今月に入って御徒町駅周辺の商店街で行われている「まちゼミ」について、2月4日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。
まずは今回の「まちゼミ」を主宰する、台東区の産業振興課・商店街担当係長の八幡克典さんに詳しいお話を伺いました。
★先生は街のお店!「まちゼミ」とは
- 台東区 産業振興課・商店街担当係長 八幡克典さん
- 「いま、街の商店さんが売り上げや集客で大型店の進出で苦しくなっている現状がある中で、店主さんたちが自分の店の魅力などを直接お客さんに語りかけることで、新たな集客や将来的に売り上げに繋げる為に全国的に広まっている街の取り組み。今回は御徒町の3つの商店街を中心に行われ、講師は店主さんの無料の講義になっている。」
「まちゼミ」の正式名称は、「得するまちのゼミナール」。商店街の活性化事業の一環として、全国的に開催されています。
そして、今月から御徒町駅周辺で行われている「まちゼミ」は、台東区の呼び掛けに賛同した三つの商店街が参加。末広会商店街、鳥越本通り商盛会(通称、おかず横丁)、佐竹商店街の3つの商店街にある10店舗が参加して、23のゼミ(講義)が行われるそうです。
ゼミのラインナップも様々で、天ぷら屋さんが開催する「二日目の天ぷらがおいしくなるレシピ教えます」という講座や、仏具屋さんの「知っておいて損はなし!「良いお仏壇とは?」」など、各店舗が趣向を凝らした内容となっています。
★廃れゆく商店街の復活を願う
そこで、今月中旬にゼミの開催を予定している末広会商店街にある創業100年以上の老舗「ふくはら酒店」の店主・福原敏昭さんに、ゼミの開催に向けた意気込みを聞いてみました。
- 「ふくはら酒店」店主 福原敏昭さん
- 「うちの店は日本酒の取り扱いが多いので、「愉快な日本酒利き酒入門」と「初心者でも簡単!日本酒選びのコツ」という2つのゼミをやる。飲まなきゃ分からないしウンチクを言ってもしょうがないので、両方とも飲んでもらう。私はここの商店街の会長を務めていますが、商店街と言ってもお店が6つで昔からさびれまくっている。人が集まると盛り上がるので参加する事にしました。」
今回の「まちゼミ」に参加するお店の方々は同じような思いがあるようですが、すでに募集人数に達してしまったゼミもあり、参加人数を若干増やしたりゼミの開催数を増やすなど、検討しているお店もあるようです。
★知識・裏技・コツ…なんでも聞けます
そうした中、鳥越本通り商盛会の「魚米(うおよね)商店」で、2月2日(土)に開催されたゼミ「魚屋の店主直伝!上手な魚の選び方」に参加してきました。参加者の感想です。
- ●「凄い面白かった。いつもスーパーだけど、お店を利用すると色々と教えてもらえるなと。」
- ●「魚の見分け方だけじゃなくて、魚を楽しむポイントを教えてくれたのが良かった。」
- ●「「美味しい物を食べている魚屋の魚を選べ」というのが印象的だった。」
- ●「魚が大好きなので、同じお金を払うなら少しでも良いものを買いたいと思って参加した。こんなに美味しい試食も用意されていてお得でした。コハダ、マグロ、ギンダラの味噌漬け、全部美味しかった。」
30分ほどあったゼミでは、新鮮な切り身の見分け方や、国産ハマグリと中国産ハマグリの見分け方を実物と共に教えてくれたり、さらに試食あり、質疑応答ありと盛りだくさんの内容で、参加者の方々もとても喜んでいました。
★古き良き“商い”の姿が、まちゼミで蘇る
今回、「魚米」の講座の開催は一回限りということですが、5代目店主の横山欣司さん、かなり手応えを感じているようでした。
- 「魚米」5代目店主 横山欣司さん
- 「正直に言うとこんなに集まるとは思わなかった。私の拙い話でも頷いて聞いてくれたし、思ったよりも質問も出て張り合いがあった。興味を抱いてもらうのが取っ掛かりだし、下町に住んでいるので商店街が無くなっていく寂しさもある。横丁文化が残って欲しいし、人が集まるのは良い。今回は一回目のまちゼミなので、うちの参加は一回にしたが、次回からは二回・三回と頑張りたい。」
横山さんは、定期的に「まちゼミ」を開催する事で参加する店舗も増やして商店街を盛り上げていきたいと話していました。台東区としても、第2弾に前向きなようでした。