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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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若い世代を中心に増える「固定電話恐怖症」

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きょうは、若い世代の間で広がる“固定電話恐怖症”について、2月24日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

 

 

あと1ヶ月位すると新社会人という方も多いと思いますが、いま、若い人の間に広がっている言葉があります。それは「固定電話恐怖症」。携帯電話を持っていても、ラインやメールばかりで通話しない、ましてや家には固定電話がない、ということで、会社で固定電話で話せるか心配なようですが、実際どうなのか?街の若者に聞きました。

★「固定電話恐怖症」で電話が怖い?!

●「質問に答えられるかなとか、言葉遣いがまだ働き始めとかだと丁寧な言葉じゃなく答えちゃったらどうしようとかそういうのでドキドキしていた。
●「どんな電話がかかってくるかわからないから、対応できるかなっていう不安はあった。人の名前とかをまだ把握していないから、会社名とか聞き取れなかった時にパニックになって2回目聞こえなかった時にどうしようかな、3回目は聞けないかな。なんとなく〇〇さんぽい人から(電話が来たと)キーワードだけ言う。
●「誰か他に取ってくれないかなって思う。でも3コール以内に取らなきゃいけないっていう会社のルールがあるので、2コール目まで誰も取らなかったら渋々取ります。メールとかラインのやりとりだったら何回でも納得いくまでやり直せる。でも電話だとその場で考えてパッと言ったらそれがすべてなので、気を遣いすぎて空回りして失礼なこと言っちゃったりすることがあるので僕は電話が嫌いです。
森本毅郎スタンバイ!

固定電話恐怖症

皆さん固定電話に恐怖を感じているようでした。特に、聞き取れなかった時にどう対応していいかわからなくて焦ってしまうという人や、電話が鳴っても他の誰かが出てくれるのを待ってしまう人が多くいました。

★電話がなきゃ仕事できない!

文章だと推敲できるけど、電話だと言ったことがそのまま伝わってしまうので相手に失礼にならないか、気を遣うのがストレスのようですが、では、そんな若い世代を、先輩社員はどう思っているのか。50、60代の方たちに聞きました。

●「初めは慣れないから怖いって思う。だけどちょっとずつ経験で場数を踏んで対応していくっていうのが常識かなとは思う。
●「アホかいなって話。そもそもそんなことできなきゃ仕事はできないって思う。ややこしい人から受けるの面白いけどね。そういう楽しみがあるってことを知ってほしい。
●「まず一歩踏み出すことをしないことには変わらないと思う。誰かが取ってくれるのを待ってというよりは1回取ってみて、その経験の積み重ねで成長していくので、そういうところが大切なのかなっていうのを本来は教えるのが一番いいのかなとは思う。

先輩たちも、新人の頃は電話対応が怖かった、という人たちも多く、“固定電話恐怖症”に一定の理解している人もいました。逆に電話応対を極めてそこに面白さを見つけたり、経験を積んでいくことの大切さをわかって欲しいという声もありました。

★受話器を持つのは右手?左手?

そんな中、いま新入社員向けの電話応対の研修も盛況のようです。お話を聞いてみると、最近の研修はこんなところから教えるようです。株式会社ブランニューデイ 代表取締役の池田浩一さんのお話です。

株式会社ブランニューデイ・代表取締役 池田浩一さん
まず人から電話を受けた時にきちんと名乗るだとか、その手前に『心構え』から話している。心構えっていうのは、社会人としてそういう電話がかかってくるというイメージを持っていないで新入社員になっているケースがほとんどなので、社会人デビューをすると電話の受け答えしなくちゃダメなんだよというところから意識付けをしている。あと、これは僕も5年前にそれを目の当たりにした時は、えっ?と思ったんですが、メモの取り方で、どっちの手で(メモを)取るんですか?という質問があったので、利き手はメモを取るから、左手で電話を受けてください右利きの人はと。そうじゃない人は逆でやってくださいと、そこも指導する。

まず受話器をとったことがほとんどないので、メモが取れない人が増えてきている…。また、研修では「なぜ電話が必要なのか?」という心構えや、電話するときの姿勢、それから敬語の使い方、さらには実際にお客さん側と企業側に分かれてロールプレイイングも行なっていくそうで、みっちり3時間半かけて練習していくそうです。

★電話を録音してくれるサービス「カイクラ」

そして、最近では、電話応対の不安要素を取り除く、新しいサービスを提供している企業も出てきています。株式会社シンカ・代表取締役の江尻高宏さんのお話です。

株式会社シンカ・代表取締役 江尻高宏さん
固定電話にかかってきた時に、誰からかというものをパソコンの画面に表示させます。この表示させるタイミングというのが着信と同時に表示されるので、電話を取る前にわかる。「カイクラ」というサービスで、電話の発信・着信共にすべて自動録音していて、オフィスでは意外と電話注文などがまだあるので、特に中小企業とかでも注文を言った言わないとか、商品の型番とか色とか、そういうのが後でトラブルになるということがある。あと、単純に聞き間違いとかもあるけど、お客様が間違っているということもあって、これが全て録音されているので正しい情報が確認できる。
森本毅郎スタンバイ!

会話をクラウド上に録音・記録するサービス「カイクラ」

森本毅郎スタンバイ!

電話がかかってきたら、固定電話と紐づいたタブレットやパソコンに、事前に登録してあった情報が表示されます

森本毅郎スタンバイ!

「どちら様ですか?」と言ったやりとりがなくなります

こちらは「カイクラ」というサービス(会話クラウドの略)。電話の着信時に、固定電話に紐づいたタブレットなどに、登録してある相手の名前や前回までのやり取り、自分の会社の担当者名が表示されます。今までだと、電話を受けてから要件を確認する必要がありましたが、情報がパッと出てくるので、保留の回数も減って、お客さんを待たせる時間が少なくなったという企業もあるということでした。

★電話とうまく付き合っていこう

実は、最近は電話が苦手な若手社員のことを考えて、固定電話を廃止するベンチャー企業も出てきているということですが、そんな中あえて固定電話のサービスを展開しようと思ったのはなぜか。最後に江尻さんに伺いました。

株式会社シンカ・代表取締役 江尻高宏さん
地方で地元密着でビジネスをしている会社とかは、取引先とかお客様の関係を大事にしているので、電話はチャットと違って感情も伝わるし、あとちょっとした雑談が出来る。そこが人と人との関係をより深くしていると思う。この電話が人と人とのコミュニケーションをよくしているのならここでストレスを感じている場合ではないと思って、ストレスを感じさせないようなサービスがあると、逆に電話しようというふうになるんじゃないかと思って提供するようにした。

固定電話が怖いからやめてしまうのではなく、どう上手く使いこなしていくかが大切なようです。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!


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