今年も残りあと2ヶ月を切りました。2018年の年賀状が11月1日から発売され、「そろそろ年賀状を書きはじめようかな」と考えている方もいらっしゃかると思いますが、きょうは、「進化する年賀状」について、11月9日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
年賀状の発行枚数は、ここ数年大幅に減少傾向にあるというデータもありますが、そんな中、新しいスタイルの年賀状が出てきているようです。まずは、株式会社コネクティット・アートディレクターの天野一記さんのお話です。
★「ネットで年賀状」…住所が分からなくても年賀状が送れる!
- 株式会社コネクティット アートディレクター・天野一記さん
- 「「ネットで年賀状」というのは名前の通り、今まではハガキを購入したりして手書きで書いていたものが、インターネット上で、パソコンやアプリで完結出来るサービスです。デザインの制作からメッセージを書くなどの年賀状自体の制作と、印刷、あとは発送です。価格は、1枚から購入することが出来まして、普通用紙で130円~(ハガキ代と印刷代込み)となっております。「ネットで年賀状」はメールアドレスやツイッターのアカウントを知っていると、住所を知らなくても、実際に印刷された年賀状を、その方の住所に送ることができます。」
「ネットで年賀状」は、ネット上で年賀状の制作から発送まで気軽にできるサービスです。デザインも1000種類近くあり、スマホで撮った写真をはめ込んで、オリジナルの年賀状を作ることができます。そして一番の特徴が、「相手の住所を知らなくても年賀状が送れる」というサービス。メールアドレスやツイッターのアカウントさえわかればOKなんです。
手順としては、このような流れです。
- まずはネットで、年賀状のデザインを決めます
- その後、ツイッターで繋がってる相手を選ぶと、相手側に事務局から通知が届きます
- 相手が「受け取りの許可」を出して住所を入力すると・・
- ネットで作った年賀状が相手に発送されます
例えば、SNSだけでつながっている相手でそこまで深い関係でない場合や、住所も個人情報なので聞きづらかったり、メールアドレスしか知らない仕事関係の人など、このような人たちに年賀状を送りたいときに、このサービスが活躍します。
★「ライフプリント」…スマホをかざしてビックリな動く写真
さらに、こんな“新しい年賀状”の形も出てきているようです。株式会社FOXの庄子雄太さんのお話です。
- 株式会社FOX 庄子雄太さん
- 「よく年賀状に、お子様やペットの写真を載せたりすると思いますが、弊社の「ライフプリント」という無料アプリと専用のプリンターを使っていただくと、写真がそのまま動き出す=「動く写真」を作ることができます。動く写真を見るには専用アプリをかざす必要がありますが、ビデオレターのような年賀状を送ることができるので、例えば、遠く離れた方にお子様の元気な姿や声を、年賀状で届けることが可能になります。」
「ライフプリント」というアプリを使って写真にスマホをかざすと、そこにひも付けられた動画が再生されるという仕組みです。
この魔法のようなシステム、アプリ自体は無料ですが、専用プリンター(17,400円)で印刷すると、シール状になっているので年賀状に貼り付けることができます。
★特に若い世代は、LINEで“あけおめ”が主流
このように、デジタルと連動した新しい形の年賀状が次々と出てきていますが、街の方の声を聞いてみると、その理由が分かりました。
- ●「出します。年賀状は親戚のおじさんとかおばさんからきた時には返すんですけど、友達とかには出さないですかね。いまたぶんラインとかメッセージとかでやりとりするんで、改まって年賀状は出さないかな。」
- ●「来たものには返します。自分からは出さないです。メッセージとかで送れるので別にいいかなって。」
- ●「去年もらった人は出すようにしてます。来なければ出さない。直接会うか、最近だとラインとかですませちゃいます。友達に元旦になった瞬間にスタンプであけましておめでとうとか送るようにしています。」
- ●「もう出さないですね全く。もうハガキじゃなくてラインとかで代用しちゃう感じですかね。よっぽど重要な関係じゃない限りはデジタルに移行してくっていうのが今の流れじゃないかなっていう気はしますけどね。」
若い方は特に、LINEで新年の挨拶を済ませる人が多かったです。各社、先ほどのように新しい年賀状のスタイルを作ることで、若者にアピールしたい、という意図があるのかもしれません。
★バーチャルとリアルの共存。古きよき年賀状の可能性
最後に、こういった新しい年賀状の形は今後定着していくのか、株式会社FOXの庄子雄太さんに伺いました。
- 株式会社FOX 庄子雄太さん
- 「今、女子高生が、「写ルンです」とかインスタントカメラで撮るのが流行っていて、単純に何が撮れてるのかすぐ確認できない面白さとか、それを紙に出さなくてもデータで受け取ってSNSにあげる、という使い方が多いらしいんですが、便利すぎる部分がちょっと飽きられていて、古いとかレトロという要素を面白がって使う需要も世界的にあります。そういう中で出てきたプロダクト。紙が使われなくなってバーチャルになってく中で、“あえて”紙みたいな。この“あえて”という感覚が注目されていて、「古いいけど新しい」というのが、コミュニケーションの新しい形だとは思っています。」
なんでも気軽に済ませられるデジタル世代だからこそ、年賀状という一手間かけたやりとりに面白みを感じてもらえれば、という思いをお話してくれました。
■「ネットで年賀状」「スマホで年賀状」
https://net-nengajo.jp/
■「Lifeprint(ライフプリント)」
http://lifeprintphotos.jp/