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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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ホテルのアメニティを「脱プラスチック」に!

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政府は9日に「プラスチック資源循環促進法案」を閣議決定しました。この中で検討されているものの1つが「ホテルのアメニティ」。有料化するなどして、プラごみの削減につなげようとしています。そんな中きょう取り上げるのは「脱プラスチック製品をホテルのアメニティとして導入しようとする動き」です。TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で中村友美ディレクターが取材報告しました。

 

ホテルのアメニティを「脱プラスチック」に!http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20210316073921

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

★「紙カミソリ」でプラスチックを98%削減!

まずは総合刃物メーカーの貝印株式会社が開発した「カミソリ」。研究開発本部の塩谷俊介さんのお話です。

カイ インダストリーズ株式会社 研究開発本部 塩谷俊介さん
「紙カミソリ」という商品になります。持ち手が紙、毛を剃る部分が金属からなるカミソリになっております。ですので、プラスチックをほとんど使っていない形の脱プラを実現したカミソリになります。弊社は業務用のホテル向けのカミソリに対してたくさんチャネルを持ってますので、脱プラスチックの法制・法令でなかなかホテルのアメニティも厳しくなってますので、そういった所に対してケアを打っていける商品なのかなと思ってます。

カミソリの刃以外の部分をプラスチックから紙に置き換え、従来と比べて98%のプラスチックを削減。牛乳パックのように少し厚手の紙に折り目がついていて、使う人がその都度組み立てる形です。紙だけれど、剃る時に力に負けない構造や、水にぬれても大丈夫な素材など工夫しています。来月、貝印の公式のオンラインストアで販売(価格は5枚で送料・税込み1100円)。その後今秋をめどに全国の小売店での販売を目指しています。

貝印は元々ホテルのアメニティとしてのカミソリのシェアがかなり高いので、ホテル側に「従来のプラスチック製から紙カミソリに切り替えませんか?」という提案もしやすく、実際にホテルからの問い合わせも複数来ているということです。

★海外では既に広まる「竹歯ブラシ」

続いて、ホテルのアメニティでお馴染み「歯ブラシ」の脱プラスチック製品です。

株式会社豊和 取締役 山本美代さん
私たちは竹の歯ブラシを作っているんですけれども、ブラシの部分はナイロン6という素材を使っているんですが、それ以外の部分に関しては竹という見た目になっています。私が自分でホテルのアメニティを使っている時に、プラスチックのごみが沢山出ている、1日ホテル300室だったら300本がごみになっている。それが日本中で、世界中でって考えたときに、なんとか選択肢はないのかと色々調べた結果、竹歯ブラシに関しては日本ではあまり広まっていないんですけれども、海外では既に多く販売されていた商品でした。

歯ブラシのブラシ以外の本体部分を竹に置き換えプラスチックをおよそ80~85%削減。竹はプラスチックと違って土に還るほか、3年も経てば成長が完了する再生サイクルの早い循環資源。総じて環境に優しいという点で、海外では既に竹歯ブラシは存在していました。しかし日本人の口のサイズには大きすぎ、握る部分も大きく握り辛い。かつ、ホテルのアメニティとして導入してもらうにはある程度価格を抑えなければならないという課題がありました。

そこで山本さん達はオリジナルの竹歯ブラシの開発するにあたって、歯ブラシメーカーではなく、竹の扱いに慣れている割りばしのメーカーにアプローチ。ある程度技術を応用できたことでコストカットにつながり、海外製なら600円~800円かかるところ、290円に抑えることができました。それでも従来のプラスチック製歯ブラシに比べたら3倍ほど高いそうです。

★ホテルのアメニティを「使い捨て」ではなく「持ち帰る」

今は全国のホテル30か所ほどで竹歯ブラシの導入が進んでいるそうですが、今後さらに広げていくために山本さんが考えていることを聞きました。

株式会社豊和 取締役 山本美代さん
実はプラスチックの歯ブラシ、すごく価格が低いんですね。これは私、逆に安すぎるなと感じていたんですけど、ホテルにとっては、竹歯ブラシにするという変化はご負担になると思います。ただ、そこをちょっと考え方を変えていければなと。アメニティが使い捨てであるという概念を無くして、置いてある歯ブラシをお客様へのギフトとしてお持ち帰りいただく。竹の歯ブラシを一日使ってごみ箱に捨てることに心情的にお客様も抵抗感があるのではないかと感じていて、自然素材で丁寧に作られたものが置いてあることで、それを捨てたくないと思って頂けたらなと思っています。

竹歯ブラシの実物を見たら「捨てるのがもったいない」と感じるデザイン。ホテルからも宿泊客側にそういったメッセージを伝えてほしいと山本さんは話します。


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