きょうは、引越しの新しいサービスについて、2月10日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。
3月中旬〜4月上旬にかけて、毎年引越しが立て込みます。この時期引越し代金が高くなったり、業者が見つからなかったり、引っ越したくても引っ越せない「引っ越し難民」という言葉も出てきています。そんな中、新しい引越しのサービスが続々と出てきていました。まずは、モノオク株式会社・代表取締役の阿部祐一さんのお話。
★家具をよそのお宅に一時避難。ピーク時の運搬を避けて賢く引越し
- モノオク株式会社・代表取締役 阿部祐一さん
- 「空きスペースを活用して、物の置き場所の問題を解決している「モノオク」というサービス。自分の持っている空きスペースを活用して、そこで物を保管する。例えば子どもが出て行って使っていない子ども部屋とか、子どものために用意している新しい部屋を持ったけれども使っていない部屋とか、そういう空きスペースで、家具一式丸ごと、趣味のものなどを預かることができる。」
「モノオク」は、“荷物を預けたい人”と“家の空きスペースを有効活用”したい人とをつなぐサービスです。この時期、“荷物を預ける側”で特に多いのが、「モノを引越し先に持っていけないので、どこかに預けたい」というニーズ。新しい家に住むまで一時的に家具や家電を預けておいて、ある程度シーズンが過ぎた頃に、後から預けておいた家具を受け取る、というケースが多いようです。
専用サイトで空きスペースを検索できるのですが、都内で調べてみると、高い部屋は月5万円程、安い部屋は月5,000円程。広さなどに応じて料金は変わりますが、都内の相場は5,000〜7,000円くらいと仰っていました。同じような立地のトランクルームだと月数万円、プラス初期費用もかかってくるので、それを考えると比較的お得に利用できます。
★トラックをシェアして安く運ぶ
このように、使っていない部屋に物を置かせてもらって、引越しの価格を抑えるサービスをご紹介しましたが、続いても、ある空きスペースを有効活用した引っ越しサービスです。株式会社グライド・代表取締役の荒木孝博さんのお話。
- 株式会社グライド・代表取締役 荒木孝博さん
- 「「ハイムーブ(Hi!MOVE)」というサービスで、安く・早く・簡単に引っ越したい方と、トラックの空いているスペース、空いている時間に有効活用させたい引っ越し会社をマッチングするサービス。同じ日に同じ方面に行く引っ越し案件があった場合、相積みをして運ぶ。一般的な引っ越しはトラックを貸し切るが、シェア型の引っ越しなので、それと比較すると一般的な金額よりは3〜4割安い金額で引っ越しができるというのがお客様のメリット。」
トラックの空きスペースを使って、1台で数人の引っ越しを一気にやってしまうというサービス。通常、1人1台のトラックでモノを運ぶので、一日に引っ越せる人の数も限られ、料金も高くなってしまいますが、混載することで効率良く、お得に引っ越しが行えます。
ちなみに、この「ハイムーブ」はスマホの専用サイトとなります。荷造り前の部屋の写真をスマホで撮影して送信すると、そのままスマホ上に見積もりが出てくるので、引っ越し業者と電話でやりとりする必要もありません。また、見積もりのためだけに、わざわざスケジュールを合わせて家に来てもらうこともなくなるので、「知らない人を家に上げたくない」、と考える女性からの指示が多いようです。
★引越しのついでに不用品を買取ってくれる
そして3つ目のサービスは、引越しの時に面倒な“あること”を同時に行えるサービス。株式会社トレジャーファクトリー・取締役の澤田卓さんのお話。
- 株式会社トレジャーファクトリー・取締役 澤田卓さん
- 「「トレファク引越」という名前で、引越しと、その時に出る不用品を同時に買い取りできるサービス。引越し当日に不要なものもその場で買取をするので、こちらからお金をお支払いできる不用品があれば、引越し費用から買取金額を差し引く。例えば、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電化製品から、家具類、ソファ、食器棚、椅子、テーブル、洋服、靴、ブランドのバッグまで買取している。」
引越しの際にいらなくなった家具や家電があっても、処分するにも手続きが必要だったり、捨てること自体、億劫に感じている方も多いと思います。その不用品回収を引越しと同時に行なってもらえるのが、この「トレファク引越」というサービス。引越しの見積もりのために業者が家に来た際に、その場で売りたいモノを一つ一つ査定してくれます。結婚を機に、一人分の家具・家電を売り払いたい人など、比較的若い単身者の利用が多いということでした(過去には引っ越し金額よりも買取金額が上回って、お金をもらって引っ越しをしたツワモノもいたそう)。
★家も買い取ることになった
また他にも、このサービスを始めて、こんなお客さんもいたそうです。
- 株式会社トレジャーファクトリー・取締役 澤田卓さん
- 「1件あったのが、大阪の方だったんですね。大阪でお引っ越しですかと聞いたら。いや違うんですよ。実は母親が東京にいて、高齢なのでこれから介護施設に入居しますと。もともと自分が住んでいた実家から介護施設に入居するにあたって荷物を運んで欲しいと。ただ、いろんな荷物があるんですけど、もう誰も使わないので全部運び出して買取処分して欲しいと依頼があった。ゆくゆくはその家自身も、実はもういらなくなるんですよと言った話まであったので、今は家の買取もやっている。」
「高齢になった親の荷物を片付けて欲しい」と連絡をしてくるお客さんが多いそうです。トレジャーファクトリーはもともと不用品買い取りの会社でしたが、引越しサービスを始めてから家の買取まで行うようになって、不動産会社としてもサービスの幅を広げているそうです。