きょうは「勤労感謝の日」。新たな働き方の形について、11月23日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
去年から「働き方改革」に取り組む企業が増えてきていますが、そんな中でフリーランスの働き方を支援するネットのサービスが話題になっています。株式会社ココナラの広報、古川芙美さんのお話です。
★「特技売ります!」変わる働き方
- 株式会社ココナラ 広報・古川芙美さん
- 「「ココナラ」は、◯◯を教えます、◯◯をアドバイスしますなど、個人の知識・経験・スキルといった“得意”(技術・特技)なことを、気軽にオンラインで売り買い出来るフリーマーケットです。例えば、似顔絵や恋愛相談・マネー相談・不動産相談といった生活の悩みの解決から、HP制作・動画制作・独立起業の相談・キャッチフレーズなどのビジネスシーンのご相談まで、幅広い分野のスキルが出品されています。今、会員数が65万人全国にいて、スキルによって様々ですが、大体プロの方が半分・それ以外の方が半分というイメージですね。」
「フリーマッケット」と聞くと実物を売買するイメージがあると思いますが、「ココナラ」というオンライン上のマーケットで売買されるのは、個人のスキル=能力。【個人対個人】での売買で、匿名可。気軽に利用出来るのが特徴。実際に当事者同士が会うことは無ありません。
価格帯はスキルによりますが、500円〜数千円が多く、最高で20万円まで、出品者自身が設定することができます。HP制作・動画制作の実務的なところから、占い・恋愛相談などの個人的なものまで様々あり、2012年に開設して以来、これまでのマッチング件数は150万件以上ということです。
★「ココナラ」でスキルを出品する理由
では、実際にどんな人が利用しているのか、ここでスキルを売っている方にお話を聞いてみました。
- ワーキングママ
- 「イラストを出品しています。ご依頼頂いて、大体土日を使って書きます。子供の面倒とか家事もあるので夜中にとかなったりします。やっぱりお客様から評価を頂く時がすごく嬉しくて、とても助かりましたということもありました。」
- プロの画家
- 「私はカリカチュアという誇張を効かせたユーモアのある似顔絵を描いてる似顔絵師です。ココナラさんは僕個人のホームページと違って、絵に興味を持ってくださる方への圧倒的な集客力があるのでそこが魅力ですね。より多くの方に私の仕事を知ってもらえる、HPと並行して購入してもらえるチャンスが広がったというのはありますね。」
一人目の主婦の方は、育児や家事の合間でサービスを利用しているそうで、イラストは1枚1,000円で販売。今まで自分のスキルがお金になるとは思っていなかったとのことで、驚いていました。
二人目のプロの似顔絵師・花木マロンさんは、元々自分のHP上で絵の販売をしていたそうですが、こういったサービスを利用したことで販路が広がったそうです。確かにフリーランスの方は自分をどう宣伝するか難しく、個人のHPも露出が少ないかもしれません…。このような新たな市場があると便利なようです。
★累計依頼件数170万件!個人と企業を繋ぐ「ランサーズ」
さて、ここまでは【個人対個人(CtoC)】のお話でしたが、こういった個人のスキルを活用したいのは企業も同じようです。ランサーズ株式会社・取締役の曽根秀晶さんのお話です。
- ランサーズ株式会社 取締役・曽根秀晶さん
- 「「ランサーズ」は、デザイナー・ライター・エンジニアといったフリーランスが、オンライン上で仕事を見つけて直接クライアントから受注し、オンライン上で仕事を納品することができるサービスです。弊社のサービスは、日本で初めてのクラウドソーシングのサービスとして2008年の12月に開始しました。グローバルでは1998年から類似のサービスはありましたが、日本では2008年まで存在しませんでした。ランサーズのサービスにご登録いただいている企業が27万社ぐらい、累計で依頼した件数が170万件くらいあります。年々勢いを増して増えてはいますね。」
ランサーズは、日本最大級の企業とフリーランスをマッチングさせるサービスです。登録企業は名だたる大企業からベンチャーまで様々。一部の業務を効率化するため、外部のフリーランスの方に委託したい場合に、ここに依頼内容や報酬を登録します。そうすると、フリーランスの方はそれを見て、希望する場合に受注する仕組み。
★背景にはフリーランスの増加。契約面でのトラブルに注意
このように、様々なサイトでフリーランスの人たちが、自分を宣伝したり仕事を探したりしやすくなっていますが、こうしたサービスで注意すべき点もあるようです。ココナラの古川さんに伺いました。
- 株式会社ココナラ 広報・古川芙美さん
- 「個人のスキル売買で注意すべき点は、購入時は、過去の評判を確かめるなど注意が必要です。サービス内容や納期のすり合わせがすごく大事になってきます。例えば、購入側が3日で納品して欲しいのに5日で納品があったとか、そういった細かな齟齬が原因で、問い合わせが弊社に入ることはあります。出品者も自分が出品できる範囲や、時間を明確に決めてサービスの提供欄に記載することが大事ですね。自分のキャパを超えてしまうと本業に影響が出たり、体を壊したりして問題になってしまうので、きちんと自分のキャパシティを捉えて、出品していく時に抑えていくというのが大事です。」
こうした問題が起きるのは、副業などの広がりで、フリーランスが増えていることも背景にあるようです。先ほどのランサーズの曽根さんによると、日本の労働人口の6人に1人が副業などを含む広義のフリーランスということでした。こうしたサービスで仕事が取りやすくなった分、不慣れな人も多いので、お客さんとの契約面でのトラブルが発生するケースもあるようです。