現在、ラスベガスで世界最大の家電見本市『CES』が開かれていますが、主役はAIだそうです。急速にAIの利用が広がっていますよね。一方、日本生命保険がAIを活用して、保険の加入や見直しの必要な顧客を抽出するシステムの導入を検討しています。3月に実証実験するとか。こちらは、AIが自分に最適な保険を提案してくれる、ということ。ここにもAIか!という感じです。そこで・・・。
「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」、毎週金曜日は金曜日恒例サラリーマンの声!!1月12日(金)は、レポーターの近堂かおりが、『あなたが今やっているお仕事。AIにもできますか?』をテーマに街でお話を聞いてきました。
金曜日恒例サラリーマンの声! 『あなたが今やっているお仕事。AIにもできますか?』
★AIにも出来ますね!
- ●「出来ると思いますよ。営業職ですから。同じことをやってる、ずっと。だから出来る。覚えているだけだもんね。それを繰り返しやってるだけだから。10人いたら9人分はAIが出来て、一人分は人がいるかもしれないと思うけど。(9割は替わってもらえる?)替わってもらえる、誰やっても一緒だもんね。誰やっても出来るんだよ。出来るようになってるのが100年後に会社があると思えば、そうじゃないとダメだよ。自分がいなくなっても次の人が出来ればいいだけ。それが、人が減っていくんだから替わるものが出てくると思いますよ。そういう時代だと思う。」
- ●「出来ますね。コンピューター関係のコンサルタントやってるんで。AIにしていかなきゃいけないと思ってます。だって、それこそどんどん今AI化していこうとしてるじゃないですか。いや、していかなくちゃいけないんじゃなくて、そうなっていっちゃうんです。だって車だってどんどんそうなってる。今まで車の運転なんて人間じゃなくちゃ出来ないと思ってた。でも今、色んなセンサーを付けて自分で判断しながらね、あれAIですから一種の。世の中の流れですよ。」
AIに取って代わられちゃうの!?そう言われてしまうと寂しい気がしてしまいますが、そういう時代なんのですね。一人目の方は営業歴30年のベテラン。営業こそAIには無理かと思ったのですが、AIにも出来る、と。ただ、開拓型の営業マンはムリだけど、自分は同じ得意先だから、とおっしゃっていました。
★AIには出来ません!
一方、AIには出来ない、という声です。
- ●「出来ません。営業だから。ムズカシイ返答があるからね。白黒ハッキリしないところがある。ハイって言いたいけど、なかなかハイって言えないとか。グレーな部分というのは機械じゃ出来ないでしょ。」
- ●「ムズカシイじゃないかな。色々判断しなきゃいけないことが多いから。色んな状況判断ってある。私、ケーブルテレビの役員やってますけど、条件の中でこう聞かれたらこう答えるみたいのは簡単ですけど、こういう条件の中ではお前、どれが最善だと考えるみたいなことはまだ出来ないでしょう。」
- ●「AI、出来ないと思う。保険なんで、人とお付き合いじゃないですけど、人と顔を合わせて納得してもらって、心に落としてもらって入ってもらわないといけない仕事だと思っているんで、説明はAIでも出来ると思うけど、それを納得してもらわないといけないから機械が言って、心に響かないじゃないですか。」
まだまだ人間でなければいけない領域がある!という声。実は、圧倒的に多かったです。他にも、総合商社にお勤めの方は、その都度やることが違うので、その判断はAIにはまだムリ、という人もいれば、電気設備の設計をやっている技術職の方も、人が一つ一つ判断して入力し管理しているのでムズカシイ、と。”状況判断”に関しては、まだ信頼が薄い、ということでしょうか。
★解釈し、ストーリーを作ることは出来ないでしょう!
そして、こんな声もありました。
- ●「出来ないと思う。会社の歴史を編纂してるんで、それは当然AIには出来ませんよね。データベースなら良いと思うけど、データベースは点じゃないですか、歴史を紡ぐというのは点を線にしていく作業なんで、当然それには人間の知識とか、僕の経験とか、色んな情報をつまみ合わせてストーリーにしていくっていう作業なんで、それはAIにはムズカシイと思う。(年表とは別)それはデータベース。じゃなくて、そこには色んな先人たちの思いとか、どうやって判断したとか、色んなソフト的な要素がいっぱいあるんでデータの蓄積ではそのストーリーにはならない。解釈が必要なんで書く人間が、編集する人間が判断しなきゃいけないところがたくさんあるんで場合によっては、社会の今の状況とか、会社の状況に対してどういう書きっぷりがいいのかというのはそれはやっぱり人間が書かないとムズカシイでしょうね。」
社史の編纂!!起きた事実の解釈をし、それをストーリーにする必要があるのです。データ的には失敗に見えても後に成功に転じた、ということもある。その判断はAIには出来ない、ということなのです。いわゆる行間を読む、というようなことでしょうか。さすがにそこは人の力が必要!納得です。
★AIを作っているお父さんの仕事は・・・
さらに、こんな声もありました。
- ●「出来ないですね。どちらかというとAIを作るような仕事をしています。当面は出来ない。何だろうな、AIっていうのは結果を学習する仕組みなんで、基本的に。AIが判断するっていうものを、それをAIが判断するっていう二重構造になるんで、下のAIがしっかりできない限りなかなかムズカシイかな。(それは人間が学習しているのとはまた違うもの?)基本的には同じ。匠の技であれ何であれ、こうやったらうまくいった、こうやったらうまくいかなかったっていうのを蓄積するから匠の技が作れるんで、それを匠じゃなくて作るのがAI。ただ、どう蓄積するかを考えるのは人間なので、どう蓄積するかをAIが判断するっていうのはもう一歩先かな。」
AIを作っているお父さんのお仕事はAIには出来ない!!さすがにそこまでは進化していないようです。AIがAIを作れたら、と考えると、なんだかちょっとコワイですね。
★いまは赤ちゃんのAIも20年経てば・・・
最後にこんな声がありました。
- ●「いつぐらいのAIですかね?20年ぐらいしたらたぶん出来ると思う。今は厳しいでしょうね。AIを育てなきゃいけないんで。たぶん20年経ったら曖昧な事のほうがAIの方が得意になると思う。今はまだ赤ちゃん。赤ちゃんも育つんで、ちゃんと育てれば。育つと人間が困っている判断なんかは機械の方がお得意になる。(判断することに対しては人間じゃないと・・・)まだ5年10年はそう。たぶん理解力は機械の方があるんで。人が出来ないと思ってることの方がAI得意。だって機械の方が冷静。全部情報も入っているし、そこに感情も入らないから。データをちゃんと理解して分析して最適な回答を出すのはたぶんAIのほう。やりたい、やりたくないとか言いませんからね、機械はね。なんか、最後は単純な作業になると思う、本当の先は人間は。人でなきゃ出来ないフェイストゥフェイスの仕事とか。例えば荷物の配達なんか機械が全部プログラミングして最後、人に渡しに行くところだけ人と人がやるとか(配達こそAIのロボット)しばらくはね、たぶん逆転しますよ。だって子供だって20年で大人になるでしょ、同じだと思いますけどね。」
曖昧なことのほうが得意!?出来ないと思っていることのほうが得意!?IT系のコンサルタントをやっている方のお話でしたが、良いような悪いような、ゾッとするお話。極端な言い方をすれば、20年後にはフェイスtoフェイスの場面でしか人間はいらない、ということ?!進化が速すぎて、なんだかついていけません!!
とはいえ、確かに赤ちゃんも20年経てば立派な大人になるからAIを同じ、と言われると妙な説得力がありました・・・。
![「現場にアタック」近堂かおり](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2016/03/sump_kondokaori-300x300.jpg)
近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。