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(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)
7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」。本日7月3日(月)はレポーター阿部真澄が急増する『電話の音声ガイダンス詐欺』を取材しました!
![阿部真澄](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2016/01/sump_abemasumi-150x150.jpg)
現場にアタックレポーターの阿部真澄
★大手企業を名乗る音声ガイダンス詐欺が急増中!
ここ最近増えていると言われている電話の音声ガイダンス詐欺。見知らぬ電話番号から固定電話に着信があり、電話に出たり折り返すと、音声ガイダンスが流れ、指示通りに進めてしまうと詐欺にあってしまうというもの。大手企業の名前を使った怪しい電話が相次いでいるそうです。NTT東日本広報室 橋本隆史さんにお話を伺いました。
- 橋本隆史さん
- 「お客様からの申告によりますとNTT東日本を装い、電話料金を返還するので数字の9を押してくださいとの自動音声ガイダンスが流れて、そのガイダンスに従って9を押すと、電話口に出た人物がATMに誘導する。6月末時点で2,200件問い合わせがある。かかってくる電話番号は、非通知や050のIP電話や海外からの着信。我々の方からかけることはあるが、自動音声ガイダンスでかけることはない、そういった電話は切っていただくのが一番いい。」
NTT東日本では、ゴールデンウィークの終わりの5月6日に初めて問い合わせがあって、そこから2ヶ月しないうちに2,200件、音声ガイダンス詐欺と思われる電話があったと報告されています。音声ガイダンスで電話機の数字の9のボタンを押すように促され、実際に押してしまうと電話口に人が出てお金の振込みを指示されたり、電話料金を返還すると言って個人情報を聞かれるケースなどがあります。この音声ガイダンスは、非通知や050で始まるIP電話などからかかってきて、その電話に出るとすぐに音声ガイダンスが流れるというものです。
★固定電話・携帯電話ともにこんな音声ガイダンスには要注意!
警視庁には、固定電話だけでなく、携帯電話向けの音声ガイダンスを使った詐欺の報告があがっています。NTT東日本以外にも、郵便局を騙るものから身に覚えのない請求まで、音声ガイダンスも色んなパターンが存在しています。そのうちの一つの音声ガイダンスの例です。
- 音声ガイダンスの内容
- 「お客様名義のインターネット端末より、ご利用いただきました有料ウェブアプリコンテンツの債権回収の委任を受け、電話をさせて頂きました。料金の未払い状態が継続されているため、現在まで複数回にわたりお知らせいたしましたが、長期延滞中につき本日より、強制執行の準備期間に入らせて頂きます。お客様のご利用の状態を確認するため、次のガイダンスよりダイヤルをプッシュしてください。料金の確認は1を。強制執行の停止は2を押してください。」
内容を聞くと、まず、インターネットやスマートフォンのアプリのコンテンツ料金が回収できていないことを伝えられます。そして、長期間滞納しているので強制執行の準備期間に入ると続き、更に、お客様のご利用状況を確認するということで、電話機の番号を押させるという音声ガイダンスになっています。番号を押すと、人に繋がってお金の振込みなどを指示されます。
★なぜ今増えている?油断しやすい音声ガイダンスの罠
こうした音声ガイダンスを使った詐欺がなぜここへきて増加しているのか?詐欺商法・キャッチセールス評論家 多田文明さんにお話を伺いました。
- 多田文明さん
- 「普通私たちがコールセンターなどに電話した時も1番2番なんて押していくとちゃんとした企業だなと思う。そういったことが当たり前になってきている部分があって、電話がかかってきた時にちゃんとした企業だと思う。詐欺、悪質商法だと人間の声でかかってきたら警戒する。ところが自動電話は気軽に1番2番と押してしまう。」
宅配便の再配達をお願いするときにも音声ガイダンスが良く使われるように、私達の身近なところで使われていて日常的になっているというのも、音声ガイダンスが詐欺の手段に使われる要因の一つではないかということでした。また、無作為に着信を残してボタンを押した人だけに的を絞れるので、詐欺をする側にとって音声ガイダンスは効率がいいというのも理由としてあるそうです。
★音声ガイダンス詐欺から身を守る方法
- 多田文明さん
- 「音声ガイダンスの場合は一方的に、料金未納ですよとか有料コンテンツの未払いという風に言われるので、え?と思う。そうすると次々に畳み掛けて1番押しなさい、2番押しなさいという話があって、どっちかとりあえず押しちゃう。どちらを押しても業者につながる。そして今日中に金を払わないと裁判起こすとか。こうした詐欺業者は心理的に追い込むのがうまい。自動電話は機械的だがアクションを起こさないといけないと思い込んでしまうそうした効果があるのではないか。」
「インターネット端末」「ウェブアプリ」など、誰が聞いても心当たりがあるような文言を使い、更に『強制執行』という言葉で恐怖心をあおってボタンを押させる、そして電話口に出た人物が言葉巧みに騙すという手の込んだものになっているのです。では、こうした音声ガイダンス詐欺に引っかからないためにはどうすれば良いか?ポイントは3つあります。
- 音声ガイダンスの電話には出ない・折り返さない
- NTTや郵便局など大手企業を名乗っていれば、自分で番号を調べて掛ける
- ガイダンスの指示通りボタンを押さない
携帯電話の場合は、各キャリアが不審な電話番号をブロックしたり、スマホのアプリを使って不審な電話をブロックすることもできます。
怪しい音声ガイダンスの電話は徹底的に無視することが、詐欺被害防止に繋がります。
(取材・レポート:阿部真澄)
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