12月から、2週間に1回のペースで、40〜60分間の番組を配信。患者は、院内にあるQRコードをスマホで読み込むだけで、24時間好きな時に放送を聞くことができます。

番組では、投稿内容の紹介、医療情報、ドクターの紹介など様々な企画が行われていますが、パーソナリティーからディレクター、ミキサーまで、すべて、病院を運営する藤田学園の職員がボランティアで運営しているそうです。病院内のラジオ「ホスピタルラジオ」はイギリス発祥と言われていて、現地では珍しくないそうですが、日本では今回のフジタイムが国内初の開局だそうです。

★パーソナリティーは看護師

ただ、リスナーが患者さんだからこそ、話す内容にも気をつかう部分があるようです。パーソナリティーの一人、看護師の鈴木朝子さんに伺いました。

藤田医科大学病院・看護師 鈴木朝子さん
お話する言葉一つ一つが、受け取られる側にどういう風に伝わるのかすごく考えて伝えなくてはいけないと思うので、今言った言葉が本当に良かったのかな、ちょっと違う風に受け止められるのではないかと、すごく気になる。病院で入院してる患者さんは食事の制限がある方も結構いるので、食べ物の話題を出すのはどうなんだろうとか、細かいところで色々考えます。

医療提供者の側も、情報の伝え方、相手の受け取り方を考えていく良いきっかけになるのではないかと仰っていました。最後に鈴木さんは、「たわいも無い話」こそ重要だと話してくれました。

★ラジオで深める、医療者と患者の信頼関係

藤田医科大学病院・看護師 鈴木朝子さん
医療者と患者は、上下の立場になってはいけない。やはり、医療者と患者側が近づいて信頼関係ができることで、より治療は上手く進んでいく。たわいも無い話をしたり、ラジオではあるが、普段の顔も見ることができると、もう少し、人として近づけるのではないか。

今のところ、喋り手は看護師さんやドクターが中心ですが、将来的には、医者や看護師以上に素の姿が見えづらい検査技師などの出演も検討していということでした。

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田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!


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