大型連休、まだまだ続いている人も多いと思いますが・・・そんな大型連休に、2つのキーワードとなる、ある「消費行動」が起きていることがわかってきましたので調べてきました。5月5日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
まず1つめはこんな消費行動。楽天市場を運営する「楽天株式会社」の瀬川萌衣さんのお話です。
★連休中の消費行動①「フライング母の日」
- 「楽天株式会社」瀬川萌衣さん
- 「母の日消費は、実は毎年早期化傾向にあります。そこで、弊社の「楽天市場」の中での母の日関連の売り上げが非常に速いタイミングから売れています。今年はとくにゴールデンウィークが長期になりますので、ゴールデンウィーク前に商品を買って帰省をする人が増えると予想しています。母の日って、一般的に5月に入ってから数日前にお母さんにしっかり届くように買う人が多いと思いますが、早め早めに準備をする方が増える現象を弊社ではフライング母の日と呼んでます。」
今年の母の日は「5月12日」でまだ10日後なんですが・・・この大型連休中に済ませてしまおうと「フライング」して母の日関連の売り上げが楽天市場では伸びているんです。これをフライング母の日消費と呼んでいるんだそうです。買って、しかもプレゼントまでをこの連休中に「済ませて」しまいたい、そんな心理なんだそうです。
この1つ目のキーワード「フライング母の日消費」。では、どんなものが売れているのか、もう少し調べてみると、いま、母の日関連では、こんなものが人気になっていたんです。株式会社高島屋の山下義隆さんのお話です。
★母の日のトレンド商品は「母の日おせち」
- 株式会社高島屋の山下義隆さん
- 「私どもの高島屋のオンラインサイトでは、母の日の「御祝膳」であるとか、おせち風の「母の日御膳」の商品を豊富に取り揃えていて、20商品ほど販売しています。おせちでも、よく具材として取り扱いしている「クワイ」とか「伊達巻」とか、「紅白のなます」とか、一般的に好まれる「イモ・タコ・なんきん」と言われる煮物類が入っています。」
お正月のお重に入ったおせち料理の「母の日」バージョン!高島屋では、ネット限定で3月くらいから売れていて、人気なんです。価格帯は3千円台~で、3段お重クラスの3万円台など、幅広いラインナップが登場しています。
同じような商品は、楽天市場でもずばり「母の日おせち」という名前で販売しています。こちらもすでに相当な数が売れているということなんです。
つまり、今年の「フライング母の日消費」のトレンドは「母の日おせち」。興味ある方はどちらもまだ、ネット販売していますのでチェック!
でも、母の日と言えば「カーネーション」などの定番も人気なんですが、なぜ最近「母の日おせち」市場が台頭してきたのか理由を街で調査してきました!すると、見えてきたのは、こんな事情だったんです!
★母の日おせち人気の理由は「嫁姑問題の負担軽減」!?
- 女性1
- 「義理の実家は、気を遣う部分もあって、連休にゆっくりできない気持ちもある。適度にお互い距離を保っているような・・・」
- 女性2
- 「キッチンは自分の基地みたいな状態。その人が使いやすくなっているから、義母とも違うしみたいな。だから義母が、好きなものをセレクトしたもので用意しておけば、母も作る手間もないし、お互い負担もないし、良い。」
- 女性3
- 「カーネーションも、ネタもつきるし困る、何にしようというときに良い。おせちになってて、そしたら話のネタ的にも今これが流行りなんですよ!って言いながらお互い良いと思います。気を遣うことなく、お母さんもごはんの準備が1回減り、こちらもお手伝いも減り、プレゼントにもなり・・・嫁姑問題っていうか、何を作ったらいいかメニュー考えるのも大変だし、お互いの好みを考えるのが大変でめんどくさいので、良いものを持って行って、自分も食べれるしすごくいい、なんか、義理の実家の帰省も少し気が楽になる」
母の日のこれまでの裏テーマに「手料理問題」があったんです。これを、「母の日おせち」と称して、さも高級な料理を「プレゼント」して、持っていけば、サプライズにもなるし、手料理問題も解消するし、まさに「義理の実家の帰省が少し楽になる」・・・生々しい実態が見えてきました!
そんな「嫁姑問題」などが潜む「母の日のフライング消費」でしたが・・・もうひとつ注目したい消費行動は、ちょっと、嬉しくない消費事情というか・・・今年の大型連休ならではの「切実な消費」も見えてきました。
★大型連休、休めない女性の切実な「買いだめ消費」!
- 女性1
- 「広告代理店に勤めています。世間的に休みの日の方が、イベントあちこち行われてるので、夫が休みで、私がお仕事で・・・買いだめして置いておきます。豆乳とか、パンもその辺のスーパーのパンじゃなくて、パン屋さんの大量生産されてないパンを買いだめておく・・・勝手にやれって感じ」
- 女性2
- 「仕事、ずっと仕事、医療系で、大型連休、関係ないですね・・・(自分が働いているのに旦那が休みってどう思う?)別に・・・買いだめしておいて、自分で食べてって・・・レトルトとか、冷凍食品とかカップラーメン大量に買っちゃいます。まとめて日数分は置いてあげとく。」
- 女性3
- 「ゴールデンウィークは、私がフルに仕事で旦那が休み。ご飯を考えると、私がいない間の夫は何を買ったらいいかわからないので買って置く。レトルトとかすぐ食べれるものとか・・・最初3日分を買いだめし、途中で補充して、また私が買いに行き、3日、3日、3日で10日をしのぐ・・・不公平だと思うんですけど・・・」
2つ目の消費は切実な「買いだめ消費」の実態でした。
旦那さんが連休ずっと休みで、奥さんが働きっぱなしの人も多い。そうなると、旦那さんの中には自分でご飯を作らない人も多く、奥さんがレトルトを買いだめしておくそうです。実際、楽天市場でも今年3月時点で、販売額は前の年の同じ月に比べて、すでに9・4倍まで、レトルト食品がバカ売れしているということで・・・
喜んでばかりもいられない、切実な連休事情も消費行動から見えてきました。