忙しい朝でもニュースがわかる「森本毅郎・スタンバイ!」
(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)
7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」。本日3月18日(月)はレポーター阿部真澄が『認知症サポーター』をテーマに取材しました!
現場にアタックレポーター:阿部真澄 TBSラジオキャスター。 好きな飲み物:ビール!最近は海外のビールにハマっています。 |
★各地で広がる「認知症サポーター」養成講座を受けてみた
認知症の患者さんを家族だけでなく、地域で見守ろう!という動きが広がり、全国各地で「認知症サポーター」養成講座が開催されています。昨日渋谷区で開催された認知症サポーター養成講座を取材してきました。講師の地域包括センターパール 早川敏雅さんによる、講座の一部をご紹介します。
- 早川敏雅看護士
- 「私たちは、認知症の人の行動を、徘徊・暴力・失禁・不潔行為など一言で片づけてしまいがちです。しかしこういった行動を一つずつ見ていくと、道が分からないから徘徊をする。周りの人の言う事を理解できないから暴言を吐く。トイレがどこにあるのか分からないから失禁をしてしまうなど、不安・焦燥感から来るものだと理解できます。認知症サポーターとは、特別なことをやる人ではありません。認知症を正しく理解して、偏見を持たず、認知症の方や家族を暖かく見守る応援者・サポーターなのです。」
認知症サポーター養成講座では、認知症の基礎知識を1時間半の座学で教わります。それだけでもう、「認知症サポーター」を名乗ることができます。その証として、手首につける「オレンジリング」をもらいました。これで私も「認知症サポーター」です。
写真:オレンジリング
サポーターは地域の見守り活動に参加するなどの義務はなく、認知症と思しき人を見かけたら手助けするくらいの心構えがあればOK。
この認知症サポーター養成講座は、国の新オレンジプランのもと全国的に行われていて、サポーターは既に710万人以上います。昨日、渋谷区の講座を受けた皆さんに参加した理由を聞きました。
★認知症サポーターになろうと思ったのは何故?
- (69歳男性)会社勤めが一段落してきたから、家族も元気でその間に認知症について基本的な知識を知りたかったというのが今日来た理由です。
- (70代夫婦)どちらかがなったらどちらかがサポートしないといけないから、お互いに知識を知っておいたほうがいいかと。
- (50代男性)私の妻の親が認知症。抑制しないという考え方。そこがすごく参考になったので生かしていきたいなと思います。
- (81歳男性)今その仕事してるんです。見守り、老人の独居の方の。同じ話ばかりするとつい嫌になってね。反省しました。相手の人の尊厳を重んじるとか
今後のためにという方もいれば、今現在介護をしている方もいらっしゃいました。渋谷区民対象の講座は月2回、その他、警察、デパート、銀行や企業などへの出前講座も今年度だけで50回以上開催しています。
★活躍する認知症サポーター
実際に認知症サポーターになって生活で役立ったという方のお話も伺いました。2年前に認知症サポーターとなった、看護士の中島珠子さんのお話です。
- 中島珠子さん
- 「街の中、近所で、その方はご高齢の方だったんですけど、郵便局か何かに用事を足しに行ったらしいんですけれど、お家に帰れなくなっちゃってるような風で、何かちょっと行ったりきたりして歩いてて、情報はあったので私は、もしかしたらお家分からなくなっちゃったのかなという感じで、ちょっと声をかけて、そしてお家までお連れしたということはあります。ただいきなり話しかければいいというものでもないし、それはいろんな所で活かせてると思いますね。」
街中で不安そうにしている人がいたら、まずさりげなく様子を見守り、そして声かけをするときは正面から。驚かせないようにすることが大切だそうです。また、中島さんは認知症の方たちが予め地域の顔なじみになっていれば手助けもしやすいということもあり、認知症支援カフェ「たんぽぽカフェ」を月1回開催しています。こういった認知症の方がお友達を増やせるような場も今増えてきています。
★「認知症患者の見守りは家族だけでなく、地域でも」
認知症サポーターの中島さんも自身の経験をもとに、「認知症の見守りは家族だけでは無理。近所の助けは絶対必要」とおっしゃっていましたが、その取り組みを強化するため、渋谷区では次の展開を考えています。渋谷区役所福祉部・高齢者サービス課 福本泰則さんのお話です。
- 福本泰則さん
- 「認知症サポーター養成講座を受けてくれる方は、福祉に関心が高い方が非常に多い。今までは受けたら受けっぱなしというところがあったが、例えばボランティアセンターの紹介を行ったり、スキルアップを図りたい方については、認知症高齢者への声掛けの訓練をしていただいて。あとは若年層に対しての普及・啓発も欠かせないというところがあるので、渋谷区においては区立の全中学校を対象に「認知症サポーター養成講座」を受講してもらって、地域全体で認知症の方を見守って支えられるようなコミュニティを作っていくというのが最終的な目標になります。」
写真:(左から)福本さん 中島さん
渋谷区の中学生向け講座は今年10月に開始予定です。他の自治体も、小学生対象など認知症サポーターを増やす取り組みが増えています。
これから高齢化が進むにつれ、認知症の患者さんに出会う機会もあるかと思います。その時にどうやって対応すればいいのか、認知症に対しての理解を深めるためにも、講座に参加してみてはいかがでしょうか?
(取材・レポート:阿部真澄)
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