今、ウインナーが大きく変わろうとしています。あの「禁じ手」が解禁になるそうなんです。2月27日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」でリポーターの竹内紫麻が取材報告しました。
まずはウインナーの「禁じ手」解禁とはどういう話なのか。日本ハムの比恵島裕美さんのお話です。
★ウインナーの禁じ手を解禁した日本ハム
- 日本ハム 比恵島裕美さん
- 「私たち日本ハムの「シャウエッセン」では、これまで一貫してボイル調理を推奨してたんですが、この度35年目にして初めてレンジ調理を解禁しました。手のひらを返させて頂きました。弊社にお客様から電子レンジ調理に関してお問い合わせをここ10年で約3倍以上に頂いていた実態に加えて、単身者や共働き世帯の増加から時短ニーズが非常に増えているというところから解禁に踏み切っています。今回、商品自体の製造工程をかえたという事はなく、調理ニーズに応じてレンジもできますという発信をしております。何を持って「シャウエッセン」かというところでパリッとした美味しさに全力を尽くしていたので、それをメーカーとしてはオススメすべきって事でボイル調理をオススメしていたのですが、そういうせめぎ合いの中、ただやっぱりお客様のニーズが高かったことから、今回踏み切った状況です。」
今までウインナーのレンジ調理は皮が破裂する恐れがある事から、レンジはバツ、禁止が基本でした。ただ日本ハムでは時間の短縮でレンジ調理したい声が高まったため、皮が破裂せずレンジ調理は可能か何百回もテストを重ね、何ワット何分なら何本ならOKって事を袋に書いて解禁したって話なんです。
シャウエッセンでは、普通のシャウエッセンと新発売した辛いチョリソー味で2月から注意書きを始めていて、レンジ調理だと中のうまみと脂が外に出ないので濃厚に食べられるメリットもあるそう。
ただ、このレンジ解禁の動き、決して日本ハムだけじゃないんです。こちらも大手プリマハムの長澤貴章さんに聞きました。
★プリマハムも禁じ手解禁
- プリマハム 長澤貴章さん
- 「プリマハムでは今年の4月1日より「香薫あらびきポーク」のレンジ対応商品を発売します。こちらの商品の特徴は、プリマハムの主力商品「香薫あらびきポーク」をトレーのまま、レンジにかけてお召しいただける商品になっております。やはり電子レンジというのは、ほとんどの世帯で所持されていることがひとつ、で、共働き世帯の増加だったり、そういったところも含めて、時短であるとかキーワードが今後大切になるだろうという事で、プリマハムとしても、流れにのってレンジ調理できるウインナーを発売しようと考えました。他社さんも含め、考え所は似た所があって、レンジは業界全体でキーワードになると思います。」
レンジは多くの世帯が持ってる調理機器だけに、これからはレンジに対応しない手はないという事で、プリマハムでも、主力商品の香薫あらびきポークをレンジ対応のトレーに入れて、そのままレンジにかけられる新しい商品をこの春から発売するそうです。「皿に移しかえずトレーのままOK」というのが特徴で、家でひとり晩酌する際のおつまみとしても簡単に調理できることから、そういった層にもピッタリだとおっしゃっていました。
★街の声は焼く?煮る?チンする?
こうしてレンジ調理の解禁によっていま新たな盛り上がりをみせてきているウインナー業界ですが、そもそも街のみなさんはウインナーの調理はどうしているのか、みなさん「焼く」のか「ボイル」するのか、はたまた「チン」なのか、3択で聞いてみました。
- ●「レンジでチン派です。簡単ですし、別にお湯とかも沸かさなくて済むし、押すだけなので。」
- ●「焦げた感じが好きなので焼く派です。子供が大きくなってお弁当も作る機会がない。なので普段食べるのでレンジでチンはあんまり。」
- ●「ボイル派です。チーズフォンデュとかでボイルしたの食べるとうまみが出ている感じがして、おいしいので。チンするなんて聞いたことないです。」
- ●「ボイル派です。電子レンジでやると短時間でできるって言うけど、実際やってみたら破裂しそうになっていて怖かった。ウインナーはちょっとね。」
時短のために前からチンしていたというチン派も少数ながらいました。一方で、チンは怖いなど慎重な声も多く、時間をかけても焦げ目をつけたくて焼いたり、目に見えるのでゆでた方が良いボイル派が大勢でした。
こうした中、焼くでも、ボイルでも、チンでもない、第4のウインナーで勝負に出る動きもあるんです。米久の朝比奈裕美さんのお話です。
★米久は「温めないウインナー」!
- 米久の朝比奈裕美さん
- 「米久は春に、温めないウインナー、「オリーブオイル仕立てハーブウインナー」を新発売します。パッケージに温めないウインナーと書いてありますが、鍋もフライパンもレンジも使いません。温めないでそのままというのが、このウインナーの一番おいしい食べ方なんです。つまり、調理時間ゼロ秒のウインナーです。食に対しては、簡単で便利な事ですとか、健康志向のニーズが高まっております。忙しい朝や時間のない時にでも、手軽に食べられるウインナーを作ろうという事で、約1年かけて米久が開発したのがこちらの商品になります。いままでにない新感覚のウインナーかなぁと思います。」
ウインナーといえば、鍋でボイルする、フライパンで焼く、レンジでチンするの3択ですが、そのどれでもなく、そのまま食べるのが一番という「温めないウインナー」だそうです。このウインナーは原料が国産の鶏肉で、一般的なウインナには豚の脂肪が配合されているところをエクストラバージンオリーブオイルを配合し、あっさり健康志向にも訴えて勝負、ということでした。