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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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おしゃべり自由な美術館が増加!でも、どこまでOK?

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今週、11月3日(金)は文化の日ですね。美術館などは入館が無料になる所も多いです。実は、ここ最近各地の美術館で、新たな楽しみ方を味わえるような、特別な日を設ける動きが広がってきています。10月31日(火)は、レポーター中矢邦子がTBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で『おしゃべり自由な美術館』について取材報告しました。

★美術館で自由におしゃべりOK!「トークフリーデー」

まずは、三菱一号館美術館の取り組みについて。詳しいお話を広報の後藤夕紀子さんに伺いました。

三菱一号館美術館 後藤夕紀子さん
これまで休館日だった月曜日を一部開館して、声の大きさを気にせず鑑賞できる“トークフリーデー”を実施することになりました。赤ちゃん連れのお母様に『美術館は赤ちゃんを連れて行ってはいけない場所だと思っていた』と言われる機会があり、アンケートでもおしゃべりをしながら鑑賞したいというお客様がいらっしゃる一方で、展示室内で会話をしているお客様に対して係員が注意をしないと『なぜ注意をしないんだ』とご意見もあり、どちらの方々にもご納得いただけるように設けました。
トークフリーデー初日に伺いました!

トークフリーデー初日に伺いました!

美術館では私語はなるべく慎むべきという風潮がありますが、実はほとんどの美術館が会話を制限していないんです。後藤さんによると、ルーブル美術館やオルセー美術館など海外の美術館では作品について活発に語り合う文化が根付いているといいます。一方、日本の美術館では一部のお客さんから「あの人達、うるさいから注意して」と言われてしまうこともあります。そんな中三菱一号館美術館では、自由に作品について喋りたいお客さんのニーズに応え、基本的に毎月最終月曜日を“トークフリーデー”として、まずは試験的に1年ほど続けていくことが決まっています。

★「フリートークデー」で外国人観光客への通訳も

三菱一号館美術館に先駆けて、既におしゃべりOKな日を設けている美術館が東京・渋谷の戸栗美術館。伊万里焼など陶磁器に特化した美術館で、今年6月から毎月第4月曜日に”フリートークデー”を設けました。どんな反響があったか、学芸員の黒沢愛さんに聞きました。

戸栗美術館 黒沢愛さん
古陶磁というと敷居が高いと感じられるかもしれませんが、お連れ様とお話しながらでしたら楽しくご鑑賞いただけるのではないかと思い始めました。フリートークデーを始めてからは事前に問い合わせの上でいらっしゃる方が増えました。食器に焦点を当てたコーナーもございますので『ここにどんなお料理を載せたら良いだろうか』という話をされていたり…中には外国の方をお連れして日本の方が通訳をしながらご鑑賞頂いているような場面もございました。

戸栗美術館に来るお客さんは作品鑑賞に集中したい方が特に多く、おしゃべりは基本的に禁止。通訳は例外的にOKなのですが、以前、黒沢さん自身が通訳をしながら外国人の方を案内していたら、他のお客さんに怒られてしまったことがあったそうで…フリートークデーを設けてからは、外国人観光客の方も気兼ねせずに来られるようになったということです。

戸栗美術館は渋谷駅から歩いて15分。

戸栗美術館は渋谷駅から歩いて15分。

現在開催中の企画展でもフリートークデーが設けられています

現在開催中の企画展でもフリートークデーが設けられています

この他、町田市立国際版画美術館や静岡県立美術館は毎週水曜・土曜をおしゃべり自由にするなど、同様の取り組みは広まりつつあります。

★どの程度のおしゃべりなら許される?来場者の迷い

そんな中、昨日10/30(月)に初日を迎えた三菱一号館美術館の“トークフリーデー”。実際に、どんな様子だったのか。来ていた方達に聞きました。

●「20歳です。サークルの先輩と来ました。普段美術館とか全然来ないので、トークフリーデーだったら行きやすいと思って。おしゃべりしながら見れたので見やすかったです。」
●「友人と来ました。この作品、キレイでいいね、みたいな話をしていました。その絵を見て思ったことをその場で共有できるのですごく楽しいです。」
●「7か月の娘と一緒に来ました。娘がまだ小さいので美術館に来るのは迷いがありましたが、軽い気持ちで来られたので良かったです。」
●「娘と友達と。娘は1歳7か月です。実際、子供を連れてきてどのくらい許されるのかっていうのがまだ分からないので…皆さんお静かにご覧になってるので静かにしなきゃと思いながら観ています。」

友達同士で作品の感想を語り合う方や、トークフリーデーと知ってお子さんをベビーカーで連れてきたお母さんもちらほらいましたが、昨日の時点では、一人で静かに鑑賞している方が圧倒的に多かったです。ですので、どの程度フリーにトークしていいのか迷うという意見も出ました。

今やっている展覧会

「パリ(ハート)グラフィック展―ロートレックとアートになった版画・ポスター展」が行われていました。

★絵に関係ない雑談や、指さしはNG!

トークフリーデーといえども、最低限守るべき鑑賞のマナーはあるのか。三菱一号館美術館に来ていた68歳の男性はこんな意見をお話していました。

●「お子さんなんかはあんまり気にならないんだけど、気になるのは奥さん方。絵のことについて話すのは良いんだけど、ご近所の話とか雑談してると辞めていただきたいと思うときがありますね。あと若い人が平気で『この絵のここは』と指さすのも気になります。万が一触ったらどうするのって注意しました。特にこの間はガラスが貼ってない絵がたくさんあったんですよ。美術館マナーを教えるなり入口に書くなどしてもらえたらと思います。」

作品を指さす行為は、鑑賞マナーとして良くない行為とされています。また、三菱一号館美術館の後藤さんも「作品鑑賞の範囲を超えて大きな声を出されている方は注意させていただくかもしれません」とお話しされていました。「トークフリーデー」を機に美術鑑賞の裾野が広がるといいですが、最低限のルールは守らないといけません。

中矢邦子

中矢邦子が「現場にアタック」でリポートしました!

TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」
月~金 6:30-8:30 放送中。
AM954kHz、FM90.5MHz。
「 radiko 」でもお聞き頂けます!


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