この時期している方も多いくしゃみについて、2月12日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
風邪の流行も収束しないままに花粉が飛び始めていますが、先月1月、ある有名な医学誌に、『くしゃみを止めると、体に悪影響が出る可能性がある』という発表がされました。これはイギリスのお医者さんによる発表で、くしゃみを止めないように注意喚起されているものなのですが、同じように日本でも注意喚起されていました。くしゃみを止めると、どのような影響があるのか?東京脳神経センター医学博士の、天野惠市さんのお話です。
★くしゃみ、止めちゃダメ!
- 東京脳神経センター 医学博士 天野惠市さん
- 「くしゃみというのは、鼻粘膜にくっついた異物を爆発的な力で吹き飛ばすので、出口を塞ぐと、ものすごい圧が『気道』にかかる。構造的に、『鼻の中』など全てに圧がかかったり、『耳』がキーンとして聞こえが悪くなったり、鼓膜の損傷が起きることがある。さらに、脳脊髄圧が上がるので、元々腰の悪い人や坐骨神経痛のある人は、くしゃみを止めると腰が痛くなる。整体の構造から考えると極めて当然のことです。」
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ハクション!くしゃみしますか?私は年中くしゃみが出ます
そもそもくしゃみは、ほこり・ウイルス・花粉などの異物を排出する役割を担っています。そのため、空気を外に出す勢いもすごく、細かい飛沫を2m飛ばすほどのパワーがあるそうです。そのくしゃみを抑えようとした際に、「喉の粘膜に傷がついて炎症を起こす可能性がある」ということが、医学誌で発表されました。
ただ、天野先生によりますと、喉や鼻などの気道以外にも、気道と関係の深い「耳」、さらには脳や脊髄にも圧がかかり、結果として腰などにも影響が出る可能性もあるということなんです。
★脳に「動脈瘤」がある人は特に危険
先生は、こんな危険性も指摘されています。
- 東京脳神経センター 医学博士 天野惠市さん
- 「気道にものすごい圧がかかると何が起こるかというと、血圧が上がります。くしゃみを止めるときに出口を塞ぐと、血圧が200を超えていると思う。180くらいになると、脳に元々『動脈瘤』がある人は破れてしまう。破裂の危険が非常に高くなるので、いかに危険な行為かということなんです。」
くしゃみを我慢して口や鼻を塞いでしまうと、気道の圧が上がり、血圧が上昇するそうです。特に気をつけなければいけないのが、「脳動脈瘤」のある方。「脳動脈瘤」は、脳の動脈の一部が膨らんで弱くなってる状態ですが、くしゃみを止めると、そこが破裂する危険性があるということなんです。天野先生によると、その数値は200mmHg(ミリメートルエイチジー=水銀柱)。高血圧の基準値が140とされている中で、200という数字はかなり高い値です。
★くしゃみを止めている人多数!だがその危険性は知らず…
では、みなさん、くしゃみを止めた経験あるのか?危険性について知っている人はいるのか?街で聞いてみました。
- ●「止めたことはあります。音が響くのが恥ずかしいので、周りが静かなときとか。耳にこもる感じはします。体に害があることを考えずに止めていました。」
- ●「映画館とか、静かにしなきゃいけないときとかは止めます。人体に影響があると考えたことはなかった。」
- ●「鼻とかつまんで止めます。押さえ込んだ勢いが、胸のほうに留まって、苦しい。体に悪いというのは初耳です。」
- ●「電車の時など、鼻の辺りで止める。普通のエチケットじゃないですか。止めても平気だし、マナー優先。」
まず、くしゃみを止める危険性については、多くの方が「知らない」、「意識したことがない」ということでした。一方で、くしゃみを止めたことのある方は、映画館や電車など公共の場におけるマナーとして我慢したり、鼻をつまんで止めるという方が多くいました。
★身体もマナーも気遣って
最後に、天野先生はこんなことを教えてくれました。
- 東京脳神経センター 医学博士 天野惠市さん
- 「よく鼻をつまむ人がいるけど、これは危ない。鼻を押さえるとものすごい血圧上昇するので、鼻をつまむことだけは辞めなさい。だから例えば、ハンカチでおさえてあげる。これによって、くしゃみを外に出しつつ、周りに対するパフォーマンスにもなる。『自分が周りからどう思われてるか関係ない』ではいけないので、やっぱりハンカチでストップすることが大事。」
鼻をつまんでくしゃみを止めるとものすごい血圧上昇につながるそうなので、絶対に鼻はつままないこと。そして、くしゃみはできるだけ止めない代わりに、マナーとしてハンカチを使って、鼻と口を押さえるというアピールをしましょうと仰っていました。
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田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!