食欲の秋。新米も出回りお米の美味しい季節ですが、「米離れ」と言われていることもあり、年々消費量の減少が続いています。そうした中、JA全農がお米の消費量減少に歯止めを掛けるための新たな特設サイトを、今月に入って立ち上げました。11月12日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。
JA全農・米穀部の市川豊人さんのお話です。
★お米のない人生なんて…
- JA全農・米穀部 市川豊人さん
- 「お米の消費拡大の取り組みを色々とやってきたが、取り組みごとにバラバラにネット上で情報発信をしてきました。今回はそれを1つにまとめてより情報発信力を高めていく。これまでに発表した「おにぎりダイエットプログラム」の情報や、「なるほど!米の新発見」と題して、お米の最新の研究で分かった事を伝えています。」
JAのポータルサイトは「NO RICE NO LIFE(ノーライス・ノーライフ)」と題したプロジェクト。お話の中にも出てきた「おにぎりダイエット・プログラム」は、以前このコーナーでも紹介した、JA全農とスポーツクラブのルネサンスがタッグを組んで出来上がったプログラムです。また、「米ダンス」なるお米をモチーフにしたダンスの動画や、お米を使ったレシピなども掲載されています。
「NO RICE NO LIFE」→
https://noricenolife.jp
★米の消費量、年間8万トン以上減少
このサイトを開設した背景には、米の消費量の減少に相当な危機感があるようです。再び市川さんのお話です。
- JA全農・米穀部 市川豊人さん
- 「お米の消費量は減少を続けている状況で、最近は年間で8万トン~10万トンを超える量が減ってしまっています。これは我々生産者にとっては非常に大きな問題です。我々としては何とかしてその状況を変えていきたい。お米をもっと食べて頂きたいという思いで今回のような取り組みをやっています。」
最近は食事の多様化や朝食を食べない人が増えている事に加え、ここ数年は糖質制限ダイエットも注目されています。お米を食べないことが習慣化してきたことで、消費減少に歯止めが掛からない状況のようです。
★「ごはん大盛無料の店」がわかるサイト
そして農林水産省も、お米の消費拡大に向けた情報サイトを先月末に公開したばかりです。詳しいお話を、農水省・穀物課の内田真司さんに伺いました。
- 農林水産省・穀物課 内田真司さん
- 「お米の消費拡大の専用ページ「やっぱりごはんでしょ!」というサイトを開設した。この中では米の栄養や健康面の良さを発信している。あるいは飲食店の検索サイトの「食べログ」さんや「ぐるナビ」さんの協力を得て、学生や単身の方がご飯を食べる機会や量を増やしてもらえるよう、ご飯大盛り・おかわり無料の店の情報を提供しています。」
このサイトは、飲食店の"大盛無料”情報や旅先でのグルメごはんを紹介する等、米離れが進んでいるとされる若者や単身世代向けの情報も取り入れられています。
大盛り無料情報は→
http://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/oomori.html
旅先グルメは→
http://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/tabig.html
★米離れ、本当か?
では、実際に若い世代の人達の「米離れ」は進んでいるのか?渋谷で皆さんに伺ってみました。
- ●「朝と夜は大体食べる。実家であるから食べる。でもパンの方が食べます。」
- ●「ほとんど食べないです。月に1回食べるか食べないかぐらい。そもそも炊飯器がないのでご飯食べるとしたらコンビニか職場の近くのレストランかぐらいですね。」
若い世代の「米離れ」は深刻なようでした。
★お米、見捨てられた訳ではないのかも
しかし先週の取材では、こうした意見ばかりではありませんでした。
- ●「朝毎日食べて、お昼が何時に食べられるかは分からないので腹持ちが良いかなって。パンはすぐお腹がすく。」
- ●「朝は毎日納豆ご飯を食べる。牛丼屋行って朝定で白ご飯。」
- ●「朝一杯食べて高校生でラグビー部なんで2、3時間目の間、昼、夜、夜食と5回。」
- ●「毎日夜に家で炊いて食べます。お米が好きなんで普通に味が好きなだけです。」
- ●「昼と夜が多いです。自宅で主人とですけどメニューがお米の方が組みやすいので。」
毎日一度はお米を食べるという人も多く、お米は見捨てられた訳では無さそうです。
■JA全農:米消費拡大ポータルサイト「NO RICE NO LIFE」
https://noricenolife.jp/
■農林水産省:米の消費拡大情報サイト「やっぱりごはんでしょ!」
http://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/gohan.html