今週後半にかけて、台風19号と20号があわせて日本に接近するという予報。西日本豪雨の被災地もまだ復旧が進んでいない中、心配ですが…。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)「現場にアタック」で、レポーター真野淑實(まの よしみ)が『夏休み、防災について親子で楽しく学べるスポット!』をテーマに取材報告しました。
夏休み、防災について親子で楽しく学べるスポット!http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180821073401
radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)
★「首都圏外郭放水路」で水害対策を学ぶ
まずは埼玉県春日部市の「首都圏外郭放水路」。大雨の時などに、小さい川から水が溢れないように地下のトンネルを経由して江戸川に排水するための施設です。ここが今、観光地としてにわかに注目を集めています。参加者の方達に聞きました。
- (娘)今10歳です。おじいちゃんと弟と。
(祖父)春日部に住んでる友達から教えてもらった。水害が多いから子供達に知っててもらったほうが良いと思って。
- (娘)お父さんと友達
(父)前から興味あったんですけど、今回ツアーで毎日入れるようになって。前は月曜日入れなかった。月曜日が休みなもので来られなかったんですけど今回来られるようになって、せっかくの機会なので。結構テレビとかネットとかで「地下神殿」っていうのを見たことがあって、
(娘)めっちゃ高くてびっくりしたんだよね。
(父)ちょっと一回行ってみたいなって2~3年くらい前から思ってたんですよ
地下のほの暗くて広い空間に巨大な柱が59本立ち並んでいます。この景色が目当てで海外から来られている方もいましたし、もちろん治水の仕組みを子供に教えたいという保護者の方もいました。
この見学会そのものは以前から行われていたのですが、今月から民間の旅行会社と提携して、日程を増やしたり、以前は見られなかった場所をコースに組み込んだりした結果、予約が殺到。8月の土日はもう定員に達していて、平日に若干空きがある程度だそうです。
★広くて、涼しい!「地下神殿」
そんな首都圏外郭放水路。私も見学会に参加してきました。案内役は、春日部市の市民ガイド、通称「地下神殿コンシェルジュ」の濱野優梨亜さんです。
- 「地下神殿コンシェルジュ」濱野優梨亜さん
- ただ今116段、階段を降りて頂きました。地下22mの場所になります。こちらの柱をご覧ください。上に定常運転水位、下にポンプ停止水位と書いてあります。調圧水槽の水位が、定常運転水位を越えないように、ポンプ運転を調整し排水を行っていきます。これまで何度も定常運転水位まで水は来ており、今皆さんが降りてきた階段も半分ぐらいは水に浸かってしまいます。
幅78m、奥行き177m、高さ18m。とにかく広くて、地下なので涼しかったです。また、この地下神殿に隣接する巨大なたて穴があって上から覗けるのですが、なんと深さ70m。自由の女神がすっぽり入ってしまう大きさで、若干足が震えてしまいました。

たて孔を真上から撮影
ですがこの巨大な施設のおかげで、直近では去年10月の台風の時に、東京ドーム10杯分の洪水を処理して、浸水被害を軽減させています。このような大規模な施設は日本でここだけ。他の自治体からも視察の方が来るそうです。
★災害時に便利!「水で光るライト」
続いてもう一か所。横浜駅から徒歩10分の「横浜市民防災センター」。こちらでは夏休みの間、「親子で楽しく学ぶ!夏休み自由研究」というイベントが行われています。
- それでは今日は防災自由工作ということで、「光」というテーマ。災害時の光、また光の原理を科学の観点から見ていきます。皆さんの手元にある工作キットでマグネシウム電池を作りますので、みんな、そのマグネシウムという金属から、電子を取り出すことができるんですね、その教材で。で、その取り出した電子を、ライトの中に入れて、光に変えるという作業を工作でします。
マグネシウムの板やカーボン紙などを重ね合わせて手のひらサイズのLEDライトに組み込みます。ただ、ただスイッチを入れるだけではライトは点きません。電池の下の部分に水を少し点けると、化学反応が起こってライトが点きます。地震や火事で停電した時に電源が無くても、水があれば使うことができる電池です。

私も子供たちに交じってライトを作りました!
★火事を防ぐための対策を「防災センター」で教えたい!
「横浜市民防災センター」では、以前は消防士として現場で消火活動も行っていた方も企画・運営に携わっています。今回の「夏休み自由研究」を担当された宮本真之さんに防災センターで働いてみて感じたことを伺いました。
- 横浜市民防災センター・宮本真之さん
- どうしても消防隊とか救急隊って言うと、現場に行った時点でもう怪我をされたり亡くなっている方がいらっしゃるんですけど、やっぱり未然に防ぐということが非常に大事になってくると思いますので、ここでは、どうやって火を起こさないか、火事を起こさないか。火災が起きたらどうやって消火するかというのを、子供にも大人にも幅広く教えることができるので非常にいい職場だと思ってます。
横浜市のように、常設の市民向けの防災センターはなかなか少ないですが、9月1日の防災の日に向けて、他の自治体でも様々なイベントが行われます。楽しみながら災害の備えができるのは良いですよね。

真野淑實が「現場にアタック」でリポートしました!