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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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最近注目される「興行中止保険」オリンピックの移転問題でも使える?

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ラグビーワールドカップでは、3試合が台風で中止となり、その損害は20憶円とも言われています。そんな中、今、改めて「興行中止保険」に注目が集まっています。10月21日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

 

最近注目された「興行中止保険」オリンピックのあの問題でも使える?http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20191021073417

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

まずは「興行中止保険」とはどういった保険なのか、損害保険ジャパン日本興亜株式会社の高橋正利さんに伺いました。

★イベントに特化した「興行中止保険」

損害保険ジャパン日本興亜株式会社 高橋正利さん
興行中止保険は、コンサートやスポーツ大会などが、台風などの悪天候、または交通機関の不通によって、観客の皆さんが来られないなど偶然の事由により、開催するイベントが中止になってしまった時に、主催者が支出している費用を保険金でお支払いする保険です。

森本毅郎スタンバイ!

興行中止保険は、イベントごとに作り上げるオーダーメイドの保険プラン。悪天候のみならず、地震やテロ、例えば海外アーティストが来日できなくなるといった出演不能リスクにも対応できるそうで、あらゆるリスクに備えることができます。昔からある保険ですが、近年、気象災害が増えていることもあり、改めて注目が集まり、保険会社の側もサービスを拡充しています。

この保険は掛け捨てタイプなので、イベントが中止にならない限りは、掛け金ははそのまま保険会社に入ります。さらに、リスクが高ければ高いほど保険料も高くなるので、屋内よりも屋外イベント、春先よりも台風シーズンの方が掛け金が高くなる仕組みで、保険会社も大損をしない仕組みになっているようです。

★手作りのフェスの強い味方

興行中止保険は、損保ジャパン日本興亜以外にも、三井住友海上や、東京海上日動火災保険など、大手保険会社の多くが扱っているそうですが、実際にある保険会社のサービスを利用したことのある、イベントの主催者に話を聞くことができました。

イベント主催者
一昨年から加入しました。野外で行う音楽の祭典なんですが、天候不順等で中止が考えられるので、そこまで実行された費用に関する支払い等に充てられる保険に加入しました。だいたい保険料が50万くらいで、保険金が1300〜1400万円ぐらいです。プロのイベント会社ではなく、有志のボランティアの実行委員会で行うフェスなので、資金力が元々ある訳ではない。保険料はかかるけど、中止になった時に払えないので、どうしても頼らざるをえないのが実情です。

フェスなどの中には、ボランティアでやっているような規模の小さなイベントも結構増えていますが、そうしたところは数十万円の保険料を捻出するのも厳しいとのこと。それでも中止になった時に、会場費や設営費、アーティストの出演料などを自腹でまかなうことはできないので、こうしたフェスの運営にも、こうした興行中止保険は強い味方のようです。

★五輪はIOCの推奨になっている

一方で、来年開催が予定されている一大イベントといえば、東京オリンピック・パラリンピック。こちらも様々なリスクが伴うことが予想されますが、こんな超大型イベントは保険に加入しているのか。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の伊藤学司さんに伺いました。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 伊藤学司さん
非常に大きな興行イベントなので、台風含めて様々なリスクを考えながら、万が一興行が中止になってしまった時は、損害が保険でしっかり保障されるよう、事前に保険に入っています。台風によって首都圏を中心に公共交通機関がすべて止まってしまったり、その他いろんな事故や、施設が直前に壊れてしまったとか、様々な場合で興行ができなくなる可能性があるので、チケットの払い戻しを含めた額の費用がかかります。けれども、そうした場合は保険の方で幅広く様々な事案に対応できるように保険に入っています。実はオリンピック・パラリンピックについては保険にしっかり入るようにというのが、IOCとか日本で行う大会以外であっても、保険に入って備えるようにというのは一つの基準になっているので、そういうことも踏まえて対応しています。

森本毅郎スタンバイ!

IOCの推奨で、東京オリンピック・パラリンピックも興行中止保険に加入しているそうです。保証内容は、開会式から閉会式まで、オリンピック・パラリンピック全体を通してのようです。

★マラソンの会場変更に伴う費用は・・・

ここで気になるのが、先週突然話題に上がった、マラソン・競歩の会場変更。競技時間を早めたり、道路の舗装整備をしたりと真夏の東京で開催できるよう300憶円かけて準備が進められていたと伝えられていますが、この会場変更に伴い増える追加費用については、果たして保険が適用されるのか、伊藤さんに聞いてみました。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 伊藤学司さん
仮に会場が変わることになって払い戻しになったら、それは保険とは別の話で、「主催者の都合」で会場を変えるということになります。もう一方で新しい会場でお客さんがたくさん入るような会場になれば、そこで収入も入ってくるので、必ずしも損害というのはちょっと違います。スポーツイベントができないような暑さが来たら、場合によったら自然災害になるかもしれないけど

正式に会場決定するのは、今月30日以降になりそうですが、もし札幌に移転することになっても、それは主催者都合の変更で、保険の対象外でした・・・。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!


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