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忙しい朝でもニュースがわかる「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」。6月21日(火)はレポーター近堂かおりが『バングラデシュ人が英EU離脱・残留に熱い視線?』をテーマに取材しました!
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現場にアタックレポーターの近堂かおり
イギリスがEUを離脱するかどうかの国民投票が今週。ここに来て残留派が勢いを盛り返すなど、注目が高まっていますが、イギリス人に負けないぐらい熱い視線を送っているのがバングラデシュの人たちだ・・・というので、きのう東京でバングラデシュ人の方に聞いてみました。
★なぜ注目?それはカレー!!
- もちろん気になってるよ、私ずっと。なぜなら私の友だち、たくさんイングリッシュに行っている。仕事にも関係ある、生活にも関係ある、どこ見ても関係ある。
- バングラの仲のいい人、あと私の田舎の友だち、ダッカの友だち、イングランドで働いてる。自分のレストランもある。いっぱいあるよ、いっぱいある。
- みんな注目してます。日本だけじゃなく特に我々なんかドキドキしてますから、眠れない状況で、ホントですよ。
確かにバングラデシュの人たちは非常に注目していました。実は、イギリスのカレー業界で働くバングラデシュの人たちが、こぞってイギリスのEU離脱を支持していると、海外メディアで報じられていた。というのも、実は、イギリス人にとってカレーは国民的人気メニュー。いわば国民食。
バングラデシュはかつてイギリスの植民地だったこともあって今もたくさんのバングラデシュ人がイギリスで働いている。特にイギリスのカレーハウスでは、およそ15万人のバングラデシュ人が働いてあり、業界の年間総売上げはおよそ45億ポンド(8千億円以上)ということでイギリス経済の重要な部分を占めている。ところが今イギリスには、EU域内からたくさんの移民が押し寄せている。そのせいでEU域外からの移民労働者の受け入れが制限され、バングラデシュ人の熟練シェフの後継ぎがなかなか入れなくなっているので、EUを離脱して独自のルールができれば、今よりも緩和されるのでは?という期待がある、ということなのですが・・・私たちも、日本でカレー店を経営しているバングラデシュ人の方にお話を伺ってみました。まずは都内で複数のお店のオーナーを務めるラフマンさんのお話。
★あなたは離脱派?残留派?
- ラフマンさん
- 外から見ると、「いっぱい人(移民)が来たら仕事なくなっちゃう、そうしたらEUに入ってないほうがいいでしょ・・・」。これ普通の一般の人が考える。でも、たくさんの国の人が増えることはお客さんも増えるでしょ。お店も増えるでしょ、仕事も増えるでしょ。最初はもちろんちょっと難しいことがあるかもしれないけど、ただバングラデシュの料理はみんなできないよ。だから本当は今、足りないの。シェフは足りないの。だからバングラデシュからシェフをたくさんほしくなるでしょ。
ラフマンさん曰く、今はEU内の移民がどっとイギリスにも流れ込んでくるため、バングラデシュのカレーシェフたちは危機感を募らせるが、実はバングラデシュの独特のカレーはバングラデシュ人のシェフでないと作れない、伝統なので、仕事をとられる心配はないだろう。むしろEUを離脱するとイギリスの経済は悪い方向に行くのではないか、とラフマンさんは考えていて、現地のバングラデシュ人オーナーにもEU残留派は少なくないよということです。
もう一人別のバングラデシュ人の方にもお話を聞いてみました。日本に来て30年、都内でカレー店などを経営する橋本羅名(ラナ)さんのお話。
- 橋本羅名さん
- イギリスは、コックさんが歳をとって引退した後にそのカレーをどうするかって、そこまで考えていないから。とにかくどう見てもEUからイギリスが離脱すると、経済は良くならないし、バングラデシュからコックさんを受け入れやすくなるということはないんですよ。
ラナさんも残留派。理由はやはり、先ほどのラフマンさんと同様、EU内の移民がイギリスに流れ込んでも彼らはバングラデシュ人シェフを脅かす存在にはならないから、ということ。そのぐらいバングラデシュのカレーはほかの人には作れないという自負があるということ。そしてラナさんは、それでもEUから離脱するというなら、バングラデシュのシェフは経済的に魅力がなくなったイギリスからいなくなり、ひいてはイギリスはさらに大きなものまで失うことになるかもよと言います。
★国民食カレーが消える!?
- 橋本羅名さん
- もしかしてカレーが食べられなくなる、イギリスからカレー文化が消えちゃうかもしれないね。もうイギリスの食文化、食事、台所、今ほとんどバングラ人が支えているんです。イギリスの料理っていったら何ですか。フィッシュ&ポテトチップスでしょ?大変ですよ、毎日フィッシュ&チップ。あれ1、2回ならいいけど3回目には間にカレーを入れないと・・・(笑)。だから、バングラ人が昔から入ってきてやさしいカレーを作ったから、イギリスの王室、首相、みんな有名なバングラデシュのレストランいっぱいです。イギリスがEUから離脱したら、またあのフィッシュ&チップに戻るから・・・と私は思う。
バングラデシュ人が支えている労働力、経済力に加えて、イギリスの国民食・カレー文化まで失うことになるよ・・・と、
”やさしいカレー”で”やさしく脅し”をかける(笑)ラナさんでした。(^^)
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バングラデシュ人シェフたちも注目するイギリスの国民投票は、23日。大勢は日本時間の24日の午前10時からお昼頃に判明する見込みです。
(取材・レポート:近堂かおり)
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