水戸市がいまいち元気がない?そんな情報が相次いでいるようです。どういうことか?そして再興なるのか?「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)「現場にアタック」で、レポーター真野淑實(まの よしみ)が取材報告しました。
マルイ水戸が閉店&納豆も首位転落。水戸市再興なるか?http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180918073432
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★丸井水戸店。閉店を惜しむ声多数
9月17日(月)は敬老の日で祝日でしたが、茨城県の水戸駅には特に多くの人が集まっていました。駅北口にある丸井水戸店が49年の歴史に幕を降ろし、閉店セレモニーを行っていたのです。丸井の閉店。水戸市民の皆さんはどういう思いなのか、聞きました
- 10代男性
- 自分は陸上部なんですけど、ここでスパイク買っていい記録残せた。その時に店の人に親切に相談乗ってもらって、さみしい。今から寄っていこうと。
- 40代女性
- 高校生の頃から通ってたので、すごくさみしい。北口が本当に寂しくなってしまって、前は西武もあったのに無くなってしまった。活気がある駅にまた戻ってくれるといい。
- 70代男性
- 丸井は一時すごかった。栃木県、福島県からも客が来る状況もだったがそれぞれの地域に店舗ができ、なかなか水戸に集客が少なくなって。内原にイオンがあり、若者はほとんど水戸市内に来るよりイオンにレジャーに集まる現実がある。
水戸郊外で車でのアクセスに便利な内原や、つくばエクスプレスが通る守谷。それぞれイオンモールがあり、若者はそちらに流れたという指摘もありました。
マルイのビル自体は今後新たな事業者が入り、一部は存続するのですが、元々10階あったうち4階~8階は賃貸オフィスになる計画で、かなり縮小してしまいます。
去年は駅前の西武が閉店、また県庁所在地にも関わらず地価が下落し続けるなど、水戸はどんどん元気が無くなっているんです。
★水戸市の納豆購入額、3位に転落…
そして追い打ちをかけるように、水戸の名物・納豆も元気が無くなっています。納豆料理を扱う飲食店「花きゃべつ」の店長、嶋田淳さんのお話です。
- 「花きゃべつ」の店長、嶋田淳さん
- これまで水戸市は納豆購入額1位だったんですけど、福島に負けて3位に転落してしまいました。よく聞く話だと、水戸市の方は納豆を加工したり他の料理に使って食べるよりもそのまま食べる方が多い。東北の方だと納豆汁にしたり、加工して料理に使って食べる方法が多いらしいということもあって東北の方々に抜かれちゃったのではないかと思う。納豆の町としてのプライドがあるので、必ず1位に返り咲きたいと思います
1位は福島市、2位は盛岡市。東北勢に負けているんです。
ただ、1位に返り咲くための取り組みも始まっています。嶋田さんは一般家庭向けの「納豆料理講座」を開き、新しい食べ方を提案しています。
今回、簡単に出来るアレンジ方を教わってきました。からしの代わりに柚子胡椒を入れるんだそうです。また花きゃべつでは洋食と納豆を融合させた料理を提供していて、看板メニューは「納豆ハヤシオムライス」。
実際に頂いてきたのですが、納豆により、ハヤシライスのトマトソースの酸味がまろやかになりコクのある味わいに。また、隠し味の柚子胡椒もアクセントが効いていて、とても美味しかったです。
★商店街の門看板をクラウドファンディングで復活!
そして納豆の他に、街そのものの活性化のため活動している方もいます。水戸駅の中心市街地、泉町仲通りでお店を構える建築士・加藤雅史さんのお話です。
- 水戸市出身の建築士・加藤雅史さん
- 町内会長から「門看板に灯りが点かないから、なんとか点ける方法が無いか」と相談を受けて。震災の後に半分消えて、店舗が出ていくのと比例して消えていく悲しい状況。実際、門看板の中をバラしてみたら錆だらけでボロボロで。クラウドファンディングをやれば何とか集まるかもしれないということで、121人の方に120万円集めることができました。本当に真っ暗だった。空き店舗もまだまだいっぱいあるので、夜になっちゃうと大分暗い状況が、かなり明るくなったねと意見を頂いて、その後こういう活動が面白いということで、今年一気に3店舗増えて、今は13店舗で商店会を回しているという形ですね。
泉町仲通りはピーク時には35店舗あったのですが、バブル崩壊と東日本震災の影響で一時8店舗まで減ってしまい、見た目にはスナックや居酒屋などが並んでいるのですが営業していない所が多く、商店街入り口の門看板も老朽化で壊れてしまいました。
加藤さんはご自身の活動の中でそんな現状を知り、空き店舗を活用したイベントを行い、看板の灯りも復活。その後コーヒー屋さんや、お好み焼き屋さんなどが新たに出店し、少しずつ活気を取り戻しています。
また、さらにお店を増やすべく「空き店舗見学ツアー」も開催。例えば20代の女性が、自分の洋服屋さんを構えたいといって熱心に内装の写真を撮っていました。
★地元の信頼を得るために苦労
泉町仲通りでは新参者の加藤さん。商店街の復興にはかなりの苦労や失敗もあったそうです。
- 水戸市出身の建築士・加藤雅史さん
- 「よそ者がいきなり来てなんか騒ぎ始めた」みたいにざわつき始め、既存店舗をないがしろにしているとか、金もうけで変な奴らが来たとか、何やってもプチ炎上程度ですけど反対してる人が騒ぐ状況が一時期あって、大変でしたね。まぁ自分が悪い部分もあって、最初は夜より昼の街にしたほうがいいんじゃないかとか、こんな提灯おしゃれじゃないから無くしちゃったほうがいいんじゃないかとか、そういうことも一時期は言ってたので、それは反発食らってもしょうがないし、ここで頑張ってる人がいるのに「俺らが来て活性化してやるぜ」みたいなこと言われたらそれは腹立つの当たり前なので、地道に草引きをやったり、ごみ拾いを地道にやったりとか、行動で見てもらって分かってもらってきたかなとは思いますね。
元々商店街にいる方の信頼を得るまでが大変だったと言います。例えば、加藤さんは建築士なので、「扉の立て付けが悪い」と言われれば、カンナで修理をしたり「障子の貼り付け」をして信頼を得てきたということです。この水戸市の事例は、他の地域でも参考になりそうですね。