近、様々な商品が「コンパクト化」されていることについて、気づいていましたか?7月2日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。
まずはマットレス。東京西川が開発したベッド用のマットレス「ボナノッテ」。いま開催中のFIFAワールドカップ・ロシア大会でも活躍する本田圭佑選手がイメージキャラクターをしている商品でもありますが、これがどう小さくなるのか。東京西川の広報担当、須藤 健二朗さんのお話です。
★圧縮できるマットレス「ボナノッテ」
- 東京西川・広報担当 須藤 健二朗さん
- 「「ボナノッテ」はマットレスが圧縮されていて、手軽に持ち運びができるというのが特徴。4分の1くらい丸くなって円柱になる。イメージとしては布団圧縮袋に入っているような形で、袋をハサミで切ってベッドに置いておけば半日くらいで復元する。圧縮することによって、自分で持って帰って自分で設置できるというのが特徴ですね。」
![森本毅郎スタンバイ!](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2018/07/0d40a5e4a645fc6b96e767d64ac0878e-600x373.png)
ボナノッテ「ベッドタイプ」。他に「敷きふとんタイプ」などがあります(東京西川ホームページより)
通常マットレスは、シングルでも1メートル×2メートル位の大きさで、女性ひとりではなかなか運べません。それを4分の1の大きさに圧縮することで、持ち運びを簡単にし、ひとりでも運べるようにした商品が「ボナノッテ」です。圧縮しても性能が悪くならない方法を長年かけて開発し、東京西川のマットレスで5本の指に入るヒット商品となっていますが、残念ながら詳しい製法は企業秘密ということでした。
★メーカーは、配送料の高騰に頭を悩ませていた
自分で手軽に持って帰れるというのは、消費者にとって嬉しいマットレスですが、メーカーが一番気にしているのはこちらのポイントでした。再び須藤さんのお話です。
- 東京西川・広報担当 須藤 健二朗さん
- 「ここ最近、配送費が年々上がってきていて、メーカーとしてもマットレスは大きいので、海外から送ってくるときに船のお金やトラックに乗る量も全部変わってくる。そこのコストを削減することによってお客様にも低価格で販売できるようになるというダブルメリットがあると思っています。」
マットレスは海外で作っているものも多いので、圧縮して4分の1にすることで、一度に4倍運ぶことができ、1つあたりにかかるお金も減る。そうなると、マットレスの価格自体も抑えることができる。そんな理由もあり、いかに商品をコンパクトにして配送料を抑えるか開発されたのがボナノッテです。
★長尺のトイレットペーパーが売れてます!
そして「よりコンパクトに」という動き。こんな商品にも出てきています。日本製紙クレシアの加藤雅紀さんのお話です。
- 日本製紙クレシア 加藤雅紀さん
- 「日本製紙クレシアでは、トイレットペーパー2倍巻き、3倍巻きなど、様々な長尺のトイレットペーパーを出しています。通常のものが25m、2倍が50m、3倍が75mで、それぞれ12ロール、6ロール、4ロール入っています。パックの中のロール数は違うが長さは全部一緒。
長さが長くてコンパクトなので、それだけ物流効率がよくなる。消費者にとっては4ロールでコンパクトなので持ち帰りやすい。16年の春に発売したが、毎年1.5倍以上の伸びがあります。」
それぞれのトイレットペーパーを比べてみると・・・
![森本毅郎スタンバイ!](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2018/07/IMG_8284.jpg)
左から、「スコッティ」フラワーパック3倍長持ち4ロール/2倍巻き6ロール/12ロール
![森本毅郎スタンバイ!](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2018/07/main1-563x400.jpg)
1ロールで3ロールの長さ!超長持ちロール(日本製紙クレシア ホームページより)
これ全部、総尺がすべて一緒なんです。ロールが減った分かなりコンパクトになっています。2倍と3倍の厚さが一緒なのが不思議ですが、ここに日本製紙クレシアの努力の研究成果が出ているらしく、こちらも詳しい製法は企業秘密・・・。値段は品質も総尺も同じなので、3つとも一緒。こちらもマットレスと同じく、物流効率を良くするという理由でコンパクト化にこだわっていました。
★各業界で進む商品のコンパクト化
そして、日本製紙クレシアの加藤さんは、消費者目線でも、今後どんどんコンパクト化は進んでいくだろうと話してくれました。
- 日本製紙クレシア 加藤雅紀さん
- 「少子高齢化で人口も減少して、世帯人数もどんどん減ってきている。なるべくコンパクトの商品が受け入れられている。たとえばラップも短かったものが50mが主力になり、洗剤も大きいものからより凝縮しコンパクト化している。世の中はコンパクト化の流れが進んでいる。品質が一緒で長く巻けているのであれば、12ロールよりも3倍長持ちの方にいくだろうという風に思います。」
ほかにも調べてみると、キッチンペーパーやペットボトルなんかもどんどんコンパクト化して、運びやすくするという流れがあります。配送料高騰、そして少子高齢化の時代で、各業界で「商品のコンパクト化」が進み、その流れは今後もさらに進みそうです。
![田中ひとみ](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2016/09/sump_tanakahitomi-400x400.jpg)
田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!