ニュースや新聞では、ほとんど取り上げられていないのですが、実は、GW明けのきのう5月8日、月曜日の朝、首都圏の鉄道が大変なことになっていた、といいうのです。そこで・・・。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!今日5月9日(火)は、レポーター近堂かおりが『GW連休明け、首都圏の通勤電車が遅延続発で大混乱』をテーマに取材しました!
まずは、街でみなさんに聞いた朝の通勤時間のときの様子です。
★京浜東北線が遅れて大変だった!
- 20代女性
- 「朝、京浜東北線がストップしていたので、その影響は受けてます。東神奈川から川崎、全部で15分ぐらいなんですけど、20分くらい止まっちゃってたので。急病人の方が何人かいたって。『同時多発的に、複数の路線で…』みたいに車内アナウンスで言ってました。」
- 50代男性
- 「私も遅刻しました、30分ぐらい。南武線と京浜東北線、両方遅れたので。南武線は登戸かどこかでお客さんが転落して救助のために遅れて、京浜東北は別の件で遅れたみたい。川崎で乗り換えの時にホームに下りる階段に人があふれているような状態だったので、もういっぱいでした。」
- 20代女性
- 「上野から東京駅で1回止まって、品川と新橋で病人が出て救護されてるっていうので、そのあとに有楽町で緊急停止ボタンを押されて安全の確認。途中で『調整します』でずっと止まってて、しょっちゅう止まる。20分遅れぐらいで鶴見に着いて、もうやばいと思って走ってたら、そのせいで朝からコケてけがしました(右ひじと右足くるぶしにひどいスリ傷)。今日はちょっと早く行かなくちゃいけなくて30分前に着く予定だったんですけど、出鼻をくじかれる感じで…。」
急病人や落とし物、非常停止ボタン…など、トラブルが通勤時間帯に続発。JR京浜東北線だけで、急病人が5~6駅。大井町、蒲田、品川、横浜、新橋、新子安。落とし物が赤羽、横浜。遅れは、最大で50分にまで広がりました。インターネット上には、”○○駅で停車中”というツイッターのつぶやきや、入場規制で人があふれた駅の写真がたくさん投稿されていました。それにしても、なぜ京浜東北線でそんなに急病人が出たのか、実際のところは分かりませんが、原因として考えられることとしては…。
- 連休明けで早めに出勤しようとした方が、一定の時間に集中して混雑が激しくなった。
- 昨日は暑かった!その気温の高さもあって、車内の環境が悪かった。・・・などでしょうか。
私がきのう街でお話を聞いたうち、4人に1人はいつもより出勤を時間を早めていましたから。きのうは、京浜東北線のほかにも南武線、中央・総武線、横浜線、武蔵野線などでも、首都圏の各線でも混雑による電車の遅れが発生しています。
★たった10秒の遅れで・・・!!
混雑ということでもう一つありそうなのが、連休明けで動きが緩慢になったことの影響。(『あ~あ~、会社かぁ~』っていう気持ちで足取りが重くなるの、分かります!)この点について、鉄道ライターの杉山淳一さんにお話をお聞きしました。
- 杉山淳一さん
- 「今、列車のダイヤというのは15秒単位で計算されていますので、朝の通勤時間帯ですと例えば10秒遅れるだけでも結構、遅れがどんどん重なっていくんです。というのは、自動改札機というのは1秒間でだいたい1人通れるとしますと、改札機が5個ある駅は10秒間で50人、駅に入っていきます。その50人が10秒余計にかかると、次の駅に着くとまたその分、人が増えてますから、それが20秒になっちゃいますよね。だから、きちんと段取りを組んで走っている分には問題なくても、どこかで遅れが発生するとそれがどんどん雪だるま式で遅れていってしまうという形になります。」
今の首都圏の朝の鉄道ダイヤは、とても過密になっているので、ある電車が止まったり遅れたりすると、後続電車が遅れるのはもちろん、前を行く電車も何台か遅れてしまう。というのは、前の電車も遅らせないと駅にたまった人を吸収できないから。さらに、相互乗り入れをしているほかの会社の路線も遅れる。それから、1本の電車が終点まで行って折り返すときには、折り返しポイントの周辺にいる上り・下りそれぞれの電車数本は、待たせておかなければならないから、その電車が遅れれば、やはり数本の電車に遅れが波及する。さらに、非常停止ボタンが押された場合は、周囲何キロにいる電車を全部止めるので、思いもかけず遠い路線にも遅れが波及する。連休明けで乗客が増えたり、動きが緩慢になることでわずかな遅れがでて、それがどんどん広がっていった…と推測できそうですよね。
★GW明け特別ダイヤ!?
だとしたら、連休明けのたびにこうした事態になるのは困るので、なんとかならないのか、再び鉄道ライターの杉山淳一さんにお聞きしました。
- 杉山淳一さん
- 「この教訓を考えると、もしゴールデンウィーク明けに早く出る人が多いというデータが本当にとれたならば、それは連休明けダイヤというのを今後、考えた方がいいかもれないですね。実はこれ、事前に分かっていれば対応できることがあって、東急多摩川線は沿線の会社のサマータイムに合わせて、
夏の間、早朝電車を増発したりするんです。そういうふうに臨機応変に対応しているところもあります。」
東急多摩川線の対応というのは、沿線にある大きなカメラメーカーの工場が、夏の間サマータイムを導入したのに合わせて、早朝のダイヤを臨時増発して、遅れ防止に対応したということなのです。綿密なダイヤで我々を運んでくれている鉄道ですが、前もって分かれば対応できる、ということなのです。ですから、もしも連休明けの混雑がデータとしてはっきり分かるようであれば、こうした対策は必要になりそうですね。