今、東京都北区赤羽が盛り上がっています。というのも、住宅ローン専門金融機関・アルヒ株式会社が発表した「本当に住みやすい街大賞2019」で赤羽が1位に選ばれたんです。一体なぜ?「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)「現場にアタック」で、レポーター真野淑實(まのよしみ)が取材報告しました。
★交通が発達、買い物も便利。庶民性も魅力
まずは赤羽在住の皆さんに「本当に住みやすい街大賞」1位に選ばれた感想や、なぜ赤羽が住みやすいのか、聞きました。
- ●50年近く住んでるけど大分変りましたね。電車も埼京線じゃなくて、赤羽と池袋の間だけの電車だった。だから、すごく変わりましたね。デパートもあるしね。
- ●物価も安いし、小学校とか飲み屋とかコンパクトにまとまってて、これだけ有名になっていろんな人がいらっしゃってる。いつも行ってる店が行けなかったり、そういう状況にもあるかなって気がするんですけど。
- ●小6です。なんか意外な感じ。もっと静かで大人な街のほうが住みやすいイメージが強い。地域の祭り行事が多い。他の地域から来ても入りやすい。
取材して特にびっくりしたのが、飲み屋街。夕方4時頃に行ったらすでに飲んでいる人が多く、5時台には2軒目へというグループも多かったです。また、電車は6つの路線が通っていて通勤もしやすかったり、買い物も駅周辺に大型スーパーなどがあり、しかも物価が安いという声も多かったです。おととしには東洋大学の新しいキャンパスができてさらに賑わっています。「本当に住みやすい街大賞2019」のホームページでは『利便性が良く庶民性もあるNEXT吉祥寺にふさわしい街』と紹介されています。
★子育てしやすい街、赤羽!
さらに話を聞いていくと、子育て層からはこんな反応が。
- ●去年の8月から、子育ての支援がいいと聞いたので思い切って越してみようかなと。1歳2か月。これから医療費が無料ということで。
- ●私は30代、息子は5か月。まだ保育園入れてないんですけど、保育園の数が多いので、通えるところに数があって待機児童が少ないのがいいところ
- ●30代後半、子供は5歳と3歳。児童館とか子供の施設が他の区より多いと聞くので便利だと思います。
子供連れの方に話を聞くと、ここ数年で赤羽に引っ越したという人が多かったです。北区は「子育てするなら北区が一番」と掲げていて、例えば入院医療費を高校3年生まで助成する制度があったり、保育園の整備が進んでいて待機児童が少なかったり。あとは公園も多いなど子供と一緒に遊べる場所も充実しています。お父さんからはやはり飲み屋が沢山あって嬉しいという声がありました。
★赤羽は飲み屋が多すぎる!?
赤羽に長年住んでいる人からは、ちょっとネガティブな意見もありました。
- ●商店街のお店がずいぶん無くなった。もっといっぱいあった。豆腐屋さんなんか全部なくなっちゃった。
- ●昭和37年から、50年以上住んでいる。通りが全然変わった。昔からやっている果物屋さん、帽子屋さんは何軒もない。私たちが嫁に来たときは一番街に買い物に行くのが楽しかった。洋服屋さんが多かった。今はみんな居酒屋。朝から飲んでる。だから嫌ですそういうこと。
赤羽の一番街を出てすぐの所にある「赤羽一番街商店街」。個性的な居酒屋が多くてすごく賑わっているのですが、昔は果物屋さん、洋服屋さん、豆腐屋さんなど昔ながらのお店もあったのに、ほとんどが居酒屋になってしまったという声もありました。
★「一番街の生き残り」老舗時計屋は・・・
なぜ、商店街が居酒屋ばかりになってしまったのか。創業大正9年の老舗の時計屋さん、生まれも育ちも赤羽という三賞堂時計店の店主に聞きました。
- 「三賞堂時計店」店主
- 要するに飲み屋街、飲食になったでしょ。家賃のがいいんだ今。高い家賃払って商売やるには物品販売じゃ無理だから。結局は飲食が入ってきてるわけ。幸いこの辺は駅から近いから、立地条件がいいからそういうこともできる。今この商店街で物を売ってるのは5件ぐらいしかない。それは寂しいよね、商店街じゃないじゃん。しょうがないよそりゃ、時代で。貸しちゃったほうがラクなんだけどね。貸すとつまんないよな、と思うんだけど。
一番街商店街をぐるっと回ってみると、居酒屋が立ち並ぶ中で昔からやっているような呉服屋さん、薬屋さん、八百屋さん、化粧品店などがあり、時計屋さんのお話をふまえると、これらのお店は、お店を貸したほうがラクだけど昔からのお客さんのために頑張っている。昔ながら街を維持することがいかに大変か、ということを今回の取材を通じて実感しました。

真野淑實が「現場にアタック」でリポートしました!