いよいよゴールデンウィークも後半がスタート。今日は、お出かけ先の候補にあがりそうな水族館のお話。最近の水族館では、ただ魚をみるのではない様々な工夫がされ、それがまた人気になっているそうです。そこで・・・。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!今日5月3日(水)は、レポーター近堂かおりが『最近の水族館は、魚をただ見るだけでは済まない!?』をテーマに取材しました!
まずはサンシャイン水族館のスタッフ、正木慶子さんのお話です。
★猛毒展2で猛毒メニュー!?
- 正木慶子さん
- 「毒のある生き物たちを集めた展示となっておりまして、『猛毒展2』という企画をさせて頂いています。その期間限定で猛毒メニューという形で、1つがデトックスヨーグルトというメニューになるんですけど、ヨーグルトの上に、ピンク色の中に黒いタネのつぶつぶのドラゴンフルーツと白の中に黒いタネのつぶつぶのドラゴンフルーツをのせて、キウイの緑色のソースと、あと蜂蜜の黄色いソース、2種類かかっている感じです。その猛毒展をみて、毒々しくなった後は、デトックス、体に美味しいメニューとなっているので、毒々しいゴールデンウィークをぜひ過ごして頂きたいと思います。」
『猛毒展2』という特別展示が、池袋にあるサンシャイン水族館で行われています。
猛毒展は”1”が3年前の夏に行われ、”毒人気”がすごかったらしく、満を持しての第二弾。その企画展では、緑のマッドサイエンティストの研究室や、紫の魔女の部屋などのゾーンに分かれているので、そうした毒々しい部屋の色のイメージの、食べ物を提供しているそうなのです。その1つがデトックスヨーグルト。かなり毒々しい色味です(笑)。でも大人気!!他にも今後カエルケーキなども販売される、ということです。
★”深海生物”の押し寿司!?
他にもこんな食べ物を出している、水族館があります。愛知県蒲郡市の竹島水族館・副館長の戸舘真人さんのお話です。
- 戸舘真人さん
- 「冷凍の「押し寿司」なんですけど、例えば、うちで展示している深海生物だったり、あと市場で値がつかない魚の押し寿司を作っています。水槽からとっているわけではなくてちゃんと市場で食用になっているものを買って売っています。雑魚って呼ばれるようなものなので、季節ごとに変わってくるんですけど、今は深海生物だとハシキンメというお魚です。特に人気のあるものは売り切れが多いですね。うちは食べるというテーマでけっこう展示をしているので、グルメハンターっていうのをやっていて、オオグソムシとか個性的なやつも食べたりするので、魚以外でも、ヤマトトックリウミグモとか美味しい美味しくないをしています。」
なんとこの竹島水族館では、展示している魚が食べられちゃう!!
お持ち帰り専用になりますが、深海にいる魚を使った”深海生物押し寿司”を販売しています。押し寿司というと、鯖寿司などがすぐに思い浮かびますが、こちらの水族館の押し寿司は、今の時期はハシキンメという深海魚の押し寿司・・・!実はハシキンメは、地元では食べられるけど、あまり関東ではお目にかからない深海魚でキンメダイの一種。飼育員さんが、色々チャレンジした結果、食べられるぞという、旬のものを選んでいるそうです!グルメハンターと呼ばれる専属の飼育員さんもいて、魚以外にもヤマトトックリウミグモという、エイリアンの子どもみたいな、体が細い生物を試したこともあるそうです。
★竹島水族館は、人、人、人!!
そんな竹島水族館に、私も、昨日行ってみましたが、とにかく、人、人、人!大混雑!!(でも普段の土日に比べたら空いている方です、と戸館副館長はおっしゃっていました。すごい!)どこに惹かれたかお客さんに話を聞いてみると、必ずしも押し寿司だけではありませんでした。
- ●「初めて来ました。埼玉から。展示がね、結構おもしろい、直接触ったりが、珍しいって。ここらへんみんな触りました。サメはやっぱり鮫肌。亀もエサやって、意外と獰猛ですね。本当に指噛まれそう。」
- ●「名古屋です。3回か4回来てる。いろんなもの書いてあるのが面白い。スタッフの人が書いているんよね。好きだものこういうの見るの、食べるのも良いけどね。」
- ●「前にも来て、娘が気に入っちゃって、解説?魚のプロフィールが面白くて、あとウツボとか気持ち悪く飾ってあって、前来たとき、すごい人がいっぱいいて、外から見たら結構ボロいから(笑)、土日でもきっと空いているよねって来たら、何?こんないんの?と思って。」
展示の魚の紹介が、和名・学名・分布などに加え、性格(?)や、特徴などを書いて、ひとつずつ手書き。大人の人は、それを楽しむ一方で、子どもは、深海生物に触れるプールで、とにかく触って興味津々!!楽しそうでした。人気の水族館でしたが、最後の女性が外からの見た感じでそんなに人が入っているように見えなかったといっていましたが、・・・確かに、この水族館の建物、か~な~り年季が入っていました。
★来館者が3倍になったんです!!
そんな外観もあってか、少し前までは客足も遠のいていたそうですが、ちょっとしたことで、今の人気に繋がった、といいます。再び、戸舘副館長のお話です。
- 戸舘副館長
- 「昔アンケートとってたんですけど、見た目やばくて躊躇したというのが多かったですね。60年くらい経っています。あと僕たちは水族館が狭いので、テニスコート2面くらい。国内トップレベルの小ささだけど、深海生物の展示種類数でいうとたぶん国内一だと思います。でも、たぶんそういう狭い古いという弱点は改良しやすいと思っています。僕は昔から客として来ていて面白いなって見ていたんですけど、ここにいるスタッフは珍しいと思っていなかった。もったいない!と思いました。そこで、深海生物を活かしていこう!ということになったんです。それと、お客さんが一番質問してくるのは、コレ食べれるの?美味しいの?なんですよ。お客さんの純粋な質問に答えないといけない。そういうのが身になっていくので。」
一番多い質問が食べられるかどうか・・・なんですね!(笑)それもびっくりしましたが、そういったお客さんの反応を表に出て(小さい水族館だからこそ直接お客さんと話す機会が多いから)受け止めて、形にする。魚の解説を柔らかくしてみたり、触りたいと何度もくるお子さんの反応を反映させる、水族館をそういった形にしていったのですね。その結果が、5年前と比べて、年間を通しておよそ3倍の来館者を獲得することにつながっているのです。まさに、工夫でお客さんの心をつかんだ、ということですね。