全面禁煙のお店も増え喫煙場所が減ったいま、肩身の狭い思いをしている愛煙家も多いと思いますが、そんな中、「移動型」の喫煙所がいろいろ登場しています。3月4日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。
まずは、先月末に千代田区が設置した新たな喫煙所について、千代田区・安全生活課の末次健次さんのお話。
★動く喫煙所「喫煙トレーラー」
- 千代田区・安全生活課 末次健次さん
- 「「喫煙トレーラー」は、トレーラーハウスを改良した密閉型の喫煙所。もともと車両扱いでナンバーも付いていて、牽引する車があれば移動もできる。千代田区は地域の方に喫煙所をやってもらい、補助することで広げていた。ただ、近隣の了解を得るのも大変なので、移動できるタイプであれば理解を得られると思った。」
「喫煙トレーラー」は、トラックのコンテナ部分を改良した屋内喫煙所。コンテナ内には大型灰皿が2台あり、その他照明、空気清浄器、エアコンなど、建物内の喫煙所と遜色ない設備が完備されています。
★ここなら傘をささなくても…
実際に、「喫煙トレーラー」でタバコを吸っている人に、利用した感想を伺いました。
- ●「とても使いやすく過ごしやすい。でかい空気清浄機に暖房が付いてるのも珍しい。傘を差さずに吸えるのも大きい。」
- ●「この辺りは喫煙所が少なく、ここから歩いて5分の勤め先は禁煙。取引先に行ったの帰りに立ち寄った。」
- ●「立派だし周りに気を使わないで良い。屋外は肩身が狭いし、吸わない人は苦痛だろうし。」
利用者からは歓迎の声多数。ただし見た目は普通の喫煙所なので、移動可能なコンテナであることを知っている人は、ほとんどいませんでした。
★バスを改造「分煙マナーバス」
一方、千代田区とは違った移動可能な喫煙所について。開発した、静岡県などで中古車買い取り事業を展開するビッグウェーブ・ホールディングスの内藤晃広さんのお話。
- ビッグウェーブ・ホールディングス 内藤晃広さん
- 「「分煙マナーバス」は、灰皿が13個ついて、煙浄化システムでクリーンな空気を排出。従来のイベントでは、煙がモクモク出るようなテント下の“青空喫煙所”が多かったけど、こうしたバスで分煙した方が良いと思って作った。」
バス自体に蓄電機能やソーラーパネルがあるので、バスを動かす時以外はエンジンをかける必要はありません。去年10月に完成し、静岡市で行われた園芸イベントに有料で貸し出しした実績もあります。料金は、1時間1万円・最低6時間〜利用できるということです。
★特殊な灰皿を開発
そして、「分煙マナーバス」に設置されている灰皿にも秘密があるようです。再び内藤さんのお話。
- ビッグウェーブ・ホールディングス 内藤晃広さん
- 「自動消火が出来る灰皿で、今までは水で消火することが多かったが、水を使わず火が付いたまま入れても消えるようになっている。タバコに使った水は良い物ではないので、環境に配慮した。静岡県や愛知県の企業8社の、色々な技術を持ち寄って作りました。」
独自の技術を持った企業が集まって作られた「無水式灰皿」は、分煙はもちろん環境への配慮もあり、自治体や企業のイベントからの出動依頼も増えているようです。
★災害時の活躍も期待
「分煙マナーバス」の可能性について、最後にこんな思いを聞かせてくれました。
- ビッグウェーブ・ホールディングス 内藤晃広さん
- 「バッテリーを搭載しているので、地震などで停電したら駆け付けられる。携帯だと5000台くらい容量があるので、携帯を充電したり、赤ちゃんのミルクポッドにも使ってもらえる。作っていくうちに何か他にも役に立てないかと考えた。」
災害時の「非常電源車」としても役割を担う「分煙マナーバス」は、今後県外にも出張する機会が増えそうです。