このラジオを運転中のクルマでお聞きの方もいるかと思いますが、今日は、首都高速道路からいつのまにか消えようとしている『料金所』のお話。いま首都高速の料金所の撤去が進められているのです。そこで・・・。
「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!6月5日(火)は、レポーター近堂かおりが『首都高から消える大井料金所 ねらいは? 効果は?』をテーマに取材してきました。
★大井と平和島の本線料金所が撤去!!
まずは、どこの料金所が無くなったのか、首都高速に詳しい、交通ジャーナリストの清水草一さんに聞きました。
- 清水草一さん
- 「5月20日から首都高の2つの本線料金所が運用停止になったんです。その2つとは、湾岸線・東行きの”大井料金所”と羽田線・上りの”平和島料金所”です。首都高側は交通をスムーズにするためと言っていますが、特に大井料金所のほうはこの料金所が原因で渋滞が発生していましたから、これがなくなれば確実に以前より渋滞がスムーズになると思います。」
湾岸線・東行きの”大井料金所”と羽田線・上りの”平和島料金所”は撤去されることになり、その前段階ということで、まだ料金所の建物やゲートは残っていますが、料金の徴収しなくなった、つまり運用停止、ということです。
これらの料金所は、”本線料金所”。もともと首都高速の料金体系は『東京線』『神奈川線』『埼玉線』という3つの料金圏が設定されていました。大井と平和島の料金所は、神奈川線から東京線にまたがって利用するクルマから、東京線の料金を徴収するために本線上に作られた料金所でした。
ところがいまは料金体系が変わって、距離別料金制になり、ETC車はすべて入口と出口で通信を行って、自動で料金の支払いが行われている。”大井料金所”と”平和島料金所”は少数の現金利用車のためだけに存在していたわけです。
しかも、いまではETC搭載車が100%近くになり、この2つの料金所は、もうなくてもいいのでは?となったのです。
そのねらいは、首都高速の渋滞緩和。特に、大井料金所は、いつも渋滞が伸びるスポットになっていたため、料金所の撤去ということになったのです。
★運用停止の元・大井料金所を通ってみました!
では、実際に、運用停止の元・大井料金所はどんな状況になっているのか、わたしもきのう実際にクルマで走ってきました。
- ドライブ実況
- 「首都高速湾岸線の東行きをいま走っています。カーナビにもこの先、大井料金所があると書いてあるんですが…。あ、見えました! 上の”ETC”とか”一般”と書いてあったところは何もなくなっています。ゲートだけが残ってます。『そのまま通過』って書いてあって、ETCのバーもずっと上げっぱなしになっています。でも周りのクルマを見てみたら、みんな一瞬、ブレーキ踏みましたね。スピードを緩めながら通過していきます。」
ETCを通過しても”料金は○○円”というアナウンスがありませんでした。つまり料金は徴収されていないということですね。
近いうちに料金所のゲートなども撤去されて、大井には何もなくなるそうです。
★みなさん気づきましたか?渋滞緩和されていますか?
では、大井料金所付近の車の流れは変わりましたか?そもそも、料金所の運用が停止されて2週間経ちましたが、運用停止に気がついていますか?ドライバーの皆さんに聞いてみました。
- ●「使いますよ、湾岸線はしょっちゅう。使いますけど…えっ? それがなくなった?渋滞の激しかったところでしょ? えっ、なくなった? 知らなかったですねえ。」
- ●「通りました。あんまりなんにも感じなかったですね。あれ?とは思ったんですけど、特に何も感じずに運転してたと思う。」
- ●「あれがなくなったのは知ってます。料金所がないほうが変わるんじゃないですか。ブレーキ踏まないので、みんな。」
- ●「スムーズになってます。ブレーキ踏むけども、そのままサーッと行っちゃうので全然違いますよ。前は川崎にも料金所があったけど(湾岸線・浮島料金所)、もういまはないですけどね。あれと同じようにいずれなくなればスムーズ。」
スムーズになったと言う人がいる一方で、全然気がついてない人も。気づかなかったのは、まだ料金所の建物やゲートがそのままだから、というのが関係しそうですね。また、利用した時間帯によっても、クルマの流れの変化が大きい、小さいがあるのかもしれません。
★実際の効果は見えているの?
では実際のところ、大井料金所の運用停止で、首都高湾岸線の流れは良くなったのか?頻繁に首都高速を走っている、交通ジャーナリストの清水草一さんに伺いました。
- 清水草一さん
- 「20日に料金所の運用が停止されてからまだデータは発表されていないんですけど、私の見ている限り、かなり渋滞の距離が短くなりました。半分以下になっていると思います。まだブースは残っていますけど、ちょっと予想外に早く変化が出ました。東名とか中央とか普通の高速道路は1年ぐらい周知に時間がかかりますけど、やっぱり首都高はプロドライバーが多いので、ここはもう使われていないということが意外と早く周知されたのかと思います。」
清水さんは、首都高湾岸線がスムーズになるにはもう少し時間がかかると思っていたが、予想以上に早くから流れが変わってきているとのこと。
警視庁交通管制センターの白井京子さんにも聞きましたが、やはり『大井料金所を先頭に・・・と言わなくなりましたね!今朝(6月5日)も少し流れが悪い程度で、以前に比べると混雑は緩和されているように見えますよ!』ということでした。
お二人の話からして、効果は見えてきているようですね!!
これで首都高速の大掛かりな渋滞緩和策は、もう最終段階だそうです。
『え~、まだ結構、首都高は渋滞しているけど…』と思って、清水さんに伺うと、首都高全体の渋滞はピークだった1990年頃の5分の1にまで減っているそうです!!そんなに減っていたんですね!
首都高で大幅な渋滞緩和策はもうこれで結構やりつくした状態だそうで、あとは細かな渋滞緩和策を地道にやっていくことになりそうだとのことです。